レビー小体型認知症の症状(幻視、パーキンソン病、失神等)と原因

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認知症のタイプは何種類かありますが、主なものは以下の3種類です。

  1. アルツハイマー型認知症
  2. 血管性認知症
  3. レビー小体型認知症

一般的に語られる認知症とは、アルツハイマー型認知症のことを指し、すべての認知症の半分を占めるといわれています。

しかし、レビー小体型認知症も全体の15%~20%くらい占めることがわかってきました。

レビー小体型認知症は、1976年に日本人によって発見され、まだわからないこともたくさんあります。

レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症と比較しながら、わかっている範囲で解説します。

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レビー小体型認知症の原因

レビー小体型認知症は、脳の「大脳皮質」と呼ばれるところに「レビー小体」というタンパク質のかたまりが沈着することが原因で発症します。

レビー小体は加齢で出てくると考えられていますが、まだはっきりとは分かっていません。

レビー小体が出てくると、大脳皮質の「側頭葉」と「後頭葉」と呼ばれる場所が小さくなります。また、神経の働きを促す物質(神経伝達物質)の濃度も低くなります。

  アルツハイマー型 レビー小体型
認知症の原因 アミロイドβの増殖 レビー小体の沈着

レビー小体型認知症の症状

アルツハイマー型認知症の原因と特徴的な症状(暴力・物盗られ妄想)
すべての認知症の半分がアルツハイマー型認知症と言われています。記憶力の低下から始まり、中核症状が原因で、行動・心理症状を引き起こすことがあります。行動・心理症状こそが、家族と介護者を悩ます原因です。

レビー小体型認知症の症状は、アルツハイマー型認知症の中核症状(記憶力の低下、見当識の低下、判断力の低下など)と同じような症状がでます。

しかし、レビー小体型認知症の場合、これらの症状は初期には目立たないことが多いようです。

レビー小体型認知症の中核的症状

アリセプト(ドネペジル)がレビー小体型認知症の中核的症状の進行を抑える唯一保険適応のある認知症薬です。

アリセプト(ドネペジル)、レミニール、イクセロンパッチ、リバスタッチの効果、用法、副作用の違い
どの脳内のアセチルコリンの濃度を増やして、認知症の進行を抑制する薬です。効果は同等と言われていますが、保険の適応・付加作用・用法・用量・ジェネリック医薬品の有無に違いがあります。

レビー小体型認知症の中核的症状のリスト

レビー小体型認知症の中核的症状1
認知機能の症状の変動

レビー小体型認知症の認知機能の変動

レビー小体型認知症は、時間帯や日によって、認知機能の低下症状が出ているときと出ていないときがあります。

そのため、家族が異変に気付き、物忘れ外来などの診察を受けても、そのときは認知機能の低下症状がなく、しっかりとしているときがあります。

レビー小体型認知症は、判断に困る病気でもあります。

認知症は何科なの?精神科?高齢化率と増える物忘れ外来
脳神経外科(物忘れ外来)、神経内科(認知症外来)、精神科(物忘れ外来)。さまざまな表記がありますが、どのように違うのでしょうか。認知症を取り巻く環境変化の話から、科の特徴まで解説します。

通常、アルツハイマー型認知症はゆっくり認知機能が悪化していきますが、
レビー小体型認知症は、症状の昇降を繰り返しながら、少しずつ悪化していくのが特徴です。

レビー小体型認知症の中核的症状2
幻覚(主に幻視)症状

大脳皮質の後頭葉は、目からの情報を処理しているところですので、そこが小さくなると幻視の症状がでます。

幻視とは、幻覚の一種で、いわゆる幻を見ることです。

  • 「孫が裸で走り回っている」止めないと?
  • 「白い服をきた少女が、こっちを見ている」誰?

レビー小体型認知症の幻覚は、かなりリアルな3D映像のようで、レビー小体型認知症の方の家族や介護者を驚かせる要因のひとつです。

アルツハイマー型認知症では、「物盗られ妄想」の原因は、記憶力の低下であることが多いです。

一方、レビー小体型認知症の物盗られ妄想は、比較的少ないと考えられていますが、幻覚(幻視)が原因で起こることが多いです。

レビー小体型認知症の中核的症状3
パーキンソン病のような症状

レビー小体が関係する他の病気に、「パーキンソン病」があります。

大脳皮質と脳幹

ウィキペディアより元画像引用

レビー小体型認知症の原因は、レビー小体が大脳皮質に広く沈着することでしたね。
レビー小体が脳幹に沈着すると、パーキンソン病を発病します。

パーキンソン病とレビー小体型認知症の関連性は強いのです。

そのため、レビー小体型認知症であっても、パーキンソン病の症状が強く出ていて、認知機能が保たれているときは、パーキンソン病だと疑われることがあります。

認知機能の低下がみられるようになり、ようやくレビー小体型認知症と診断されることも少なくないそうです。

パーキンソン病の主な症状
  1. 手足のふるえ(安静時振戦)
  2. 動きが鈍くなる(無動・寡動
  3. 筋肉が固ったように動かしにくい(筋固縮)
  4. バランスが取りにくい(姿勢反射障害)

