「変動金利と固定金利どちらが得か」に決着!住宅ローンの返済額を計算して比較

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  • 安定を選ぶならば固定金利、リスクがとれるならば変動金利を選びましょう。
  • 金利上昇時は固定金利を選び、金利下降時は変動金利を選びましょう。

など言われることもありますが、全くナンセンスです。

住宅ローンの固定金利と変動金利の選択の本質は、金利変動のリスクを誰が取るのかということです。

  • 固定金利は、銀行が金利変動リスクを取ります。
  • 変動金利は債務者(私たち)です。

変動と固定の両方の金利は、かなり低い水準にあり、いつか、いつかと上昇のタイミングをうかがっている状態です。(と言いつつも、下がり続けていますが…)

金利の上昇を考慮して、変動金利と固定金利の住宅ローンの返済額を計算して比較します。
そして、「変動金利と固定金利どちらが得か」に決着をつけたいと思います。

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「低金利では固定金利を選択する」は本当か?

一般的に固定金利とはフラット35のことを指します。融資率9割超え、融資期間35年で、固定金利は1.7%程度です。(投稿当時)

フラット35のメリット・デメリット フラット35がおすすめの人とは
団信の加入が任意であるフラット35は、健康上の理由で住宅ローンを借りることができなかった方にもチャンスがあります。フラット35と銀行の住宅ローンとの手数料、保証料と金利決定の違い。

変動金利の場合は、最優遇金利が0.775%というのが一般的です。(投稿当時)

2016年4月現在
変動金利の最優遇金利:0.625%
フラット35の最低金利
   :1.63%(90%超融資)
   :1.19%(90%以内融資)

金利を1%上乗せされるだけで、35年の安心を得られるのであれば、フラット35の固定金利を選択したほうが得のような気がします。

私もそう思っていました。

住宅ローン比較「変動金利と固定金利どちらが得か」に決着を付けるため、2種類の変動と固定の返済額を計算して比較してみました。

  1. 金利上昇を考慮した「変動金利」
  2. 固定金利「フラット35」

住宅ローン第3の選択

住宅ローンのミックスプラン(固定金利&変動金利)は損だからやめよう
ミックスプランとは、固定金利と変動金利をミックスした住宅ローンのことです。説明を受けると合理的な住宅ローンに見えますが、心理的には損をする後味の悪いプランです。

住宅ローンの限度額

変動金利から固定金利に借り換えは不要!住宅ローンの金利決定の仕組みをプライムレートで解説
「変動金利でも、金利が上がってきたら固定金利に借り換えられるから大丈夫です」本当でしょうか?では、いつ、どのタイミングで、借り換えたらいいのでしょうか?

2種類の変動と固定の返済額を計算して比較する前に、住宅ローンがどれくらい借りられるのか(限度額)を確認してみましょう。

住宅ローンシミュレーションの罠

銀行や不動産会社の住宅ローンシミュレーションは、変動金利の最優遇金利(出稿当時0.775%)で計算されているものが多いです。

それには理由があります。

住宅ローンの負担が少ないことを示して、購入者の背中を押すためです。

この数字を鵜呑みにして住宅ローンを組んではいけません。

変動金利で住宅ローンを借りる場合でも、固定金利で借りたものとして再計算します。その固定金利の月々のローン返済額で組めるだけの住宅ローンを組みます。

変動金利と固定金利の金利差は、先の教育費と金利上昇のリスクに備えます。

住宅ローンと教育費で失敗する高所得者 返済困難になる典型例
居住費と教育費は、重なる期間が長いです。そのときに、生活費・住宅ローン・教育費のコントロールを失うと、最悪の場合家を失います。優雅に見える高所得者。しかし中を覗いてみると炎上寸前かもしれません。

変動金利の住宅ローンの限度額1
年収負担率で考える

年収負担率と年収倍率についての説明

住宅ローンの借入可能額は年収で決まる!返済負担率と年収倍率とは
住宅ローンの審査において、年収は非常に重要です。借入可能額は、返済負担率と年収倍率を用いることが多いですが、2016年この2つのバランスが崩れてきているようです。

年収によっても返済負担率は変わってきますが、35%が上限であることが多いです。

年収が500万円、返済負担率35%、の条件で月々の住宅ローンの限度額を計算します。

年収負担率35%の毎月の住宅ローン支払い額の計算式

月々の住宅ローンの返済額が145,000円、住宅ローンの期間を35年間、元利均等返済の条件で、変動と固定の住宅ローンの限度額を計算すると

  • 変動金利(0.775%)=5332万円
  • 固定金利(1.7%)  =4587万円

この2つを比較するわけですが、安全性を求めるならば、固定金利の(1.7%)を選択すべきでしたね。

年収負担率で考える、住宅ローンを組める限度額は、4500万円です。

元利均等返済と元金均等返済のメリットデメリット【住宅ローン返済と教育費】
住宅ローンの総返済額は、元金均等返済の方が少なくすみますので、元金均等返済を選びたいところです。しかし、安全面では元金均等返済の方が有利です。どちらを選びますか?

