【妊婦のインフルエンザ】タミフル、イナビル、リレンザは赤ちゃんに大丈夫?

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インフルエンザの流行期間は4カ月くらいありますので、妊娠期間の10カ月の間に重複する期間があります。

妊婦も含めて、インフルエンザの予防はワクチンによる予防接種が基本となりますが、
インフルエンザ予防接種は、インフルエンザに対して万能ではなく、ワクチンを接種していたとしてもインフルエンザを発症します。

通常のインフルエンザであれば自然治癒しますが、妊婦は重症化するリスクが比較的高いため、インフルエンザ薬(タミフル、イナビル、リレンザ)を使用することがあります。

妊婦さんの場合、まるで毒薬を渡されたかのような質問責めにあうときもあります。

  • 妊娠していますが、赤ちゃんは大丈夫ですか?
  • タミフル(イナビル、リレンザ)は妊婦が飲んでも大丈夫な薬ですか?
  • 妊婦です。赤ちゃんが心配です

妊婦さんが赤ちゃんの心配するお気持ちはよくわかります。
タミフル、イナビル、リレンザの妊婦と赤ちゃんへの影響を解説します。

出産のリスク

薬を全く服用しなかった妊婦から生まれた赤ちゃんですら、3~5%は小さな異常も含めて自然に発生します。

これはベースラインリスクと呼ばれています。

ポイントは「ベースラインリスクと比較して、薬の使用でどれだけリスクが上がるか」です。

頭のかたすみにおいて、読み進めてください。

タミフルと妊婦

タミフル、リレンザ、イナビルはインフルエンザ異常行動の原因?
インフルエンザの時期になると、メーカーからタミフルの異常行動に関する注意喚起の冊子が郵送されてきます。タミフル、リレンザ、イナビルはヤバい薬なのでしょうか?

インフルエンザ薬の中では、タミフルは使用経験が長く世界中で使用されています。そのため、タミフルを妊婦に使用した例も多く存在し、データも蓄積されています。

2011年に日本産科婦人科学会が「抗インフルエンザウイルス薬投与妊婦の出産と小児に対する特定使用成績調査」の結果を発表しました。

タミフル

778例において、低出生体重児が71 例(9.1%)、早産が46 例(5.9%)、胎児発育不全(FGR) が27 例(3.5%) 認められ、自然発生率とほぼ同等であった。

絶対的過敏期について
59例中3例(5.1%)に流産を認めたが、自然流産率の15%より低く、タミフルの影響とは考えにくい。

タミフルは、妊婦が服用しても赤ちゃんに影響を与えないようです。

リレンザと妊婦

リレンザ

77例では、早産4 例(5.2%)、低出生体重児4 例(5.2%) 胎児発育不全(FGR)1 例(1.3%) 等が認められたが、自然発生率よりむしろ低率であった。

リレンザもタミフルと同様に、妊婦が吸入しても赤ちゃんに影響を与えないようです。

タミフルとリレンザは妊婦のインフルエンザに有益

たいていの薬の添付文書(説明書)には、次のような決め台詞があります。

「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する

タミフル、リレンザも同様です。

タミフルとリレンザに関して、妊婦が服用してはいけない。危険だという証拠は、現時点では発見されていません。

タミフル、リレンザは、妊婦のインフルエンザに対して有益性が危険性を上回るのではないでしょうか。

イナビルと妊婦

インフルエンザ薬タミフル、吸入薬イナビルの効果と副作用
タミフル、イナビルなどのインフルエンザ薬は、インフルエンザの罹病期間の短縮効果と、重症化抑制効果があります。インフルエンザに対する効果には違いがあるのでしょうか?

インフルエンザになった場合、単回吸入すれば治療が終了するイナビルを使用します。

しかし、2001年に発売されたタミフル、リレンザと比較すると、イナビルは使用経験が少なく、2015年10月の時点では海外では販売されていません。

FDA妊婦カテゴリーにも該当していません。

妊婦のインフルエンザ薬は、次の2種類の薬が使用されることが多いのです。

  • タミフル【FDA妊婦カテゴリーC】
  • リレンザ【FDA妊婦カテゴリーC】

FDA妊婦カテゴリー抜粋

カテゴリー 概要
A ヒト対照試験で、危険性がみいだされない
B ヒトでの危険性の証拠はない
C 危険性を否定することができない
D 危険性を示す確かな証拠がある
X 妊娠中は禁忌

まとめ

  1. 妊婦がインフルエンザになった場合、肺炎等の合併症を発症しやすい
  2. インフルエンザ流行全期間の予防効果が確認されているのはインフルエンザワクチンのみ
  3. インフルエンザワクチンは不活化ワクチンで、妊婦や赤ちゃんへの影響が極めて低い
  4. 妊婦がインフルエンザ予防接種で、特別な副作用(副反応)があったという報告はない
  5. タミフルとリレンザは、妊婦が服用しても、赤ちゃんの発育に影響を与えない