ネリプロクト軟膏/坐剤の痔改善効果と使い方(塗り方) 市販は?

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ネリプロクト軟膏(坐剤)は、1993年に発売されたいぼ痔(痔核:じかく)や切れ痔(裂肛:れっこう)に効果を発揮する塗り薬(坐薬)です。

痔の塗り薬は強力ポステリザン軟膏が有名ですが、

ネリプロクト軟膏(坐剤)は痔の痛みや炎症を抑える効果が強く、強力ポステリザン軟膏で取りきれない痛みと腫れに使ってみる価値があります。

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痔の種類

痔にもいろいろタイプがありますが、塗り薬で治療できる主な痔は2種類です。

  1. いぼ痔(痔核:じかく)
  2. 切れ痔(裂肛:れっこう)

痔は排便のたびに痛みや出血が起こり、トイレに行くのが嫌になってきます。

排便がなくなると便はさらに固くなり、肛門を傷つけ、さらに痔が悪化していきます。

いぼ痔(痔核)

いぼ痔は全体の約半数を占めます。

排便時に力強くがんばると、肛門部に負荷がかかります。

そのとき、肛門部の血液循環が悪くなり血液がたまり、いぼ状の腫れものができることがあります。それがいぼ痔です。

肛門の奥(歯状線より内側)にできたいぼ痔を、専門的には内痔核(ないじかく)といい、

肛門出口に近い側(歯状線より外側)にできたいぼ痔を、外痔核(がいじかく)といいます。

いぼ痔(痔核)と切れ痔(裂肛)の違い
出典:ボラギノール.com

内痔核ができる場所は神経が通っていないため痛みを感じませんが、血便が出たり排便後に出血したりして驚かされます。

一方、外痔核ができる場所は神経が通っているため、排便後のジリジリした痛みが苦しいです。

切れ痔(裂肛)

切れ痔は、肛門の出口付近の皮膚が切れた状態をいいます。

切れ痔は、便秘時の硬い便で肛門出口付近が切れて起こる場合が多いです。
(下痢便も続くと粘膜が弱り切れることがあります)

切れ痔の出血量は少なめですが、便が通過するたびに痛みを感じます。

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痔と便秘の関連性

便秘もいろいろなタイプがありますが、硬い大きな便が出る便秘は痔の大敵です。

硬い便は肛門を傷つけ、出血、痔の悪化の原因になるからです。

そのため、痔の治療には便秘薬や整腸剤を併用することが少なくありません。

整腸剤

  • ビオフェルミン
  • ラックビー
  • ミヤBM
  • ビオスリー
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便秘薬

  • 酸化マグネシウム(マグミット)
  • ラキソベロン
  • センノシド、プルゼニド
  • アローゼン
  • アミティーザ

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ネリプロクト軟膏と坐剤

ネリプロクトは、軟膏と坐剤の2種類です。

ネリプロクト軟膏には10g入りのチューブもありますが、使用されているほとんどが使い捨ての2gタイプ(下図の下)です。

ネリプロクト軟膏

ネリプロクト坐剤は痔に使うにはやや大きく、あまり好きにはなれません。

ネリプロクト坐剤

ただ、ネリプロクト軟膏と坐剤では、ネリプロクト坐剤の方が市場に出ているイメージがあります。

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ネリプロクト軟膏と坐剤の成分

ネリプロクトは2種類の成分からできています。

  ネリプロクト軟膏
(1g)
ネリプロクト坐剤
(1個)
ジフルコルトロン
(ステロイド)
0.1mg 0.2mg
リドカイン
(局所麻酔剤)
2mg 4mg

ネリプロクトを肛門内に入れる場合、理論上ネリプロクト軟膏2gとネリプロクト坐剤1個が同等の効果ですが、

実際の臨床効果(有効率)はネリプロクト坐剤がやや優れています。
(後述:ネリプロクトの効果)

ネリプロクトの2つの作用

ネリプロクトの2種の成分は、2つの作用(効果)を発揮します。

  1. 抗炎症作用(ジフルコルトロン)
  2. 鎮痛麻酔作用(リドカイン)

1.抗炎症作用

ジフルコルトロンはステロイド軟膏にも使われる成分(ステロイド)です。

ステロイドには腫れやかゆみ(アレルギー)を抑えたりする作用があります。

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ステロイド軟膏には、ストロンゲストからウィークまで5段階の強さがあります。

