まるで内服薬!新薬ロコアテープはニュータイプの最強湿布か?

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2016年1月21日に、ニュータイプの湿布、ロコアテープが発売されました。

ロコアテープと他の湿布の大きく違うところは、
「ロコアテープは1日に貼ることができる湿布の枚数が2枚」という決まりがあり、内服薬との併用や副作用にも注意が必要なところです。

用法が1回1錠と決まっている内服薬を、勝手に1回2錠に増量できないのと同じように、ロコアテープもそれができません。厳格に1日2枚までです。

つまり、ロコアテープは今までの湿布と同じ感覚で、腰痛で1枚、膝も痛いから2枚…(肩こりで2枚)というような使い方ができません。

まるで内服薬のようです。

そして、ロコアテープは最強湿布かもしれません。

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ロコアテープのエスフルルビプロフェンとハッカ油

ロコアテープは、1枚(10cm×14cm)に2種類の有効成分を含むニュータイプの湿布です。

なぜ、ニュータイプの湿布なのかは、読み進めていく間に答えがみえてくると思います。

  1. エスフルルビプロフェン40mg
  2. ハッカ油36.2mg

湿布の膏体の説明図

出典:外用製剤協議会HP

ロコアテープにハッカ油が多量に含まれているのは、エスフルルビプロフェンを膏体(こうたい)中に高い濃度で均一に溶かし込み、皮膚の吸収をよくするためです

ロコアテープとフルルビプロフェン、エスフルルビプロフェンの関係

ロコアテープの有効成分であるエスフルルビプロフェンは、アドフィード、ゼポラス、ヤクバンなどに含まれる有効成分フルルビプロフェンから、さらに鎮痛効果に有効な成分を抽出したものです。

エスフルルビプロフェンが主成分であるロコアテープは、アドフィード、ゼポラス、ヤクバンより強力な鎮痛効果があり、フルルビプロフェン関係の湿布では、最強の鎮痛効果が期待できます。

内服薬では、有効成分からさらに有効な成分を抽出した薬はありましたが、湿布薬としては初の試みです。

有効成分から、さらに有効な成分を抽出した内服薬の例

  • (抗生物質)タリビッド
            →クラビット
  • (抗アレルギー薬)ジルテック
            →ザイザル
  • (睡眠薬)アモバン
            →ルネスタ

ロコアテープの用法用量制限と保険適応

ロコアテープは、用法用量と保険適応に制限があります。

ロコアテープは、保険の適応が「変形性関節症における鎮痛・消炎」のため、関節のみに使用できます。
単に腰や肩が痛いからロコアテープを使おう!というのは、保険適応上はNGです。

変形性関節症とは
関節軟骨がすり減ったりして、痛みや腫れが起こり、関節の変形を起こす病気のことです。
首、肩、肘などすべての関節で起こる可能性がありますが、特に体を支えている、膝、股、背骨、腰の部分に起こりやすいです。

ロコアテープの使い方と処方枚数制限

麻薬、向精神薬、新薬、湿布には処方日数(投与)制限がある 薬局規制事項
新薬・麻薬・向精神薬は、体調の変化に気付かず服用を続けた場合、病状を悪化させることがあります。14日・30日・90日の処方制限があります。

ロコアテープの袋と本体

ロコアテープは、1日1回、変形性関節症の痛いところに貼付します。

ただし、パッケージと湿布本体に大きく書かれている通り、同時に貼れる湿布の枚数は2枚までです。

2016年の診療報酬改定で、湿布は原則1回70枚までの処方になりましたが、
ロコアテープは新薬のため、2016年11月までは、1回28枚(2枚×14日分)までという処方枚数制限があります。

ロコアテープの市販薬はない

まだ、ゼポラス、アドフィード、ヤクバンの成分であるフルルビプロフェンの市販薬も発売されていませんので、ロコアテープの市販薬もありません。

ボルタレン(ジクロフェナク)、ロキソニン(ロキソプロフェン)、セルタッチ(フェルビナク)、イドメシン(インドメタシン)などの、市販薬はあります。

ロコアテープは記事内容をくつがえした

湿布貼りすぎ?ボルタレンテープ市販と病院用に1日枚数制限はあるか
湿布を肩、首、膝、肘、膝に貼っていますが、貼りすぎですか?湿布は何枚まで貼っていいですか?このような疑問にお答えします。

