ホクナリンテープ(ツロブテロール) 咳止めシールの効果、副作用、使い方

スポンサーリンク
シール

ホクナリンテープは、早朝の気管支喘息発作呼吸機能の低下(モーニングディップ)の予防(気管支拡張)を主な目的として開発された貼り薬です。

しかし、気管支喘息の予防は気管支の炎症や収縮などを24時間コントロールできる、次のどちらかのタイプの吸入薬を使うのが主流です。

  1. ステロイドの吸入薬
    (パルミコート、キュバールなど)

  2. ステロイドと長時間作動型β2刺激剤の吸入配合薬
    (シムビコート、レルベアなど)

最近は、風邪・気管支炎などによって起こる咳の咳止めにホクナリンテープを使う場合が多く、ホクナリンテープは次のような通称名ですっかり有名になりました。

  • 咳止めシール(気管支炎シール)
  • 咳シール
  • 貼る咳止め
  • 咳止めテープ
  • 気管支炎拡張テープ
  • 咳止めの貼り薬
  • 胸に貼る薬

小児科を担当していると、ほとんどのお母さんがホクナリンテープの貼り方、使い方を知っています。
(過去に何度も使ったことがあるのでしょう)

しかし、ホクナリンテープは効かないと思っている方も意外と多いです。

貼り方、使い方をうかがってみると、ホクナリンテープの貼り方、使い方に問題があったり、効果発現時間の理解が不十分のようです。

咳止めシールことホクナリンテープの効果、副作用、貼り方、使い方、そして効かない理由を解説します。

スポンサーリンク

気管支炎とは

気管支炎は字のごとく気管支で起こる炎症です。

気管支炎は風邪と同じようにウイルスが原因である場合が多いですが、細菌感染で起こる場合もあります。

気管支炎になると、の症状が起こり、発熱、だるさ、胸の苦しさの症状が併発する場合もあります。

スポンサーリンク

咳止めシール ホクナリンテープは3種類

ホクナリンテープは0.5mg、1mg、2mgの3種類の大きさがあり、それぞれの大きさに2種類のデザインがあります。
(2つのメーカーが併売している。効果は同じ)

※2017年11月30日、マルホのホクナリンテープは販売終了します。

ホクナリンテープのジェネリックであるツロブテロールテープも多くのメーカーが発売しています。

ホクナリンテープ0.5mg、1mg、2mg。2メーカー合計6種類

上:マルホのホクナリンテープ
下:マイランのホクナリンテープ

ホクナリンテープの有効成分はツロブテロールです。

ホクナリンテープは、面積当たりのツロブテロール量は同じため、

ホクナリンテープの面積
 =ツロブテロール含有量
 =効果

の公式が成り立ちます。

ホクナリンテープの大きさ3種類

スポンサーリンク

ホクナリンテープの効果

ホクナリンテープは気管支を拡張して呼吸を楽にしたり、咳を鎮める効果があります。

ただし、ホクナリンテープはツロブテロールをテープからゆっくり皮膚に放出するため、貼ってもすぐには効かないです。
(後述:ホクナリンテープの効果の特徴参照)

子供の水疱瘡の薬

水疱瘡薬 飲み薬バルトレックス&塗り薬カチリ、抗生物質
ゾビラックスやバルトレックスなどの抗ヘルペス薬は、水疱瘡の皮膚症状である水ぶくれの広がりを抑えます。カチリ、抗生物質を使用することもあります。

ホクナリンテープの貼り方、使い方

ホクナリンテープは年齢で使う大きさ(mg)が違います。

  1. 6カ月以上~3歳未満:0.5mg
  2. 3歳以上~9歳未満:1mg
  3. 9歳以上:2mg

それぞれの大きさのホクナリンテープを1日1回、胸、背中、腕のいずれかの場所に貼ります。

ホクナリンテープの貼る位置(胸、腕、背中)
出典:マイランHP

24時間が経過したら古いホクナリンテープをはがし、少し貼る場所(貼る位置)をずらして新しいホクナリンテープを貼ります。

少し貼る場所をずらすのは、シールかぶれの副作用を起こさないためです。

ホクナリンテープの面積当たりのツロブテロール量は同じため、年齢に合うサイズがない場合、切るという方法があります。
(切ると剥がれやすくなるためメーカーは推奨していません)

溶連菌薬(抗生物質)の種類と 大人も子供も飲まないといけない理由
溶連菌で使う薬は、ペニシリン系抗生物質(パセトシン、サワシリン、ワイドシリン)、セフェム系抗生物質(メイアクト、フロモックス、セフゾン)の使用が多いです。

ホクナリンテープは貼る場所(胸、背中、腕)で効果が違う?

