おねしょ(夜尿症)は「甘やかしている」とか「だらしがない」とか言われ「恥ずかしい、隠しておきたい」と考えられてきました。
夜尿症は「自然に治る病気」と言う意味では真実ですが、いつ治るのか予想が付きにくい病気でもあります。
今は、おねしょ(夜尿症)の原因が生理学的に解明されるとともに治療法も確立され
「夜尿症は早めに治療してしまおう」という考え方に変わってきています。
「おねしょ」 = 「夜尿症」 ではありませんが、
本記事では「おねしょ」と「夜尿症」は同義語として取り扱います。
夜尿症の夜尿アラーム療養
夜尿症治療には、夜尿症薬による治療と、薬を使わないアラーム療法があります。
夜尿症薬は、ミニリンメルト(デスモプレシン)、抗コリン薬、抗うつ薬などを使い、
アラーム療法には、夜尿アラームを使います。
夜尿症アラームの使い方
夜尿症アラームの使い方は簡単です。
夜尿アラームと呼ばれる小型の装置をパンツの中に忍ばせます。
おねしょすると夜尿アラーム装置が尿を感知し、アラームを鳴らして本人を起こします。
アラーム療法を繰り返すと、睡眠中の蓄尿量が増大し、朝まで尿をためられるようになっていきます。
そして、おねしょ回数が減っていきます。
アラーム療法で膀胱の蓄尿量が増えるイメージ
これが夜尿アラームを使ったおねしょ治療、アラーム療法の全体像です。
夜尿アラームを使ったおねしょ治療は、いわゆるおねしょトレーニングです。
夜尿アラームで起きないときは
おねしょしてしまう子供は夜ぐっすりタイプが多いため、なかなか起きないです。
夜尿アラームが鳴っているのに子供が起きない場合は、家族が子供を起こします。
子供におねしょを気付かせる(おねしょを意識させる)のが大切です。
アラーム療法のおねしょ治療効果
夜尿症アラームの使い方はわかったけれど、本当に効果があるの?
初めて夜尿アラームを知った方は、アラーム療法は古典的で頼りないイメージがわいたかもしれません。
しかし、夜尿アラームを使ったおねしょ治療は、日本と海外で医学的に効果の認められた治療法のひとつです。
- アラーム療法の有効率は、多くの論文を対象としたメタアナリシスによると62~78%
- アラーム療法中止後の再発率は、メタアナリシスによると15%
- 日本での有効率は40~87%
- 日本での再発率は0~11%
- アラーム療法は2/3の患者で有効
夜尿症診療ガイドライン2016から抜粋
統計解析の一種で、複数の研究の結果を統合し、分析すること
夜尿症診療ガイドライン2016によると、
アラーム療法は夜尿症薬ミニリンメルト(デスモプレシン)と同等の推奨度です。
アラーム療法、夜尿症薬ミニリンメルト(デスモプレシン)の単独治療で効果がないときは、アラーム療法、夜尿症薬ミニリンメルトの併用も推奨されています。
夜尿アラームのメリット
夜尿アラームを使ったおねしょ治療は、薬を必要としないため人の目を気にせず自宅ですぐに始められます。
(いまだにおねしょは、恥、隠しておきたいと信じられている)
夜尿アラームのデメリット (副作用)
夜中に子供がおねしょすると、アラーム音が鳴ります。
子供がすぐに起きてアラームを止められればいいのですが、なかなか子供は起きないです。
たいていの場合、家族が目を覚まして子供を起こします。
これが数カ月以上継続すると、家族がアラーム音にまいってしまいます。(副作用)
また、夜尿アラームは健康保険が効かないため、アラーム代が自費(7000円~2万円程度)です。
夜尿アラームを使ったおねしょ治療は、家族の理解と協力が必要です。
夜尿アラームはネットでも購入可能
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夜中に子供がおねしょすると、アラーム音が鳴り、家族も一緒に目を覚ますことが夜尿アラームの副作用でした。
ウェットストップ3には、バイブ機能が付いているため、音だけで起きない子供(朝までぐっすりタイプの子供)も対応できます。
アラームユニット(アラームが鳴る方)とセンサー(おねしょセンサー)がワイヤレスになっているアラームもありますが、2万円くらいします。
コストパフォーマンスは、ウェットストップ3の方が上でしょう。
おねしょの再発
夜尿アラームに頼ることなくおねしょをしない日々が続けばいいのですが、なかなかそうはいかないようです。
夜尿アラームは、夜尿症治療終了直後では夜尿症薬ミニリンメルト(デスモプレシン)より再発率は低い(アラーム療法中止後の再発率はメタアナリシスによると15%)ですが、
治療終了後6カ月間では、半数程度再発することがあります。
アラーム療法はいつまで続ける?
連続で14日間程度おねしょしない日が続くまで、夜尿アラームは使用するべきでしょう。
先述のとおり、アラーム療法では数カ月アラーム音が続く場合もあります。なかなか効果が出てこない場合もあります。
しかし、次のようにおねしょが好転してきたならば、アラーム療法でおねしょが改善できてきた兆候かもしれません。
- おねしょしても、子供が夜尿アラームに反応して起きるようになった
- おねしょしても、夜尿アラームが鳴る時間帯が朝になった
- おねしょしても、おねしょの量が減ってくるようになった
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おねしょバイバイ!
おねしょ(夜尿症)の治療を始めても、すぐに治療効果がみられないかもしれません。
しかし、おねしょの回数や夜尿アラームが鳴る回数が、毎日から、2日に1回、3日に1回…とだんだん減っていくのが目に見えてきたら、それは夜尿アラームの効果があらわれている証拠です。
夜尿アラームに頼ることなくおねしょをしない日々が続けば、おねしょにバイバイする日は近いです。
まとめ
- 最近では「夜尿症は早めに治療してしまおう」という考え方に変わってきている
- おねしょ(夜尿症)の主な治療法は、薬を使わないアラーム療法と、ミニリンメルトという夜尿症治療薬を使う治療がある。
- 夜尿症アラームの使い方は簡単。しかもネットでも購入できる
- アラーム療法は手軽に始められるが、家族の強力が必須
- アラーム療法は頼りなく思えるかもしれないが、医学的に効果が認められている
- アラーム療法ではおねしょ再発率がやや高い
- 再発した場合はアラーム療法を再開する
- 最終的に夜尿アラームが鳴らない。おねしょをしなくなった日が続いたときは、おねしょにバイバイできる日は近い
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