給与所得控除はサラリーマンの経費!給与所得控除後の金額の計算方法

経費にできるレシート

本来所得税は、自分で計算して納めるものです。

しかし、サラリーマンに限っては、会社(給与支払者)が所得税を計算し、給与から天引きするルールになっています。
(例外あり)

そのため、年末調整後に発行される源泉徴収票はもらうだけで、何が書いてあるのかを理解していない方がほとんどだと思います。

源泉徴収票には、所得税を計算する過程が記されています。

源泉徴収票

「①給与所得控除後の金額」がどのように計算されたのかを解説します。

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会社とサラリーマンの経費

会社や個人事業者の場合は、事業に使用する車からコピー用紙まで多くの経費が認められています。

しかし、サラリーマンはそれらを直接経費にはできません。

そのためサラリーマンは、会社や個人事業者と違って経費がない(使えない)という話を聞きます。

給与所得控除はサラリーマンの経費

サラリーマンの経費を一切認めないのであれば、会社や個人事業者と比較すると、サラリーマンは税金が取られ放題で不公平です。

税金の負担のバランスをとるため、サラリーマンにも認められた経費があります。

その経費を給与所得控除といいます。

給与所得控除は、サラリーマンがサラリーマンをするための経費なのです。

サラリーマンの特権1:傷病手当金

うつ病、適応障害で働けない 傷病手当金の条件、支給日、支給期間 退職後は?
サラリーマンには、うつ病・自律神経失調症・適応障害等の精神疾患などが原因で仕事ができなくなったときや、入院等で十分な収入をえられないときに受けられる生活保障(傷病手当金)があります。

収入と所得の違い

税金の話をするときは収入所得という言葉が頻発します。

収入も所得も同じような言葉のニュアンスですが、全く別の意味です。

収入とは、経費(控除)を考慮しない、売上(額面)のことをいい、
所得とは、売上(額面)から経費(控除)を引いた手残りのことをいいます。

そのため、収入=所得とはならず、収入>所得となるのが普通です。

収入と所得のイメージ

業種 収入 所得
サラリーマン 給与額面 収入から控除を引いた後の金額
会社 売上額 売上から経費を引いた後の金額

給与所得控除の計算

給与所得控除は、サラリーマンがサラリーマンをするための経費でしたね。

会社の場合は、その事業に必要とした金額のほぼ全額が経費として認められています。
(減価償却が必要なときもある)

一方、サラリーマンの経費(給与所得控除)は、サラリーマンをするにあたって必要不必要は関係なく一定額です。

理解を深めるために、モデルを使って給与所得控除を計算してみましょう。

<給与所得控除の計算のモデル>
森田和さん 50歳
給与:月額40万円
賞与:年2回、各60万円

【給与所得控除額の計算表】

収入 給与所得控除
(平成25年~平成27年)
0円~180万円 収入×40%※
180万円超~360万円 収入×30%+18万円
360万円超~660万円 収入×20%+54万円
660万円超~1000万円 収入×10%+120万円
1000万円超~1500万円 収入×5%+170万円
1500万円超 245万円(上限)

※65万円に満たない場合の給与所得控除は65万円

源泉徴収票の支払金額が収入にあたります。

収入は600万円です。

収入600万円は、360万円超~660万円の行を確認します。

【給与所得控除額の計算表】で給与所得控除額を計算します。

600万円×20%+54万円=174万円

給与所得控除(サラリーマンの経費)は174万円です。

サラリーマンの特権2:労災

労災保険の休業補償と療養補償 怪我、病気、入院でもらえる金額を計算
サラリーマンには、仕事中・通勤中の怪我や病気が原因で、医療機関を受診したり、入院や療養で仕事を休むことになってしまった場合の補償があります。労災保険の療養補償給付と休業補償給付です。

給与所得控除後の金額の計算方法

源泉徴収票「給与所得控除後の金額」

「①給与所得控除後の金額」の計算方法は簡単です。

収入-給与所得控除
=600万円-174万円
=426万円

給与所得控除額の改定(平成28年)

給与所得控除額の改定があり、平成28年から給与所得控除額の上限額が段階的に引き下げられます

【給与所得控除額の計算表】

収入 平成28年 平成29年以降
180万円以下 収入×40%※
180万円超~360万円 収入×30%+18万円
360万円超~660万円 収入×20%+54万円
660万円超~1000万円 収入×10%+120万円
1000万円超~1200万円 収入×5%+170万円 220万円
(上限)
1200万円超 230万円(上限)

※65万円に満たない場合の給与所得控除は65万円

平成27年までは、給与所得控除額の上限は245万円でしたが、
245万円→230万円→220万円といった感じに、給与所得控除額の上限は段階的に引き下げられます。

1000万円の給与(収入)が高所得者と言われることもありますが、今回の給与所得控除額の改定では、高所得者狙い撃ちです。

年末調整後の源泉徴収票の見方と源泉徴収税(所得税)の計算
源泉徴収票には、所得税を計算した時の根拠となった数字が記載されています。源泉徴収票の理解が所得税を理解することの第一歩です。所得税・住民税の軽減のために控除をうまく利用しましょう。

まとめ

  1. サラリーマンには、給与所得控除という経費がある
  2. 収入と所得は似ているが別の言葉
  3. 給与所得控除は収入が増えるにつれ、段階的に低くなる
    (40%→30%…5%)
  4. 収入が600万円の場合の給与所得控除は174万円
    (29%を経費として控除できる)
  5. 収入が1000万円の場合の給与所得控除は220万円
    (22%を経費として控除できる)