「ホクナリンテープは肺に近いところに貼ると効果がある」と聞きました。

という質問を受けるときがありますが、ホクナリンテープの効果は胸、背中、腕のどこに貼っても同じです。

ツロブテロールの血中濃度

ホクナリンテープの貼る位置による効果の違い
ホクナリンテープインタビューフォームより

腕(上腕)のツロブテロール濃度が少し低いじゃないか!と聞こえてきそうですが、効果に影響を与える程度ではありません。
(それでも気になる方は、胸、背中に貼ってください)

子供に貼る場合、自分でシールをはがしてしまう場合があるため、背中に貼るのがよいかもしれません。

子供のマイコプラズマ肺炎の症状 咳が止まらない・熱も下がらない
子供のマイコプラズマ肺炎の3大症状は、乾いた咳、発熱、全身倦怠感(だるさ)です。自然治癒している場合も意外と多い病気ですが、重症化すると入院が必要になってきます。

ホクナリンテープの効果の特徴
(すぐに効かない理由)

ホクナリンテープは貼ってもすぐに効かない

ホクナリンテープはゆっくりとツロブテロールをテープから皮膚に放出します。

そのため、貼ってもすぐには効かないです。

シールを貼ってから4~6時間後くらいから少しずつ効果が現れ、理論上は12時間後に最大の効果が現れます。

ホクナリンテープインタビューフォームより

成人のホクナリンテープの効果出現時間
ホクナリンテープ2mgを大人に貼付

ホクナリンテープを子供に貼付したときの効果発現時間
4~9歳の子供には1mg、
9~13歳の子供には2mgを貼付

ホクナリンテープの本当の効果は3枚目から

ホクナリンテープは、1枚目からでもある程度の効果は期待できます。

しかし、気管支拡張効果が安定してくるのはシール3枚目(3日後)からです。

ホクナリンテープ4mg(未発売)を貼ったときのツロブテロール血中濃度

ホクナリンテープを連続で貼付したときの血中濃度

ホクナリンテープインタビューフォームを参考に作成

効果発現時間と効果消失時間の詳しい解説

睡眠薬マイスリーの効果発現時間と持続時間(作用時間)はどれくらい?
睡眠薬が効いた、効かなくなったと感じる時間は個人差があります。しかし、メーカーが発表しているデータから「効果持続時間」や「効果発現時間」をある程度推測することが可能です。

ホクナリンテープはいつ貼るのがベスト?

ホクナリンテープの使い方は「夕方から寝る前に貼る」と説明を受ける場合が多いと思います。

その理由は、ホクナリンテープを夕方から寝る前に貼ると、効果のピーク(ツロブテロール濃度のピーク)が早朝(12時間後)に訪れるからです。
(気管支喘息の場合、早朝の気管支喘息発作や呼吸機能の低下が起こりやすい)

しかし、最近のホクナリンテープは、気管支喘息ではなく気管支炎の咳止めとして使われる場合が多いです。

気管支炎による咳が就寝中から早朝に起こるのであれば、ホクナリンテープは夕方から寝る前に貼るのがベストですが、

昼・夜間早朝を問わず咳が出る場合は、薬をもらったらすぐにシールを貼るのがベストです。
(ホクナリンテープは貼ってもすぐに効かないため)

おねしょは薬で治してしまおう

夜尿症薬ミニリンメルト(デスモプレシン)でおねしょ治療!副作用に気を付けて
おねしょ(夜尿症)の治療法は確立されつつあり、夜尿アラームと夜尿症薬のミニリンメルトが治療の2大柱です。そのうちのひとつミニリンメルトについて解説します。

