医療費控除還付金の計算は簡単!所得税住民税はいくら戻る?

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医療費控除還付金のシステムを簡単に説明すると、年間で支払った医療費が10万円を超えた分の15%~55%がキャッシュバックされます。

病院クリニック等の領収書は、割引クーポンと思って年末まで保管しておいてください。

さらに、医療費控除は控除を受ける人によってキャッシュバック(還付金)が倍以上変わってくる場合もあります。
戦略的な確定申告が必要です。

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医療費控除の医療費は合算できる

本人分の医療費の他にも、生計を一にする(せいけいをいつにする)妻や親族のために支払った医療費も医療費控除の対象です。

つまり、医療費はひとりにまとめて医療費控除を受けた方が、還付金が多くなります。

税や社会保険でよく使用される「生計を一にする」という言葉の解釈が厄介で、ひとつのキーワードです。

税金関係の親族の範囲は、配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族です。

血族(けつぞく)とは
血がつながっている人のことで、父、母、祖父、祖母、兄弟、子、孫などが該当します
姻族(いんぞく)とは
配偶者の血族のことで、配偶者の父母、配偶者の兄弟などが該当します
親等(しんとう)とは
自分からみて、親族関係の深さ(近さ)を示す等級です
1親等:父母、子供など
2親等:祖父母、孫、兄弟など
3親等:曾祖父母、ひ孫、伯父叔母、甥姪など

親族、姻族、血族の関係図

赤色:血族 青色:姻族 数字:親等

生計を一にするとは

国税庁のホームページ(HP)では「生計を一にする」は次の様に説明されています。

必ずしも同居を要件とするものではありません。
例えば、勤務、修学、療養費等の都合上別居している場合であっても、余暇には起居を共にすることを常例としている場合や、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。
 なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

配偶者、親族の所得金額の上限はありません。

そのため、家計の会計がひとつとして扱われているならば「生計は一である」と考えられ、医療費控除の対象です。

「生計を一にする」は、具体的には次のような親族があてはまります。

  • 夫の給与等で生活している妻
  • 共働きの妻
  • 親の給与等で養われている子供(社会人になっていない子供)
  • 同居の社会人になっている子供
  • 同居している親、兄弟
  • 別居している親、兄弟であっても、仕送りなどがある場合
【確定申告初めて】医療費控除の明細書の書き方 交通費も対象!
医療費控除は確定申告をしなくては受けられません。医療費明細書もエクセルでパパっと作成してしまいましょう。初心者でも国税庁のHPとエクセルを使えば、明細書作成から確定申告まで簡単です。

医療費控除
所得税還付金の簡易計算式

まず、所得税の還付金からみていきましょう。
所得税がいくら戻るかは、次の簡易計算式で計算できます。

所得税還付金の簡易計算式
計算式A
【医療費 -10万円】×所得税率
計算式B
【医療費-(合計所得金額の5%)】
           
× 所得税率
  1. 総所得金額等200万円を超えるときは計算式A
    超えないときは計算式Bを使用する
  2. 【 】で計算された値を、医療費控除といいます
  3. 医療費控除の上限額は200万円です
  4. 医療保険などで補てんされた金額は、医療費から差し引きます

総所得金額等
収入が給与のみの場合は、収入から給与所得控除を引いた額
(源泉徴収票①)

源泉徴収票「給与所得控除後の金額」

医療費控除
所得税還付金の計算実例
(いくら戻る?)

源泉徴収票

「平成26年に50万円の医療費を自己負担した」とき、所得税還付金がいくらなのかを計算をしてみましょう。

合計所得は
単純に①-②=1,690,380円です

平成27年度以降の所得税速算表

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超え 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超
(平成27年度新設)
45% 4,796,000円

「平成27年度以降所得税速算表」から課税対象金額約169万円の所得税率は5%だとわかります。

総所得金額等 > 200万円 ですので、計算式Aを使います。

所得税還付金
 =【医療費-10万円】×所得税率
 =【50万円-10万円】×5%
 = 20,000円※1

※1 所得税を計算するときは、千円以下を切り捨てるため、還付金は少々の誤差が生じます
※1 所得税率が医療費控除により変わるときは、還付金に誤差が生じます

医療費控除
住民税還付金の簡易計算式

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治療を目的とする医療費は、医療費控除の対象です。しかし、治療を目的としない医療費の中にも、医療費控除の対象となるケースもあります。

医療費控除は住民税にも適応されます。

計算式C
【医療費-10万円】×10%(住民税率)
計算式D
【医療費-(合計所得金額の5%)】
          ×10%(住民税率)

総所得金額等が200万円を超えるときは計算式C、超えないときは計算式Dを使用します。

医療費控除
住民税還付金の計算実例
(いくら戻る?)

住民税還付金がいくらなのかを計算をしてみましょう。

総所得金額等 > 200万円 ですので、計算式Cを使います。

住民税分の還付金額
 =【医療費-10万円】×10%
 =【50万円-10万円】×10%
 =40,000※2

※2 所得税と住民税では控除額が異なるため、還付金は少々誤差が生じます

サラリーマンの場合、住民税は給与から特別徴収(給与天引き)されています。
6月分の給与から、約3,300円が減額されます。
(40,000円/12カ月 ≒3,300円※2)

(所得税分)+(住民税分)
=20,000円+40,000円
=60,000円 

約6万円が、医療費控除の還付金で、確定申告により節税できる金額です。

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医療費控除の節税戦略

所得税速算表からわかるように、支払った医療費が同じ場合でも、課税される所得金額によって、医療費控除で還付される所得税が異なります。

つまり、だれが医療控除を行うかで、所得税がいくら戻るかが異なります。

今回のケースで50万円の医療費を自己負担した場合

課税される所得金額 税率 所得税還付金
195万円以下 5% ¥20,000
195万円を超え 330万円以下 10% ¥40,000
330万円を超え 695万円以下 20% ¥80,000
695万円を超え 900万円以下 23% ¥92,000
900万円を超え 1,800万円以下 33% ¥132,000
1,800万円超え 4,000万円以下 40% ¥160,000
4,000万円超
(平成27年度新設)
45% ¥180,000

高所得者ほど所得税率は高くなります。

還付金を多くするためには、医療費は家族で一番所得がある人のところへまとめて、その名義で確定申告します。

住民税率は所得に関係なく一律10%ですので、だれが確定申告してもかわりません。

まとめ

  1. 医療費は親族で合算できる
  2. 合算の理解に必要なキーワードは「生計を一にする」
  3. 高所得者ほど所得税率は高いため、医療費は家族で一番所得がある人のところへまとめて申告するのが、最も節税効果が高い(還付金が多い)
  4. 住民税率は10%固定のため、所得の違いによる住民税の還付金割合の差はない