こちらの記事で、1日に貼れる湿布(ボルタレンテープ)の枚数を検討しましたが、例外の湿布がついに出てきました。

ロコアテープが、1日1回2枚までの理由は、
ロコアテープを1日2枚、7日間貼ったときの全身吸収量が、フルルビプロフェン内服薬40mgを1日3回、7日間飲んだ時の全身吸収量と同じくらいになるからです。

それを超えると、フルルビプロフェン内服薬を過量に服用時と同じ副作用が出る可能性があります。

まるで内服薬!(ロコアテープは併用、禁忌に注意)

何度も言いますが、ロコアテープは湿布です。

しかし、ロコアテープには内服薬のように併用できない禁忌薬が存在します。

ロコアテープの禁忌薬(併用不可)

禁忌薬 一般名
ロメバクト ロメフロキサシン
バレオン
バクシダール ノルフロキサシン
スオード プルリフロキサシン

ロコアテープを貼って、これらの禁忌薬を併用した場合や、禁忌薬を飲みながらロコアテープを貼った場合は、けいれんを起こす可能性があります。

他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用は、可能な限り避けることとし、やむを得ず併用する場合には、必要最小限の使用にとどめ、患者の状態に十分注意すること

ロコアテープ添付文書より

ロコアテープを貼るときは、ロキソニン、ボルタレン、セレコックスなどとの併用にも注意が必要です。

ロコアテープ、ロキソニン錠、他の湿布の禁忌項目の違い

アドフィードパップの禁忌項目

アドフィードパップの禁忌項目

ロキソニンテープの禁忌項目

ロキソニンテープの禁忌項目

通常の湿布の禁忌の項目は、そんなに多くはありません。

ロコアテープの禁忌項目

ロコアテープの禁忌項目

ロキソニン錠の禁忌項目

ロキソニンの禁忌項目

ロコアテープの禁忌は10項目もあり、内服薬であるロキソニン錠の8項目を超えています。禁忌に関してはロキソニン錠以上で、湿布の禁忌では最強レベルです。

なぜ、こんなに禁忌項目が多くなってしまったのでしょうか?

ロコアテープを1日2枚、7日間貼ったときの全身吸収量が、フルルビプロフェン内服薬40mgを1日3回、7日間飲んだ時の全身吸収量と同じくらいです。

そのため、消炎鎮痛剤の内服薬に匹敵する(ロキソニンと比べるとそれ以上)項目を設定したと考えられます。

ロコアテープが妊娠後期の女性も禁忌であるところも、内服薬と禁忌が似ています。

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ロコアテープは変形性関節症の最強の救世主になるか

変形性関節症による痛みや炎症を抑える薬は、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAID)と呼ばれる内服薬が中心でした。

しかし、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAID)などの内服薬は、長期服用すると、何らかの胃腸の副作用が現れます。そのまま服用を続けることが困難になってきます。

そのため、胃薬を併用して副作用に気をつけながら、継続服用するという方法が取られてきました。

内服薬に匹敵する効果のある湿布薬の登場が待ち望まれていました。

ロコアテープは、皮膚への吸収を良くし、より深い場所へ効く湿布薬として開発されたため、その待ち望まれていたポジションを獲得できるかもしれません。

ロコアテープの副作用

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次の2つの湿布と1つの飲み薬の副作用を比較しながら見ていきましょう。

  • ロコアテープ(エスフルルビプロフェン)
  • アドフィードパップ(フルルビプロフェン)
  • ロキソニン錠(ロキソプロフェン)

臨床試験の副作用情報上位(副作用頻度)

ロコアテープ アドフィードパップ ロキソニン錠
副作用1 皮膚炎
8.0%
そう痒
1.16%
消化器障害
5.12%
副作用2 紅斑
3.2%
発赤
1.12%
皮膚症状
1.18%
副作用3 胃腸障害
1.4%
発疹
0.54%

臨床試験の条件が異なるため、単純に副作用の頻度を比較できないのですが、
ロコアテープはロキソニン錠と比べて優位に胃腸への副作用が少ないことがわかります。

ただ、「湿布で胃腸の副作用が出る」ということが、ピンと来ないと思います。

湿布(ロコアテープ)で胃腸の副作用が出る理由

鎮痛剤(非ステロイド性消炎鎮痛薬)は、痛みが起こっている場所の、プラスタグランジンと呼ばれる物質の生成を抑えることで、痛みや炎症を抑えます。

しかし、プラスタグランジンは胃腸にも存在します。

このプロスタグランジンは胃の粘膜血流を良くしたり、傷ついた胃の粘膜を修復したりする働きがあります。そのため、プロスタグランジンの生成が抑えられると、胃酸などからの攻撃を受けやすくなり、副作用として症状が現れます。