ホクナリンテープが剥がれた(はがした)ときは

ホクナリンテープは強力に皮膚に貼り付くため、自然に剥がれることはほとんどありません。

しかし、お風呂で洗ったときに剥がれたり、子供が剥がしてしまう場合もあるかもしれません。

ホクナリンテープを貼ると、12時間経過でツロブテロールの約74%は皮膚に放出しています。

24時間ホクナリンテープを貼った場合のツロブテロールの放出率を100%とすると、12時間が経過したあとの放出率(12時間/24時間貼付時)は約85%です。

ホクナリンテープのツロブテロール放出率
ホクナリンテープインタビューフォームを参考に作成

ホクナリンテープを貼って12時間が経過してシールが剥がれた時は、貼りなおす必要はありません。

マイコプラズマ肺炎薬(子供) 抗生物質クラリス、ジスロマック、オゼックス
2000年くらいからマクロライド耐性マイコプラズマが増え、マイコプラズマ肺炎の治療が思うように進まない例が見られるようになっています。

ホクナリンテープの副作用

心臓がドキドキする副作用

ホクナリンテープは胸の近くに貼るから心臓がドキドキする(心悸亢進)ことがある。と思っている方も意外と多いようです。

しかし、胸の近くにホクナリンテープを貼るから、心臓がドキドキするわけではありません。

ホクナリンテープは、β2(ベータ2)という受容体を刺激して気管支を拡張し、咳(喘息)を鎮めます。

しかし、ホクナリンテープは心臓のリズム調整などに関係するβ1(ベータ1)受容体もわずかながら刺激します。

ホクナリンテープの作用と副作用

ホクナリンテープがβ1受容体を刺激することが原因で、心臓がドキドキしたりする副作用が出る場合があるのです。

ベータ3刺激作用を利用した過活動膀胱薬(頻尿薬)ベタニス

過活動膀胱薬ベタニス(頻尿薬)の作用機序と副作用 ベシケアとの違いは?
若い方から高齢者まで多くの方が頻尿に悩んでいます。従来の頻尿薬(ベシケアなど)は副作用のため飲まなくなる方もいました。ベタニスは、副作用を軽減した日本初、世界初の作用機序を持つ新頻尿薬です。

副作用の頻度

ホクナリンテープはツロブテロールの血中濃度をゆっくりと上昇させるため、他のβ2刺激薬と比較すると、副作用の頻度は低いです。

ホクナリンテープの副作用調査(再審査)によると、
成人1,354例中、副作用は50例(3.69%)、61件の副作用が報告されています。

主な副作用 副作用頻度
心悸亢進 0.66%
手などの震え
(振戦)
0.52%
シールかぶれ
(接触性皮膚炎、紅斑など)
1.62%

小児では、1,704例中29例(1.70%)に37件の副作用が認められ、主な副作用はシールかぶれ
(接触性皮膚炎、紅斑など)1.35%でした。

ホクナリンテープで、シールかぶれ、心臓のドキドキ感、手の震えなどの副作用が起こったときは、速やかにシールをはがしてください。

まもなく落ち着きます。

モーラステープの湿布かぶれ(光線過敏症)の副作用 紫外線に対処は?
モーラステープの夏の湿布かぶれ(光線過敏症)は有名ですが、フルルビプロフェン、フェルビナク、インドメタシン、ケトプロフェンを含む湿布や塗り薬も、湿布かぶれを起こすことがあります。

まとめ

  1. 最近では、ホクナリンテープは気管支喘息ではなく、風邪・気管支炎の咳止めに使われるケースが多い
  2. ホクナリンテープは気管支を拡張して、咳を鎮める効果がある。通称咳止めシール
  3. ホクナリンテープは年齢で使うサイズが違う(切るという奥の手も)
  4. ホクナリンテープは有効成分ツロブテロールをテープからゆっくりと皮膚に放出するため、貼ってもすぐに効かない
  5. ホクナリンテープは24時間おきに、貼る場所をずらして新旧貼りかえる
  6. ホクナリンテープの効果は胸、背中、腕のどこの場所に貼っても同じ
  7. ホクナリンテープの主な副作用は、シールかぶれ、心臓のドキドキ感、手の震え
  8. ホクナリンテープの使用はドーピング違反
東京オリンピックまでに確認したいアンチドーピングと薬の基礎知識
2020年の東京オリンピックに向けて、多くの選手が日々の練習に励んでいます。うっかりドーピングにひっかからないためにも、アンチ・ドーピングの正しい知識が必要です。