変動金利の住宅ローンの限度額2
年収倍率で考える

東京カンテイ「都道府県別 新築・中古マンションの年収倍率2014」によると、
全国平均新築マンションは、6.59倍。全国平均築10年の中古マンションは、4.58倍です。

年収倍率6.59倍で、住宅ローン限度額を計算してみます。

500万円×6.59=3300万円

年収倍率で考える、住宅ローンの限度額は3300万円です。

年収負担率と年収倍率の限度額を比較して、より少ない方を採用します。

4500万円>3300万円

さらに安全を取って、3000万円の住宅ローンを組んでみます。

金利上昇時の固定金利と変動金利の住宅ローン返済額

【スタート時】
固定金利と変動金利の住宅ローンの返済額を計算して比較

3,000万円を1.7%の固定金利(元利金等返済)と、0.775%の変動金利(元利金等返済)を35年払いで組んだ場合、毎月の住宅ローンの返済額を計算して比較すると、次のようになります。

  固定金利 変動金利
 金利 1.70% 0.775% 0.925%
住宅ローン返済額 ¥97,822 ¥81,576 ¥16,246

変動金利と固定金利の金利差で得られた16,246円は貯蓄します。
使ってはいけません。

【金利上昇時】
固定金利と変動金利の住宅ローンの返済額を計算して比較

【金利上昇時】
固定金利の住宅ローンの返済額を計算

金利が上昇しても、固定金利の場合は、住宅ローンの総返済額は影響を受けません。

固定金利住宅ローンの
   総返済額 = 39,827,497円
   金利負担 =   9,827,497円

【金利上昇時】
変動金利の住宅ローンの返済額を計算

0.775%変動金利住宅ローンの総返済額はいくらになるのでしょうか?

将来の金利がわからないため、今はわかりません。

もし、金利が下がったのであればラッキーです。どんどん返済が楽になります。

都合悪く、金利上昇があった場合はどうなるでしょうか?それを計算するんでしたね。

5年ごとに0.5%ずつ金利が上昇したと仮定して、変動金利の毎月の住宅ローンの返済額を計算した結果が次の表です。

変動金利 住宅ローン
返済額
住宅ローン
返済額の上昇額
0年後 0.775% ¥81,576
5年後 1.275% ¥87,589 ¥6,013
10年後 1.775% ¥92,866 ¥5,277
15年後 2.275% ¥97,294 ¥4,428
20年後 2.775% ¥100,769 ¥3,475
25年後 3.275% ¥103,186 ¥2,417
30年後 3.775% ¥104,444 ¥1,258

毎月の変動金利の住宅ローン返済額をグラフ化して固定金利と比較すると、次のようなイメージです

金利上昇時の変動金利と固定金利の毎月の住宅ローンの支払い額(グラフ))

1.7%固定金利の月々の返済額を超えるのは20年後です。

返済が進むごとに住宅ローンの返済額の上昇率は下がります。

変動金利住宅ローンの
   総支払額 = ¥40,041,551
   金利負担 = ¥10,041,551

固定金利との金利負担(9,827,497円)と比較すると、金利負担差は+214,054円です。

20年分の、固定金利と変動金利の金利差で生まれた差額を計算すると1,358,338円になります。

20年分の余剰金を考慮すれば、変動金利の方がお得です。

固定金利と変動金利の金利差額を、金利上昇時に繰り上げ返済したときの住宅ローン返済額を比較

住宅ローンの繰り上げ返済のメリットとコツ 効果も計算してみよう
返す資金があるならば、より効率のいい投資先に回す。将来の教育増に備える。というのが私の持論です。それでも繰り上げ返済をしたい方は、効果を計算してから実行にうつしましょう。

住宅ローンの繰り上げ返済は反対派の私ですが、

金利が上がる5年ごとに金利差で生まれた差額を繰り上げ返済し、金利の上昇に備えた場合はどうなるでしょうか。

変動金利の住宅ローンの、毎月の返済額を計算した結果が次の表です。

変動金利 住宅ローンの
返済額
住宅ローンの
返済額上昇額
0年後 0.775% ¥81,576
5年後 1.275% ¥84,948 ¥3,372
10年後 1.775% ¥87,635 ¥2,687
15年後 2.275% ¥89,592 ¥1,957
20年後 2.775% ¥90,676 ¥1,084
25年後 3.275% ¥90,434 ¥-242
30年後 3.775% ¥86,731 ¥-3,703

毎月のローン返済額をグラフ化して、固定金利と比較します。

5年毎に0.5%金利上昇する0.775%変動金利(金利差は繰り上げ返済に使用)と1.7%固定金利の毎月の支払額を示した線グラフ

変動金利の毎月の返済額は、固定金利の毎月の返済額を超えることなく、住宅ローンの返済が終えました。
しかも25年後からは返済額が減少しています。

支払合計 = ¥36,404,977
金利負担 =   ¥6,404,977

変動金利の金利負担は、固定金利(9,827,497円)以下になり、さらにお得感が増えました。

固定金利と変動金利の比較のまとめ

固定金利、変動金利のどちらも、金利負担は最初の10年くらいが最も多いです。

10年の間に金利の上昇が緩やかで、金利差を貯蓄できていたならば、変動と固定の勝負はそのときほぼ決まりです。

変動金利を選択しても、金利差分さえプールしておけば、金利の上昇にも耐えることができます。教育資金の上昇にも、ある程度は耐えることができるでしょう。

ただし、5年ごとに1%上昇して、30年後に6.775%となっていたならば、固定金利がお得なのかもしれません。

過去35年間の都市銀行の住宅ローンの基準金利の推移(参考)

都市銀行の住宅ローン金利を示した線グラフ

統計局データから作成

日本の都市銀行の住宅ローンの基準金利(優遇前の金利)の歴史をみてみると、バブルのときに基準金利が8.5%まで上昇しましたが、バブル崩壊以後は5%を超えることはありませんでした。

  1. 変動金利を選んだほうが、最終的にはリスクをコントロールしながら超低金利の恩恵を受けられお得
  2. 住宅ローンの最初の10年間の金利が、総返済額に最も影響を与える