花粉症目薬(抗アレルギー点眼液)パタノール、アレジオン、ザジテン、リボスチン

花粉症といえば、鼻の症状(鼻水、鼻づまり、鼻のムズムズ感、くしゃみ)を想像する方が多いと思いますが、目にもつらい花粉症の症状がでることがあります。

花粉症の目の3大症状は「目のかゆみ、充血、涙が出る」です。

このような目の症状を速くしずめるためには、いわゆる花粉症目薬を使います。

花粉症目薬は、大きく分けて症状別に4種類に分類されています。

  1. 抗アレルギー目薬
    (目のかゆみ・充血)
  2. ステロイド目薬
    (目のひどいかゆみ・まぶたの腫れ)
  3. 抗菌目薬
    (まぶたの腫れ・充血・眼やに)
  4. 免疫抑制目薬
    (目のひどいかゆみ・充血・まぶたの腫れ)

花粉症目薬(抗アレルギー目薬、ステロイド目薬)

今回は、花粉症治療の中心的役割を担う花粉症目薬「抗アレルギー目薬」について解説します。

花粉症目薬の点眼方法の確認から始めます。

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目次

花粉症目薬の正しい点眼方法(使い方)

通常法(通常点眼)が最もポピュラーな花粉症目薬の点眼方法ですが、この方法では花粉症目薬を安定して目に点眼できない方もいます。

そのようなときに、一度試してもらいたい点眼方法がげんこつ法です。

げんこつ法は、目薬を手(げんこつ)で固定するため、目に点眼しやすいと言われています。

目薬の点眼方法(通常法とげんこつ法)

出典:日本アルコンHP

それでは、花粉症目薬「抗アレルギー目薬」の解説に入りましょう。

抗アレルギー目薬と抗ヒスタミン作用

抗アレルギー目薬は、花粉症目薬の中で1番最初に検討される目薬で、目のかゆみに特に効果があります。

抗アレルギー目薬は大きく分けて、3種類に分類されます。

  1. ケミカルメディエーター遊離抑制作用のある目薬
  2. 抗ヒスタミン作用(ヒスタミンH1受容体拮抗作用)のある目薬
  3. 両方の作用がある目薬
ケミカルメディエーターとは
かゆみの原因となる化学物質のことで、ヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサンA2等があります

花粉症の症状に即効性があるのは抗ヒスタミン作用を持つ抗アレルギー目薬です。

目のかゆみなどの花粉症の症状が出ているときは、抗ヒスタミン作用を持つ抗アレルギー目薬を使用しないと、目のかゆみはなかなか改善しません。

ケミカルメディエーター遊離抑制作用を持つ目薬は即効性を期待できませんが、アレルギーの即時相反応と遅発相反応の軽減や抑制にすぐれた薬です。

アレルギー反応が起こらないように、予防的に使用されるときもあります。

即時相反応とは
アレルギー反応の第1段階の反応です。
即時相反応は抗原が抗体と出会って数分~数十分程度で起こることが多いです
遅発相反応とは
即時相反応の後に起こるアレルギー反応の第2段階の反応です。
数時間~数十時間以内に起こることが多いです

抗アレルギー目薬は防腐剤添加と防腐剤フリーの2種類

抗アレルギー目薬の花粉症に対する効果は、防腐剤添加・防腐剤フリー、どちらも同じですが、副作用の頻度が違います。

そして、防腐剤添加、防腐剤フリーでは値段がかなり違います。

  防腐剤添加 防腐剤フリー
効果 同じ
副作用頻度 高い 低い
値段 安い 高い

防腐剤添加の抗アレルギー目薬から見ていきましょう。

抗アレルギー目薬【防腐剤添加】
(パタノール、リボスチン、ザジテン、インタール、リザベン、ゼぺリン)

パタノール、リボスチン、ザジテン…の特徴と値段

防腐剤添加の抗アレルギー目薬(パタノール・リボスチン・ザジテン・インタール・リザベン・ゼぺリン)

花粉症目薬(抗アレルギー目薬:防腐剤添加)

抗アレルギー目薬  有効成分 抗H CM抑 2016年
1本薬価
パタノール点眼液 オロパタジン 983.5円
リボスチン点眼液 レボカバスチン × 659.5円
ザジテン点眼液 ケトチフェン 662.6円
インタール点眼液 クロモグリク酸ナトリウム × 653.3円
リザベン点眼液 トラニラスト × 634.0円
ゼペリン点眼液 アシタザノラスト × 744.3円