パーキンソン病をイメージすると、全体的に動きが遅く、表情の変化が少なく、やや手が震えている感じです。

パーキンソン病の症状でバランス感覚が悪くなると、転倒して骨折することが多いので注意が必要です。

レビー小体型認知症の場合、パーキンソン病の症状と認知機能の低下が進むと、車椅子生活から寝たきりとなることが多いです。

アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の初期症状と中核的症状の比較

これってアルツハイマー型認知症の初期症状?物忘れチェック8項目
アルツハイマー型認知症は、「物忘れ」という形で現れ、治療を開始しない限り症状の進行を抑えることはできません。また、いつ発症したのか?どこからが病気なのか?判断しにくい病気です。

アルツハイマー型
認知症
レビー小体型
認知症
初期の症状 物忘れ 幻覚(幻視)
中核的な症状 記憶力の低下 認知機能症状の変動
判断力の低下 幻覚(幻視)
見当識の低下 パーキンソン病のような症状

レビー小体型認知症のその他の症状

うつ症状

うつ症状は、アルツハイマー型や脳血管性認知症などでも見られますが、レビー小体型の認知症の方が多いといわれています。

  • いつも来る孫が来ても楽しそうにしない
  • 眠れない

このような症状が出ているときは、レビー小体型認知症のうつ症状なのかもしれません。

自律神経失調症(起立性低血圧・失神・尿失禁)

レビー小体型認知症では、自律神経失調症も起こりやすいです。

自律神経失調症は、自律神経のバランスが取れなくなる病気です。

自律神経とは、交感神経と副交感神経のことです。
交感神経は日中の活動時が優位で、心臓・消化器などの臓器の運動を活発にさせます。副交感神経はその逆で、臓器の運動を抑えます。

レビー小体型認知症で、自律神経のバランスが崩れると、高血圧・起立性低血圧・頻脈・動悸・失神・尿失禁・頻尿・多汗・便秘等、さまざまな形で症状が出てきます。

低血圧はふらっとして転倒することがあるため注意が必要です。

レビー小体型認知症の低血圧を起こしやすいタイミング
  • 立ち上がり時(起立性低血圧)
  • 起床時
  • 食後
  • 風呂上がり時
  • 排便時

レム睡眠行動障害(睡眠中の大きな寝言や異常行動)

レビー小体型認知症では、レム睡眠行動障害も起こしやすいといわれています。

睡眠中に夢をみて、無意識のうちに寝言を言ったり、体が動いたりすることは「寝ぼけている」と一般的に解釈されています。

しかし、レム睡眠行動障害の場合は、寝ぼけの頻度や度合いが強いです。

  • 睡眠中に大きな声で、夢のストーリーを語りだす(寝言)
  • 睡眠中に手足を振ったり、突然起き上がって何かをしようとする(異常行動)

睡眠中は、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(浅い眠り~深い眠り)が交互に起こっていることは、よく知られていますね。

レム睡眠中に、夢をみることが多いと考えられています。夢の内容等で体が過度に反応して動かないように、レム睡眠中は筋肉が緩いんでいます。

しかし、レビー小体型認知症のレム睡眠行動障害の場合は、筋肉の緊張がほぐれず、夢の内容等に体が反応してしまいます。そのため、睡眠中の大きな寝言や異常行動が出現すると考えられています。

まとめ

  1. 認知症全体のアルツハイマー型認知症の割合は、50%程度。レビー小体型認知症は15%~20%程度
  2. レビー小体型認知症は、脳の大脳皮質に「レビー小体」が沈着することが原因だと考えられている
  3. アルツハイマー型認知症はゆっくり認知機能が悪化するが、レビー小体型認知症は症状の昇降を繰り返しながら悪化する
  4. レビー小体型認知症の主な症状は、幻覚(幻視)、パーキンソン病のような症状、うつ症状、自律神経失調症、レム睡眠行動異常