皮膚科推奨ニキビ飲み薬 抗生物質ミノマイシン、ビブラマイシン、ルリッドの効果と副作用

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ニキビの治療は、塗り薬を使うことが圧倒的に多いですが、次のようなニキビは抗生物質の飲み薬が処方されることが多いです。

  • ニキビの原因菌のひとつであるアクネ菌が増殖して、赤ニキビになっている
  • ニキビの周辺に黄色ブドウ球菌等が感染して膿がたまり、黄ニキビになっている

抗生物質は、多くの飲み薬がありますが、ニキビで使用される抗生物質の飲み薬は、たいてい決まっています。

今回は、抗生物質の飲み薬の中でもニキビでの使用頻度が高く、日本皮膚科学会の推奨度B以上の抗生物質3つを取り上げます。

  1. ミノマイシン【A】
  2. ビブラマイシン【A】
  3. ルリッド【B】

日本皮膚科学会推奨度分類

推奨度 日本皮膚科学会推奨文
A 行うよう強く推奨する
B 行うよう推奨する
C1 良質な根拠は少ないが、選択肢の一つとして推奨する
C2 十分な根拠がないので(現時点では)推奨できない
D 行わないよう推奨する

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2016年4月 日本皮膚科学会ガイドライン更新

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2016年4月にニキビのガイドラインの更新があり、
「ファロム」という抗生物質の飲み薬が、推奨度Bにランクインしました。

ミノマイシンとビブラマイシンの両方が推奨度Aランクであることは変わりありませんが、副作用の発現頻度を勘定して、皮膚科学会ではミノマイシンよりビブラマイシンを推奨する姿勢を示しました。

抗生物質のニキビ飲み薬

抗生物質のニキビ飲み薬を使うタイミング

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ニキビ治療で使われる飲み薬の中では、抗生物質がニキビ治療に効果が高いことがわかっています。

皮膚科では
塗り薬のニキビへの効果が不十分なときや、ニキビの炎症(赤ニキビ)や化膿(黄ニキビ)がひどいときなどは、塗り薬に加えて抗生物質の飲み薬が併用されることがあります。

赤ニキビ以上になってしまった場合、早急に炎症を鎮めることが大切だからです。

ニキビの抗生物質はいつまで飲むのか?

ニキビの抗生物質の飲み薬は、耐性菌が問題になるため、できるだけ短期間にとどめるのが原則です。

しかし、抗生物質の飲み方と量にもよりますが、一般的に抗生物質の飲み薬がニキビに効いてくるのは2ヶ月程度と言われています。

そうとはいえ、皮膚科医は赤ニキビの炎症と黄色ニキビの化膿の程度によって、抗生物質の処方の仕方を変えることが多いです。

  • ニキビの化膿がひどいときのみ、高用量の抗生物質を3~5日間処方
  • 少用量の抗生物質を、1日1回~2回、継続して処方

皮膚科では色々なパターンの抗生物質の処方があるようです。

ただし、長期間の抗生物質の服用は、耐性菌が問題になってきます。耐性菌のことを考えると最長3カ月がひとつの目安になっているようです。

それでは、ニキビの抗生物質の特徴を確認していきましょう。

ニキビ抗生物質1
ミノマイシン(ミノサイクリン)

ミノマイシン50mgとミノマイシン100mg

左:ミノマイシン錠50mg
右:ミノマイシン錠100mg
※2016年2月現在、ミノマイシン100mg錠剤は流通していません。ミノマイシンカプセル100mgが使用されています

ミノマイシンの有効成分はミノサイクリンで、テトラサイクリン系抗生物質というカテゴリーに入るニキビ飲み薬です。

ミノマイシンの作用と効果

ニキビの色素沈着や跡が残らないように、ビタミン剤が処方されることもあります。

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ミノマイシンは、ニキビの保険適応がありません。

おそらく「表在性皮膚感染症」などの病名がつけられ、ニキビ治療に対する皮膚科医の経験にもとづいて使用されています。

ミノマイシンには、抗生物質本来の作用である「抗菌作用」はもちろん、「抗炎症作用」があり、炎症を起こした赤ニキビや、化膿した黄色ニキビに効果があることがわかっています。

皮膚科でミノマイシンが長期で少用量処方される場合は、抗炎症作用を期待して処方されているのかもしれません。

ミノマイシンの服用法(飲み合わせ)

ミノマイシンは、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)などを含むミネラルウォーター、食品、サプリ、薬と一緒に飲むと、吸収が低下し、効果が減弱することがあります。

もし、上記の成分を含む、ミネラルウォーター、食品、サプリ、薬を飲んだ場合は、2~4時間程度時間を空けてミノマイシンを飲んだ方が効果が期待できます。

Ca、Mg、Al、Feを含む薬の例

薬の名前 主な治療目的 含む
酸化マグネシウム 便秘 Mg
マグラックス
SM配合酸 胃の不快感 Ca
Mg
アスパラCA 骨粗鬆症 Ca
フェロミア 鉄欠乏性貧血 Fe
フェログラデュメット

ミノマイシンの副作用

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ミノマイシンで気をつかなければならない副作用は、皮膚粘膜や歯への色素沈着です。
そのため、ミノマイシンは、妊婦や授乳中は、避けた方がいい薬です。