抗H  :抗ヒスタミン作用
CM抑:ケミカルメディエーター遊離抑制作用
薬価 :薬の値段
「薬価×0.3」が3割負担の方の1本あたりの値段

パタノール、リボスチン、ザジテン…の使用期限

目薬は開封した瞬間から薬液の汚染が始まります。

防腐剤はこの薬液の汚染を防ぐためにほとんどの抗アレルギー目薬には防腐剤が入っています

防腐剤添加目薬の一般的な使用期限の目安は、開封後約1カ月です。

パタノール、リボスチン、ザジテン…の副作用

花粉症の症状がでる方は、普通の方と比べて防腐剤(塩化ベンザルコニウムなど)にアレルギー反応(副作用)を起こす可能性が高いと言われています。

防腐剤フリーの目薬をおすすめします。

防腐剤の主な成分

  • 塩化ベンザルコニウム
  • ソルビン酸カリウム
  • パラベン
  • クロロブタノール

パタノール、リボスチン、ザジテン…の使い方、諸注意

抗アレルギー目薬は、1日4回(朝・昼・夕・寝る前)、1回1滴を点眼します。

1回1~2滴と説明されるかもしれませんが、花粉症に対する効果は1滴でも2滴でも同じです。

  • ザジテンはpHが酸性に傾いているため、刺激感があります
  • リボスチンは懸濁液のため、点眼前によく振ります
  • インタールは春季カタルに保険適応があります
春季カタルとは
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抗アレルギー目薬【防腐剤フリー】
(アレジオン、ザジテンUD、インタールUD)

アレジオン、ザジテンUD、インタールUDの特徴

防腐剤フリー抗アレルギー目薬(アレジオン、ザジテンUD、インタールUD)

花粉症目薬(抗アレルギー目薬:防腐剤フリー)

 抗アレルギー目薬 有効成分 抗H CM抑 2016年
1本薬価
アレジオン点眼液 エピナスチン 1912.5円
ザジテン点眼液UD ケトチフェン 29.1円
インタール点眼液UD クロモグリク酸ナトリウム × 26.0円

抗H  :ヒスタミンH1受容体拮抗作用
CM抑:ケミカルメディエーター遊離抑制作用
薬価 :薬の価格
「薬価×0.3」が3割負担の方の1本あたりの値段

アレジオン、ザジテンUD、インタールUDの値段

  • アレジオン点眼液:1912.5円
  • ザジテン点眼液UD:29.1円
  • インタール点眼液UD:26円

防腐剤フリー抗アレルギー目薬は、1回点眼あたりの値段が高いです。

ザジテンUDとインタールUDは安く見えますが、
ザジテンUDとインタールUDは使い捨てタイプのため、この値段が1回点眼時の値段です。

アレジオン、ザジテンUD、インタールUDが防腐剤フリーの理由

防腐剤フリーの抗アレルギー目薬は、防腐剤の代わりに緩衝剤安定化剤を加え、薬液の汚染を防止しています。

塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤が入っていませんので、新たなアレルギー反応(副作用)の心配はありません。

緩衝剤として使用される主な成分

  • トロメタモール
  • ホウ酸
安定化剤として使用される主な成分

  • エデト酸ナトリウム

アレジオン、ザジテンUD、インタールUDの使い方と諸注意

防腐剤フリーの抗アレルギー目薬は、1日4回(朝・昼・夕・寝る前)、1回1滴を点眼します。

  • アレジオンは防腐剤フリーですが、防腐剤添加の目薬と同様に開封から約1カ月使用できます
  • ザジテンUDとインタールUDは「使い捨て(ディスポーザブル)」のため、両目に1滴ずつ使用した後の残液は廃棄します
  • ザジテンUDとインタールUDは、開封時の容器破片除去のため、最初の1.2滴は捨てます
  • ザジテンUDはpHが酸性に傾いているため、刺激感があります
  • インタールUDは春季カタルに保険適応があります

パタノール点眼液

パタノール点眼液は、花粉症目薬のなかでは使用頻度の高い抗アレルギー目薬です。

パタノール点眼液の有効成分

パタノールの有効成分は、飲み薬「アレロック」と同じオロパタジンです。

パタノールが発売されたのは2006年です。

アレロックはすでに2001年に発売され、アレルギーの薬としてよく知られています。

「アレロック点眼液」の方がわかりやすく説明しやすいのに…と思うのは私だけでしょうか?