プラスタグランジンが痛み部分と胃に与える影響

湿布は、貼った場所で主に効果を示します。もちろん、ロコアテープも貼った場所でも効果を示します。

ロコアテープは皮膚への吸収を良くし、より深い場所へ効く湿布薬として開発されたため、吸収力が他の湿布とは違うようです。

そのため、エスフルルビプロフェンが胃でも作用してしまい、プラスタグランジンの生成を抑え、副作用として表れるのです。

ロコアテープで胃腸の副作用が出てしまったときは、湿布をはがすことで、速やかな副作用の回復が期待できます。

ロコアテープの薬代(薬価)【2016年薬価改定対応】

1枚=10cm×14cmのサイズの湿布で、1日の薬代を比較してみました。

湿布名 薬価 1日貼付回数 1日薬代 旧薬価(参考)
ロコアテープ 44.8 1 ¥45 45.9
モーラステープL 40.1 1 ¥40 43.7
ロキソニンテープ100mg 37.9 1 ¥38 41.5
アドフィードパップ40mg 16.9 2 ¥34 18.3
ゼポラステープ40mg 15.9 2 ¥32 17.5
ボルタレンテープ30mg 26.9 1 ¥27 29.8

かなり微妙ですが、ロコアテープは薬代も最強のようです。

体験!ロコアテープ(粘着性、臭い、副作用確認)

ロコアテープの製剤見本(サンプル)をもらいましたので、貼り心地、臭い、副作用などを調べるために、肩に貼ってみます。

ロコアテープの臭い

ロコアテープの湿布袋を開けて鼻を近づけてみると、ハッカ臭が強いです。ハッカあめのような香しいいい臭いです。詰まった鼻が通りそうです。

ハッカが嫌いな方には、ちょっと臭いがきついかもしれません。

ロコアテープを切って両肩へ0.5枚貼付

私は変形性関節症を患っているわけではありませんので、保険適応外使用です。自己責任において使用します。

さすがに2枚貼る勇気はありません。両肩に、切ったロコアテープを0.5枚ずつ貼ってみました。

ハッカ油が高濃度に含まれていますが、ハサミで半分に切ることは問題なさそうです。

切り心地は、ボルタレンテープ、ロキソニンテープ、モーラステープ等のプラスター剤と同じ感じです。

ロコアテープの粘着性

粘着力はボルタレンテープ、ロキソニンテープ、モーラステープ等のプラスター剤と同じ感じです。

貼って5分後くらいから、温感タイプの湿布を貼ったような温かみを感じて気持ちいいです。

おそらくハッカ油の作用です。

今晩はロコアテープを貼って寝ます。

ロコアテープ体験追記

2016.2.3追記

ロコアテープを貼ってから寝るまで、2時間はハッカ臭と温感があったのを覚えています。

次の朝(約8時間後)、ハッカ臭と温感は気にならないレベルまでになりました。ロコアテープを貼った場所のかゆみも、胃の不快感などの副作用もありませんでした。

2016.3.6追記

昨日首を痛めたため、今度は首に1枚ロコアテープを貼って寝ました(保険適応外使用)。

寝る前に貼るのは、やはり臭いが気になるからです。(個人的には好きな臭いです)

ハッカ臭や温感は前回と同じです。

次の朝(約7時間後)、ハッカ臭と温感は気にならないレベルまでになりました。ロコアテープを貼った場所のかゆみも、胃の不快感などの副作用もありませんでした。

他の湿布との効果の比較はできませんが、首の痛みはなくなりました。

まとめ

ロコアテープがニュータイプの湿布と言える理由

  1. 1日に貼れる枚数の上限がある(2枚まで)
  2. 有効成分フルルビプロフェンから、さらに痛みに有効な成分(エスフルルビプロフェン)を抽出して作られている
  3. 内服薬との併用禁忌がある
  4. 湿布なのに、胃腸に負担がかかることがあり、副作用にも注意を要する
  5. 薬代も微妙に最強