母乳育児(授乳)のメリットはダイエットだけじゃない!トラブルにも注意

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赤ちゃんとの信頼関係を築く、一番最適な方法は授乳することです。

そして、母乳育児は赤ちゃんへの一番最初の最高のプレゼントです。もちろん、お母さんにとっても、ダイエット効果などのメリットがあります。

しかし、母乳育児には、ひとつひとつ乗り越えなければならない授乳トラブルや、授乳を中止しなくてはならないことも起こります。

母乳育児のメリットから見ていきましょう。

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母乳育児のメリット(赤ちゃん)

メリット1:免疫効果

母乳には、免疫グロブリンA・ラクトフェリン・リゾチーム(細菌を抑える物質)が多く、特に初乳は免疫グロブリンAを多く含んでいます。免疫物質を、授乳することで赤ちゃんに譲ることができることがメリットです。

さらに、母乳で育った赤ちゃんは、ワクチンで免疫を獲得する能力が高いことがわかってきています。

免疫グロブリンAとは
IgA(アイジーエイ)と表記され、細菌・ウイルス・アレルギーの原因となる物質の侵入を防ぐ、5種ある免疫グロブリンのひとつ。
グロブリンを応用した医薬品としては、細菌やウイルス等の感染症を予防や治療する免疫グロブリン製剤がある

初乳とは
出産後から1週間程度に出る、乳腺から分泌される黄色い乳のこと。
初乳は成分を変化させながら母乳になる。色も黄色から徐々に乳色になっていく

ラクトフェリンとは
牛乳・チーズ等の乳製品に含まれるタンパク質のひとつで、鉄吸収促進作用、ビフィズス菌増殖作用、免疫調整作用、抗菌・抗ウイルス作用等が確認されている。サプリとして販売もされている

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メリット2:完全栄養効果

人工乳(以下、ミルク)は母乳の成分に近づけるため、さまざまな研究が積み重ねられています。しかし、まだ母乳には及びません。

また、最初の間は、母乳以外に何の食事も必要としません。経済的にやさしいメリットもあります。

メリット3:発達促進効果

母乳自体に発達促進効果があると考えられています。母乳だけで育てられた赤ちゃんは、認知機能が高いという研究結果も出ています。

限度もありますが、母乳育児期間が長いほどよいと言われています。

母乳育児のメリット(母)

メリット4:ダイエット効果

母乳育児は、ダイエットにも効果があり、お母さんに優しくメリットがあります。

妊娠中の体重増加は、妊娠高血圧の原因になるため、体重は厳しくチェックされますが、出産後もなかなか元の体重には戻らないものです。

妊娠中に蓄積した脂肪は、母乳の乳脂肪分として利用できます。授乳することで栄養となり、お母さんの脂肪も減りダイエットできるわけです。

母乳とは、なかなかうまいことできたもので、お母さんと赤ちゃんにダブルメリットがあります。

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メリット5:産後うつ予防効果

悩む女性

出産後は変化に対応することで気持ちがいっぱいです。

赤ちゃんの世話をさせられている。世話のために、まわりからの接触が遮断されている。と思うようになることがあります。

それがひどくなると「産後うつ」へと発展する可能性があります。

授乳することで、オキシトシンというホルモンが分泌が促進されます。オキシトシンは、別名で「愛情ホルモン」や「恋愛ホルモン」とも言われており、精神安定作用があります。

オキシトシンが産後うつを予防し、赤ちゃんが大好きになれると考えられています。

メリット6:子宮回復効果

オキシトシンには、子宮を収縮する作用もあります。授乳することで、オキシトシンが分泌され、お母さんの子宮収縮が進み、回復に向かいます。

授乳トラブル(赤ちゃん)

何らかのトラブルで母乳育児ができなるなることがあります。

そのとき起こる、赤ちゃん側の授乳トラブルは、哺乳瓶でうまく飲めないことです。このトラブルは、乳首と哺乳瓶では飲み方が異なるため起こります。

母乳は乳首を吸っただけでは出てきません。舌を乳首に巻きつけるようにして吸引することで乳が出てきます。

お母さんは毎日赤ちゃんに乳首を吸われているため、このことを知っている方も多いですが、お父さんは、ほとんどこのことを知りません。ウソだと思ったら、手をきれいに洗ってから指を赤ちゃんに吸わせてみてください。すごい吸引力がわかると思います(あまりやると怒られます)。