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パタノール点眼液の使い方

パタノールは、朝・昼・夕・寝る前1日4回点眼します。

パタノールは、添加物(ベンザルコニウム)が使用されているため、コンタクトレンズを装着したまま使用できません。

そのときは、コンタクトレンズ装着前の朝、コンタクトレンズを取った後の夜、1日2回パタノールを点眼します。

パタノールは1日2回の点眼でも、1日4回点眼したときに近い効果が期待できます。
(目のかゆみ、充血をとる効果)

パタノール1日2回、4回点眼時、かゆみ軽減効果の差

パタノール1日2回、4回点眼時、かゆみ軽減効果の差

後期第Ⅱ相試験より

パタノール点眼液の効果

パタノールは「抗ヒスタミン作用」と「ケミカルメディエーター遊離抑制作用」の2つの作用があります。

  1. 花粉症の症状が出てからの症状改善効果
  2. 花粉症が出る前の予防効果

パタノールは2つの効果が期待できます。

パタノール点眼液とザジテン点眼液の効果の比較

パタノールとザジテンの効果の比較

オロパタジン点眼液:アレロック
ケトチフェンフマル酸点眼液:ザジテン

(第Ⅲ相比較試験より)

パタノールとザジテンの、目のかゆみと充血を取り除く効果は同等です。

パタノールいらない?(ザジテンで十分)
という声が聞こえてきそうですが、パタノールとザジテンは点眼液のさしごこちの違いがあります。
(ザジテンはしみる)

パタノール点眼液はしみない

パタノールと同等の効果のあるザジテンは、点眼後の刺激感が強い抗アレルギー目薬としても有名です。

パタノールは、pH約7.0、浸透圧比0.9~1.1の目薬で、涙の成分(pH7.45、浸透圧比1.0)に近いです。

そのため、パタノールは点眼したときの違和感(不快感、刺激感)がほとんどありません。

アレジオン点眼液

アレジオン点眼液は、飲み薬「アレジオン」と同じ有効成分エピナスチンを含む花粉症目薬です。

アレジオンもパタノールと同等の効果がありますが、値段が高いためなかなか普及していないようです。

アレジオン点眼液の使い方

アレジオンもパタノールと同様に、朝・昼・夕・寝る前1日4回点眼が通常の使い方です。

アレジオンは添加物フリーですので、コンタクトレンズの上からでも点眼できます。

アレジオンの添加物
添加物として、リン酸二水素ナトリウム(緩衝剤)、リン酸水素ナトリウム水和物(緩衝剤)、ホウ酸(防腐剤)、塩化ナトリウム(等張化剤)、エデト酸ナトリウム水和物(安定剤)、pH調節剤を含有する

アレジオン点眼液インタビューフォームより

アレジオン点眼液の効果

アレジオンも「抗ヒスタミン作用」と「ケミカルメディエーター遊離抑制作用」の2つの作用があります。

  • 花粉症の症状が出てからの症状改善効果
  • 花粉症が出る前の予防効果

パタノールと同様に2つの効果が期待できます。

アレジオン点眼液の副作用

アレジオンもパタノールと同様に、涙の成分(pH7.45、浸透圧比1.0)に近いです。

  • pH:6.7~7.3
  • 浸透圧比:0.9~1.1

そのため、副作用もかなり低くなっています。

アレジオンの主な副作用

  • 眼刺激感:0.24%
  • 眼の異物感:0.17%

アレジオン、パタノール、リボスチンの効果比較

海外での試験です。

「花粉症の方を対象にアレジオン、パタノール、リボスチンをそれぞれ、1回1滴、1日2回、8週間両眼に点眼する」

アレジオンの花粉症の目のかゆみを抑える効果は、パタノールとリボスチンと比べて劣っていないというデータがあります。

1日4回点眼した試験でも

アレジオンの花粉症の目のかゆみをとる効果、充血を取る効果は、パタノールと比べて劣っていないという結果が出ています。

抗アレルギー目薬で手に負えないとき

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市販用の抗アレルギー目薬

医療用成分と同成分の目薬が、スイッチOTCとして発売されています。

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花粉症用に多くの目薬が市販されていますが、ダメな目薬も多くあります。ダメな理由と使うべきおすすめの花粉症目薬を3種類+アルファ紹介します。

おもに花粉症の目の症状を緩和する目的で使用します。

花粉症で使う市販の目薬の例

医療用目薬 有効成分 市販薬の例
ザジテン点眼液 ケトチフェン ザジテンAL
ゼペリン点眼液 アシタザノラスト アイフリーコーワAL
インタール点眼液 クロモグリク酸ナトリウム アルガードクリアブロック
ニフラン点眼液 プラノプロフェン

残念ながら、パタノールとアレジオンの市販は未発売です。

まとめ

  1. 花粉症目薬の中では「抗ヒスタミン作用」のある抗アレルギー目薬は、花粉症の目の症状が出てからでも、症状改善効果が期待できる
  2. 「ケミカルメディエーター遊離抑制作用」がある抗アレルギー目薬は、即効性は期待できないが、予防効果を期待する花粉症目薬
  3. 花粉症の抗アレルギー目薬は、防腐剤添加と防腐剤フリーの2タイプある
  4. 防腐剤ベンザルコニウムなどを含む目薬は、コンタクトレンズの上から点眼できない
  5. パタノール、アレジオン、ザジテンの効果は同等