ヘルペス薬 バルトレックス、ゾビラックス、ファムビルの違い

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人に感染するヘルペスウイルスは主に3種類です。

  1. 単純ヘルペスウイルス1型
    口唇ヘルペス
    カポジ水痘様発疹症など

  2. 単純ヘルペスウイルス2型
    性器ヘルペスなど

  3. 水痘・帯状疱疹ウイルス
    水疱瘡(水痘)帯状疱疹など

口唇ヘルペス、水疱瘡、帯状疱疹などの治療に使われる抗ヘルペスウイルス薬の飲み薬も3種類です。

  1. ゾビラックス(アシクロビル)
  2. バルトレックス(バラシクロビル)
  3. ファムビル(ファムシクロビル)

ヘルペスウイルスの増殖を抑える作用は共通していますが、吸収率、飲み方、薬価(薬の値段)などが違います。

※抗ヘルペスウイルス薬を「ヘルペス薬」と略記します。
※口の周りにできた単純疱疹を単純ヘルペスと言います

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ゾビラックス・バルトレックス・ファムビル
有効成分の違い

有効成分に関しては、ゾビラックスとバルトレックスは兄弟関係にあります。

ファムビルは全くの別成分です。

バルトレックスはゾビラックスのプロドラッグ

ゾビラックス錠400mgとバルトレックス錠

左:ゾビラックス錠400mg
右:バルトレックス錠500mg

※ゾビラックス錠は他に200mgがあります

バルトレックスはゾビラックスの欠点を改良したプロドラッグ(体内で代謝され薬効を示す薬)で、アシクロビルに変換されて抗ヘルペスウイルス作用を発現します。

バルトレックスとゾビラックスの関係

ヘルペス薬バルトレックス(バラシクロビル)の効果、副作用、飲み方【帯状疱疹・水疱瘡・口唇ヘルペス】
バルトレックス錠は水疱瘡、口唇ヘルペス、帯状疱疹のすべてに保険適応があります。その効果、副作用、飲み方を解説します。

ファムビルもプロドラッグ

ファムビル錠250mg

ファムビルの有効成分ファムシクロビルは、体内でペンシクロビルに変換され、ペンシクロビルはヘルペスウイルス内で活性型ペンシクロビルになり効果を発揮します。

ファムビル(ファムシクロビル)→ペンシクロビル→活性化ペンシクロビル

ヘルペス薬ファムビルは高いが帯状疱疹治療に特化!?効果と副作用
ヘルペスで使う薬はバルトレックスが有名ですが、ファムビルもあります。ファムビルはバルトレックスと比較すると薬価(薬の値段)がやや高いですが、帯状疱疹に使う価値はありそうです。

ゾビラックス・バルトレックス・ファムビル
服用回数と吸収率の違い

ゾビラックスは吸収率が悪く(バイオアベリラビリティが低く)、1日4回以上服用しなければ効果を発揮しませんでした。

バルトレックスとファムビルは、吸収率を改善して服用回数を軽減した進化型のヘルペス薬です。

  ゾビラックス バルトレックス ファムビル
BA 10%~20% 約55% 77%
服用回数 4~5回 2~3回 3回
バイオアベイラビリティ(BA)
生物学的利用率ともいう。
全身をめぐる血液循環に入る薬の割合。
高い方が有効成分が効率よく利用できている

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ゾビラックス・バルトレックス・ファムビル
ジェネリックの有無と薬価の違い

ヘルペス薬は薬価が高いのがネックです。

ゾビラックスとバルトレックスはジェネリックがありますが、ファムビルにはジェネリックがありません。

ジェネリック ヘルペス薬 薬価
ゾビラックス200mg 221.8
ゾビラックス400mg 352.3
アシクロビル200mg 42.4
アシクロビル400mg 58.6
バルトレックス錠 405.6
バラシクロビル錠 188.8~219.4
ファムビル 489.8

薬価はゾビラックスとゾビラックスのジェネリック(アシクロビル)に軍配があがります。

しかし、ヘルペス薬は何の病気に(水疱瘡、口唇ヘルペス、帯状疱疹など)に使うかで1回服用量と服用回数に違いがあります。

口唇ヘルペス(単純疱疹)の治療コストを例に挙げると、
ジェネリックではアシクロビルですが、先発ではバルトレックスが一番安くなります。

ヘルペス薬 1回量 服用回数 1日分薬価
ゾビラックス200 1錠 5回 1109
アシクロビル200 212
バルトレックス 2回 811
バラシクロビル 378~439
ファムビル 3回 1469

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ゾビラックス・バルトレックス・ファムビル
製剤(剤形)の違い