FDA妊婦カテゴリー D
Dr.Hale’s授乳リスクカテゴリー L3
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  1. 胎児に一過性の骨発育不全、歯牙の着色、エナメル質形成不全を起こすことがある。また、動物実験(ラット)で胎児毒性が認められているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
  2. 小児(特に歯牙形成期にある8歳未満の小児)に投与した場合、歯牙の着色、エナメル質形成不全、また、一過性の骨発育不全を起こすことがあるので、他の薬剤が使用できないか、無効の場合にのみ適用を考慮すること。

ミノマイシン添付文書より

さらに、ミノマイシンは、めまい感(2.85%)の副作用が比較的多く発生する薬であることが知られています。

そのため、ミノマイシンより後述するビブラマイシンの方が使いやすいという皮膚科医の意見もあります。

その他の副作用は、腹痛、悪心などがあります。

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ニキビ抗生物質2
ビブラマイシン(ドキシサイクリン)

ビブラマイシン50mgとビブラマイシン100mg

左:ビブラマイシン錠50mg
右:ビブラマイシン錠100mg

有効成分はドキシサイクリンで、ミノマイシンと同じ、テトラサイクリン系抗生物質というカテゴリーに入るニキビ飲み薬です。

皮膚科のニキビ飲み薬テトラサイクリン系抗生物質の処方は、ミノマイシン派かビブラマイシン派に分かれることが多いです。

ビブラマイシンの作用と効果

ビブラマイシンも、ミノマイシンと同様に「抗菌作用」「抗炎症作用」があり、炎症を起こした赤ニキビや、化膿した黄色ニキビに効果があります。

ビブラマイシンも、ニキビの保険適応もないため、皮膚科医の経験で使用されています。

ビブラマイシンの服用方法(飲み合わせ)

ビブラマイシンも、ミノマイシンと同様にカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)などを含むミネラルウォーター、食品、サプリ、薬と一緒に飲むと、吸収が低下し、効果が下がることがあります。

ビブラマイシンの副作用

ビブラマイシンの気をつかなければならない副作用も、ミノマイシンとほぼ同じで、皮膚粘膜や歯への色素沈着です。

ビブラマイシンのその他の副作用も、ミノマイシンと同じ消化器系のものが多いですが、めまい感という副作用はほとんど起こりません。

ビブラマイシンも、妊婦や授乳中の場合は、避けた方がいい薬です。

FDA妊婦カテゴリー D
Dr.Hale’s授乳リスクカテゴリー L3

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授乳中に飲める薬・避ける薬(風邪、花粉症、インフルエンザ、喘息、うつ)
授乳中に使える薬は多くあります。母乳育児はメリットもたくさんありますので、安心して授乳が続けられるように病気別にまとめます。

ビブラマイシンとミノマイシンの効果の違い

エピデュオゲルはディフェリンゲルとベピオゲルの配合剤【ニキビ新薬発売日決定】
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ニキビへの効果は、ビブラマイシン50mgとミノマイシン100mgが同等といわれています。

ビブラマイシンとはミノマイシンでは、効果の継続時間にも少し違いがあり、ビブラマイシンはミノマイシンと比較すると効果が持続します。

抗生物質 消失半減期
ミノマイシン 9.5時間
ビブラマイシン 11~13時間

ニキビ抗生物質3
ルリッド(ロキシスロマシン)

ルリッド150mg

ルリッド錠150mg

有効成分はロキシスロマシンで、マクロライド系抗生物質というカテゴリーに入るニキビ飲み薬です。

ルリッドの作用と効果

赤ニキビ薬の市販(硫黄)とイオウカンフルローション 効果、使い方、副作用
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ルリッドは、ニキビの保険適応がある抗生物質で、「アクネ菌」への効果がおおやけに謳(うた)われています。

ルリッドの効果:アクネ菌によるニキビに対し、有効率71.9%です
(ルリッド添付文書より)

ミノマイシン、ビブラマイシンと同様に、ルリッドにも「抗菌作用」と「抗炎症作用」があります。

ルリッドの禁忌薬(飲み合わせ)

ルリッドは、一緒に飲んではいけない禁忌薬があります。

ルリッドとエルゴタミン製剤と一緒に飲むと、エルゴタミン製剤の血管収縮作用が増強し、副作用が起こる可能性が高まります。

禁忌薬:エルゴタミン製剤(偏頭痛、低血圧等の治療に使用)

禁忌薬の薬の名前 禁忌原因(有効成分)
クリアミン配合錠A エルゴタミン酒石酸塩
クリアミン配合錠S
ジヒデルゴット ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩
ヒポラール錠1mg

エルゴタミン製剤も妊娠中、授乳中は禁忌です。

エルゴタミン製剤は、一緒に服用できない薬が多く、偏頭痛(片頭痛)にはあまり使われることがなくなってきました。

偏頭痛(片頭痛)には、もっといい薬があります。

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ルリッドの副作用

ルリッドにも、ミノマイシン、ビブラマイシンと同じような消化器系症状の副作用が出ることがあります。

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ミノマイシン、ビブラマイシン、ルリッドの比較(まとめ)

抗生物質 ミノマイシン ビブラマイシン ルリッド
有効成分 ミノサイクリン ドキシサイクリン ロキシスロマイシン
抗生物質の種類 テトラサイクリン系 マクロライド系
皮膚科学会推奨度 A B
ニキビ効果 皮膚科医が経験的に使用 71.9%(添付文書より)
副作用 消化器症状
併用を避ける Ca、Mg、Al、Feを含む薬など エルゴタミン製剤
妊娠中
授乳中
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