不動産投資はローン(融資)を使って購入する場合がほとんどです。
その大きな理由は
- 不動産購入に不足する自己資金を補うため
- 自己資金の温存するため
- 自己資金に対する不動産投資投資のキャッシュフローを高めるため
不動産投資では、投下した自己資金に対して、いくらのキャッシュフローが得られるのかを計算することが重要です。
キャッシュフローの生まない不動産は、資産ではなく負債だからです。
自己資金に対するキャッシュフローを教えてくれる不動産投資の投資指標があります。
それはCCRです。
不動産投資のキャッシュフローシミュレーションをしてCCRを計算してみましょう。
真の利回り(FCR)とは
不動産投資のCCRを理解するためには、真の利回り(FCR)を知る必要があります。
真の利回り(FCR)を軽く解説します。
真の利回り(FCR)とは、不動産そのものが持つ収益力で、現金で投資したらどのくらいのキャッシュフローを得られるのかを示す、不動産投資の収益性をみるための指標です。
FCR:Free and Clear Return
不動産投資の真の利回り(FCR)の詳細解説
不動産投資は自己資金に対するキャッシュフローが重要
不動産投資のCCRとは
CCRとは、投下した自己資金に対するキャッシュフロー率(自己資金の利回り)を示すローン使用後の利回りのことです。
CCR:Cach on Cach Return
CCRが高い場合、自己資金を活用した不動産投資が実行され、投資効率が良好と判断できます。
不動産投資のキャッシュフローとは
古い本ですが、ロバート・キヨサキ氏の「金持ち父さん貧乏父さん」に頻出するあのキャッシュフローです。
この本を読んで、不動産投資を始めた方も多いと聞きます。
2作目の「キャッシュフロークワドラント」は、キャッシュフローや資産と負債の違いの理解を助ける最良の教科書です。
キャッシュフロー(Cash Flow)とは、現金の流れのことです。
不動産投資のキャッシュフローとは、収入から経費(運営費)、借入金などすべての支出を差し引いた現金をいいます。
=純利益(NOI)-ローンの年間返済総額(ADS)
ADS:Annual Debt Service
純利益(NOI)の解説
不動産投資の自己資金とは
自己資金とは、その不動産投資に投下した現金を指します。
=不動産価格+購入諸費用-ローン金額
自己資金に対するキャッシュフロー率: 自己資金の利回り(CCR)の計算
次の条件のワンルームマンションのキャッシュフローをシミュレーションして、自己資金に対するキャッシュフロー率を計算します。
マンション価格 | 1000万円 |
想定家賃 | 6万円 |
空室率 | 10% |
固定資産税 | 年間4万円 |
管理委託料 | 家賃の5% |
管理費・修繕積立金 | 1万円 |
購入諸費用 | 83.38万円 |
ローンの金額(90%融資) | 900万円 |
元利均等返済 金利 | 2.5% |
ローンの期間 | 30年 |
キャッシュフローシミュレーション
キャッシュフロー
=純利益(NOI)-ローンの年間返済総額(ADS)
=455,600円-426,720円
=28,880円
純利益(NOI)のシミュレーション
=年間予想家賃-空室損-経費(運営費)
=455,600円
- 年間予想家賃=72万円
- 空室損=72万円×10%
- 経費(運営費)
=管理委託料+管理費等+固定資産税
=(72万円×90%×5%)+12万円+4万円
=192,400円
※純利益(NOI)を計算するときは、減価償却費、借入金を考慮しない
ローンの年間返済総額(ADS)
ローンの計算は、愛用しているみかローンを使用しました。
自己資金のシミュレーション
=不動産価格+購入諸費用-ローン金額
=1000万円+83.38万円-900万円
=183.38万円
不動産の購入諸費用の解説
自己資金の利回り(CCR)の計算
=(キャッシュフロー / 自己資金)×100
=(28,880円 / 183.38万円)×100
= 1.57%
自己資金に対するキャッシュフロー率 自己資金の利回り(CCR)の変化
真の利回り(FCR)は、不動産投資の自己資金やローンの組み方で数字が変わることはありません。
不動産投資の自己資金の利回り(CCR)は投下する自己資金とローンの組み方で数値が変わります。
自己資金に対するキャッシュフロー率 (自己資金を増やす例)
自己資金を283.38万円に増額して、ローンの金額を100万から200万(融資率20%)に増やすと、キャッシュフローと自己資金の利回り(CCR)はどのように変化するかシミュレーションしてみましょう。
=(キャッシュフロー / 自己資金)×100
=(76,292円 / 283.38万円)×100
= 2.69%
- キャッシュフロー
=純利益(NOI)-ローンの年間返済総額(ADS)
=455,600円-379,308円
=76,292円 - 自己資金
=不動産価格+購入諸費用-ローン金額
=1000万円+83.38万円-800万円
=283.38万円
自己資金に対するキャッシュフロー率が低い理由
同じ条件のローンを組んだ場合、今回の不動産投資にいくら自己資金を投下しても、真の利回り(FCR)4.39%を超えることはありません。
なぜなら、負のレバレッジ(逆レバレッジ)がかかっているからです。
その理由はこちらの記事です
その不動産投資 何年で自己資金が回収できる?
不動産投資の自己資金回収期間(PB)とは
不動産投資に投下した自己資金は、できるだけ早く回収して次の不動産投資に活用したいです。
何年で自己資金が回収できるのか(自己資金回収期間)を教えてくれる投資指標があります。
それはPBです。
PB:Pay Back
PBが短い場合、自己資金を活用した不動産投資が実行され、投資効率が良好と判断できますが、不動産投資のリスクは上がります。
PBの目安は5~10年です。
自己資金回収期間(PB)の計算例とリスクの判断
同じ条件の不動産の自己資金回収期間(PB)を計算します。
=自己資金 / キャッシュフロー
=183.38万円 /28,880円
=63.7年
自己資金の回収に63.7年もかかってしまいます。
自己資金の回収が終わったころには、不動産はぼろぼろですね。
まとめ
- 不動産投資では、投下した自己資金に対していくらキャッシュフローが得られるかが重要
- CCRとは、不動産投資に投下した自己資金に対するキャッシュフロー率(自己資金の利回り)
CCR=キャッシュフロー / 自己資金 - 不動産投資のキャッシュフローとは、収入からすべての支出を差し引いた現金
純利益(NOI)-ローンの年間返済総額(ADS) - 自己資金とは、その不動産投資に投下した現金
不動産価格+購入諸費用-ローン金額 - PBとは、自己資金を何年で回収できるかを示す自己資金回収期間
自己資金 / キャッシュフロー
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