ファムビルは錠剤のみです。

ゾビラックスは飲み薬だけではなく、塗り薬や点滴もあり使い勝手がいいです。

ゾビラックス軟膏

アラセナAというヘルペスの塗り薬もありますが、軟膏とクリームのみです。

アラセナA軟膏とアラセナクリーム

目のヘルペス(角膜ヘルペス)に使えるヘルペスの塗り薬は、ゾビラックス眼軟膏だけです。

ゾビラックス バルトレックス ファムビル
錠剤
顆粒剤 ×
点滴 ×
軟膏
クリーム
眼軟膏

口唇ヘルペス塗り薬アラセナA軟膏(ビダラビン) VS ゾビラックス軟膏(アシクロビル) 
1度口唇ヘルペスになってしまった方は、再発する可能性が高いです。塗り薬を1本常備しておくことをおすすめします。口唇ヘルペスの塗り薬はドラッグストアなどで市販されています。

ゾビラックス・バルトレックス・ファムビル
保険適応の違い

ファムビルは錠剤のみのため水疱瘡には使用できません。

  ゾビラックス バルトレックス ファムビル
  錠剤 顆粒 錠剤 顆粒 錠剤
水疱瘡 × ○※1 ×
口唇ヘルペス
帯状疱疹

※1 子供のみ

ゾビラックス・バルトレックス・ファムビル
飲み方(用法用量)の違い

共通点

ヘルペス薬は水疱瘡・口唇ヘルペス帯状疱疹などに効果があります。

しかし、ヘルペス薬はウイルスの増殖を抑える効果が出るまで2日程度かかります。

各診断を受けたら、できるだけ早くヘルペス薬を飲んで治療を開始します。

本剤の投与は、発病初期に近いほど効果が期待できるので、早期に投与を開始すること。

なお、目安として、帯状疱疹の治療においては皮疹出現後5日以内に、また、水痘の治療においては皮疹出現後2日以内に投与を開始することが望ましい

バルトレックス添付文書より

薬局でヘルペス薬を受け取ったら、帰宅後すぐに1回分を飲んでください。

さらにヘルペス薬の効果を最大限に発揮するためには、処方されたヘルペス薬は最後まで飲みきることも大切です。

水疱瘡の飲み方(服用期間)

水疱瘡の多くは1歳~5歳の子供ですので、顆粒剤の子供の飲み方を解説します。

  • ゾビラックス顆粒を1回0.05g/体重1kg、1日4回、5日間
    (1回の最大用量は2g)

  • バルトレックス顆粒を1回0.05g/体重1kg、1日3回、5日間
    (1回の最大用量は2g)

水疱瘡薬 飲み薬バルトレックス&塗り薬カチリ、抗生物質
ゾビラックスやバルトレックスなどの抗ヘルペス薬は、水疱瘡の皮膚症状である水ぶくれの広がりを抑えます。カチリ、抗生物質を使用することもあります。

口唇ヘルペスの飲み方(服用期間)

大人

  • ゾビラックス錠200mgを1回1錠、1日5回、5日間
  • バルトレックス錠を1回1錠、1日2回、5日間
  • ファムビルを1回1錠、1日3回、5日間

10kg以上の子供

  • ゾビラックス顆粒を1回0.05g/体重1kg、1日4回、5日間
    (1回の最大用量は0.5g)

  • バルトレックス顆粒を1回0.05g/体重1kg、1日2回、5日間
    (1回の最大用量は1g)

口唇ヘルペスの塗り薬は薬局で市販されています

薬局で買える口唇ヘルペス市販薬 アラセナS、アクチビア、ヘルペシアの違い
1度口唇ヘルペスの症状が出た方は、再発する可能性が高いです。口唇ヘルペスの塗り薬は薬局(ドラッグストア)でも市販されているため、1本常備しておくことをおすすめします。

帯状疱疹の飲み方(服用期間)

帯状疱疹の多くは高齢者ですので、大人の錠剤の飲み方を解説します。

  • ゾビラックス錠400mgを1回2錠、1日5回、7日間
  • バルトレックス錠を1回2錠、1日3回、7日間
  • ファムビル錠を1回2錠、1日3回、7日間
帯状疱疹の薬【バルトレックス、ファムビル、ステロイド、ロキソニン+α】ヘルペスウイルスと痛みの治療
帯状疱疹はピリピリ感が初期症状です。それを感じたら早期治療を開始すべきです。治療薬はバルトレックス・ファムビル・ステロイド・消炎鎮痛薬などがあります。