  1. ストロンゲスト
  2. ベリーストロング
  3. ストロング
  4. マイルド(ミディアム)
  5. ウィーク

ジフルコルトロンはベリーストロングステロイドで、肛門以外に塗る純粋なステロイド軟膏ではネリゾナ軟膏があります。

有名な強力ポステリザン軟膏はヒドロコルチゾン(ウィークステロイド)を含みます。

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2.鎮痛麻酔作用

ネリプロクトはステロイド以外にリドカインという成分も含みます。

リドカインは世界中で使用されている局所麻酔剤で、身近なところでは歯科の麻酔薬(歯科用キシロカイン)に使われています。

ネリプロクトのリドカインは麻酔作用により痔の痛みをブロックします。

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ネリプロクトの効果

ネリプロクトのいぼ痔(痔核)に対する効果(改善以上の有効率%)は次の通りです。

  内痔核 外痔核
ネリプロクト軟膏 66.6 86.7
ネリプロクト坐剤 72.5 100

ネリプロクト軟膏/坐剤の効果比較

理由はわかりませんが、実際の臨床効果(有効率)はネリプロクト坐剤がやや優れています。

ネリプロクトの副作用

ネリプロクトは塗り薬/坐剤ですので副作用発生頻度は低く、肛門の不快感くらいです。

副作用 ネリプロクト軟膏
(副作用頻度%)
ネリプロクト坐剤
(副作用頻度%)
かゆみ 0.11 0.23
出血 0.04
刺激感 0.09
全数 0.5% 0.82%

(ネリプロクトの再評価終了時)

ただし、ネリプロクトはステロイドを含んでいるため、長期使用でステロイド特有の副作用が起こることがあります。

  • 皮膚の希薄化
  • ステロイド緑内障(ほとんどない)
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本剤での治療は対症療法であるため、概ね1週間を目処として使用し、
その後の継続投与については、臨床効果及び副作用の程度を考慮しながら慎重に行う。

ネリプロクト軟膏/坐剤添付文書より

ネリプロクトの使い方

ネリプロクトは1日2回おしりに挿入・注入します。

ネリプロクト軟膏の使い方
(注入方法)

  1. ネリプロクト軟膏が硬い場合は、少し手や湯で温めます
  2. ネリプロクト軟膏のノズル部分(先端)にワセリンを塗る
    (ワセリンがなければネリプロクト軟膏を少し出して、ノズル部分に塗り広げる)
    そうすることで、肛門への刺激感がやわらぎます

  3. ネリプロクト軟膏のノズル部分だけを肛門に注入して半量~全量を使います
    (余っても次回に回さない)
    強力ポステリザン軟膏の痔への使い方
    出典:強力ポステリザン軟膏を使用される方へ
    (ネリプロクト・強力ポステリザンは、注入するときは同じ使い方)

トイレに行く前にネリプロクト軟膏を使うと、刺激感で便意(便をしたくなる感覚)が起きる場合があります。

ネリプロクト軟膏の注入のタイミングは、起床時(排便後)や就寝前がベストです。

もし、ネリプロクト軟膏を注入して、すぐに排便してしまったときはもう1本入れます。
(排便でネリプロクト軟膏も出る)

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ネリプロクト坐剤の使い方

  1. ネリプロクト坐剤の先端にワセリンを塗る
    (そうすることで、肛門への刺激感がやわらぎます)

  2. ネリプロクト坐剤を挿肛後、坐薬が出てこないのを確認して指を離す

ネリプロクト軟膏と同様に、トイレに行く前にネリプロクト坐剤を使うと、刺激感で便意(便をしたくなる感覚)が起きる場合があります。

ネリプロクト坐剤挿肛のタイミングも、起床時(排便後)や就寝前がベストです。

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ネリプロクト軟膏と坐剤の使い分け

ネリプロクト軟膏と坐剤は明確な使い分けはありません。効能も同じです。

痔核に伴う症状(出血,疼痛,腫脹)の緩解

ネリプロクト軟膏/坐剤添付文書より

効果はネリプロクト坐剤が優れていますが、挿肛でおしりが痛む場合はネリプロクト軟膏がおすすめです。

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ネリプロクト軟膏(坐剤)の市販

残念ながら、ネリプロクト軟膏(坐剤)に市販はありません。

薬局には強力ポステリザン軟膏やプロクトセディル軟膏(坐剤)もありますが、それらも市販はされていません。

痔の市販薬はボラギノールシリーズが有名です。

軟膏、注入軟膏、坐剤と3種類のタイプがあるため、症状によって使い分けができます。

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まとめ

  1. 排便時の強いがんばりなどが原因で、肛門部の血液循環が悪くなり、いぼ状の腫れものができることがある。それがいぼ痔
  2. 切れ痔は、便秘時の硬い便で肛門出口付近が切れて起こる場合が多い
  3. 便秘は痔の天敵であるため、痔の治療は便秘薬が併用されるケースも多い
  4. ネリプロクトは2つの成分(ジフルコルトロン、リドカイン)の配合剤
  5. ネリプロクトは軟膏と坐剤があるが、臨床効果はネリプロクト坐剤がやや優れている
  6. ネリプロクトのジフルコルトロンを痔に塗ると、痔の惚れを抑える効果が期待できる
  7. ネリプロクトのリドカインは麻酔作用で痔の痛みを緩和する
  8. ネリプロクトは副作用発生頻度は低いが、長期使用時はステロイド特有の副作用に注意
  9. ネリプロクトの挿入(挿肛)は、朝の起床時(排便後)と就寝前の2回使う