哺乳瓶は、赤ちゃんが舌を哺乳瓶の先に巻きつけることができません。哺乳瓶は単純に吸うだけで、ミルクがでますが、このことを赤ちゃんは知りません。

哺乳瓶でミルクを飲むとゲップをしますが、母乳ではほとんどゲップをしないのも、飲み方が異なり、胃への空気の入り方が違うからです。

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お母さんの授乳トラブルで多いのは、乳腺炎です。

乳腺炎は、赤ちゃんとの授乳間隔が安定していなかったり、急に授乳を中止することで、乳腺にに母乳がつまることが原因で起こります。

自覚症状は、乳房がはって固くなり発熱感を感じます。発熱感が進行すると、しこりがひどくなり、全身の発熱も起こるようになります。

(妻曰く)痛みと発熱感が強烈らしいです。

痛み自体は解熱鎮痛剤の服用で治まりますが、トラブルの原因を取り除くためには、つまった乳を体外に出さないといけません。赤ちゃんに吸ってもらうにも痛く、乳腺炎になっている母乳はおいしくないようで、赤ちゃんがすすんで飲んでくれません。

そのため、トラブルを解決するためには、自ら搾乳(さくにゅう:これが痛いらしい)したり、助産師に乳房マッサージで母乳を出してもらう必要があります。

漢方の「葛根湯」が乳腺炎の初期症状に有効です。

母乳育児と治療薬のトラブル

こんなにいいことばかりの母乳育児ですが、治療に使われる薬が原因で、母乳育児をあきらめた。あきらめさせられた。というお母さんが見られます。

日本の唯一法的根拠があると言われている添付文書の妊婦、産婦、授乳婦等への投与の項目には

  • 「授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
  • 授乳中の婦人には,投与を避けることが望ましい。やむを得ず投与する場合は,授乳を避けさせること。[ヒト母乳中への移行が報告されている。]

などと記載されている場合が非常に多く、医師に「授乳中だから薬は出せない」と言われることがあります。

妊婦・授乳婦項目の添付文書記載例:アレグラ

添付文書の妊婦・授乳項目

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あきらめられた母乳育児

授乳中のお母さんが、医療の専門家の医師に対して「授乳を続けたい」と言うことは勇気のいることかもしれません。

母乳育児には、赤ちゃんにもお母さんにもメリットがあり、簡単にあきらめるにはもったないと思います。

授乳と薬の3つのあるある
  1. 授乳を続けられる薬であるが、それを知らないために、お母さん自身が母乳育児を中止する
  2. 授乳と薬についての知識が不十分な(添付文書しか読まない)医療従事者が「授乳中は薬を飲んではいけない」と母乳育児を中止させる
  3. 授乳を続けたいので、薬の影響を心配して薬を飲まずに、つらい症状を我慢している

赤ちゃんにとって、母乳を吸うことは栄養としてだけではなく、気持ちを落ち着けるための行為でもあります。

母乳育児が出来る期間は限られています。その限られた期間は、赤ちゃんにとっても、お母さんにとっても、最初で最後のかけがいのない時間です。

赤ちゃんが豊かに育ってくれるように、授乳と薬のトラブルについて考えてみましょう。

授乳中に飲める薬・避ける薬(風邪、花粉症、インフルエンザ、喘息、うつ)
授乳中に使える薬は多くあります。母乳育児はメリットもたくさんありますので、安心して授乳が続けられるように病気別にまとめます。

まとめ

  1. 母乳育児をしたいと思っているお母さんは多いが、授乳トラブルなどが原因で、仕方なくミルク育児をしていることもある
  2. ミルクに切り替え時、赤ちゃんがなかなかミルクをのんでくれないことがある
  3. 母乳育児は、赤ちゃん・お母さんにとって、最良の育児方法
  4. すべての医療従事者が、母乳育児のメリットと、授乳と薬について理解しているわけではない
  5. 母乳育児のメリット
    赤ちゃん:免疫獲得・完全栄養・発達促進
    母:ダイエット・うつ予防・子宮回復
  6. 授乳トラブル
    赤ちゃん:哺乳瓶が使いにくい
    母:乳腺炎
  7. 医療従事者は、母乳育児を続けていという気持ちを理解しなくてはならない