ゾビラックス・バルトレックス・ファムビル
口唇ヘルペス、帯状疱疹への効果の違い

ヘルペス薬はヘルペスウイルスの増殖を抑えて水ぶくれの皮膚症状を改善するだけではありません。

ヘルペスの症状の軽い初期に服用を開始すれば、皮膚のかゆみ(水疱瘡)やピリピリとした痛み(口唇ヘルペス、帯状疱疹)を和らげることができます。

バルトレックス VS ゾビラックス

バルトレックスとゾビラックスのヘルペスに効果を示す成分は同じアシクロビルですので、効果は同等です。

バルトレックスとゾビラックスの関係

バルトレックス VS ファムビル

ファムビルはバルトレックスより後に発売されたヘルペス薬です。

効果はバルトレックス以上を期待したいですが、口唇ヘルペスと帯状疱疹への効果は同等です。

バルトレックスとファムビルの効果の比較

帯状疱疹の病変部位が完全痂皮化するまでの日数

つまり、ゾビラックス、バルトレックス、ファムビルの効果の優越はありません。

ゾビラックス・バルトレックス・ファムビル
帯状疱疹後神経痛への効果の違い

帯状疱疹後神経痛とは

ヘルペス薬が本当に必要な病気は帯状疱疹です。

帯状疱疹の後遺症である帯状疱疹後神経痛はだらだら痛みが続く厄介な病気だからです。

さらに、帯状疱疹後神経痛薬の効果の個人差は大きく、長期の痛みに悩まされることも少なくありません。

帯状疱疹後神経痛に移行させないためにも、早期にヘルペス薬で治療を開始します。

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帯状疱疹後神経痛は帯状疱疹の後遺症のひとつです。万人に効く、痛みの治療法も確立していないため、帯状疱疹は真剣に治療に取り組まなくてはなりません。

ヘルペス薬と帯状疱疹後神経痛

ヘルペス薬を服用しない場合、帯状疱疹後神経痛に移行する頻度(皮疹発現90日後の疼痛残存率)は20~60%と言われています。

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50歳以上の成人を対象にした海外の二重盲検比較試験の結果では、半数の方の痛みが取れるまでにかかる日数は、バルトレックスの方が短いことが確認されています。

  • ゾビラックス:51日
  • バルトレックス:38日

バルトレックスとファムビルを直接比較したデータがないため効果の優越は不明ですが、ファムビルは帯状疱疹痛帯状疱疹後神経痛が消失するまでの期間を短縮することが海外の二重盲検比較試験で確認されています。

ファムビルを服用した場合

  • 半数の方の痛みが取れるまでにかかる日数が21日
  • 帯状疱疹後神経痛に移行する頻度は12.4%
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ゾビラックス・バルトレックス・ファムビルと
アラセナA軟膏・ゾビラックス軟膏の併用

ヘルペス薬は飲み薬と飲み薬がありますが、ヘルペス治療には経験的に優先順位があります。

健康保険では、飲み薬と塗り薬の併用は原則認められていません。

  • 口唇ヘルペス
    ヘルペス塗り薬(アラセナA軟膏・ゾビラックス軟膏)優先

  • 帯状疱疹
    ヘルペス飲み薬(ゾビラックス、バルトレックス、ファムビル)優先

例えば、帯状疱疹にヘルペスの飲み薬(ゾビラックス、バルトレックス、ファムビル)を使った場合、帯状疱疹治療には十分な効果を発揮します。

ヘルペス塗り薬(アラセナA軟膏・ゾビラックス軟膏)をさらに併用はできません。
(ヘルペス薬は高価で、健康保険を切迫させるという理由もある)

健康保険請求上の理由でテラコートリル、テラマイシンなどの抗生物質の塗り薬が、帯状疱疹に使用される場合があります。

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まとめ

  1. バルトレックスはゾビラックスの欠点を改良したプロドラッグで、アシクロビルに変換されて抗ヘルペスウイルス作用を発現する
  2. ファムビルの有効成分ファムシクロビルは、体内で変換されてペンシクロビルになり、ヘルペスウイルス内で活性型ペンシクロビルになり効果を発現する
  3. ゾビラックスは飲み薬だけではなく、塗り薬や点滴もある
  4. 口唇ヘルペス、帯状疱疹でゾビラックス、バルトレックス、ファムビルを服用した場合、効果の優越はない
  5. ゾビラックス、バルトレックス、ファムビルを服用した場合、半数の方の帯状疱疹痛が取れるまでにかかる日数は、51日、38日、21日という試験結果がある
    (ただし、試験条件が違うため単純比較はできない)
  6. 健康保険では、飲み薬(ゾビラックス、バルトレックス、ファムビル)と飲み薬(アラセナA軟膏・ゾビラックス軟膏)の併用は原則認められていません。