ニキビは目に見えないモノから、プツッとした目立つ赤いモノまでさまざまです。
当然、私たちが治したい。何とかしたい。と思っているのは後者のニキビでしょう。
そして、このようなニキビに効果があるのがミノマイシンという抗生物質です。
ただ、このタイプのニキビはしぶとく、ミノマイシンですらなかなか効きません。だから、悪化する前にニキビは早期に治療してしまうに限ります。
ミノマイシンとニキビ
左:ミノマイシン錠50mg
右:ミノマイシンカプセル100mg
※ミノマイシン錠100mgは2017年7月に販売中止
ミノマイシンの主成分はミノサイクリンで、ミノサイクリンはテトラサイクリン系抗生物質です。
抗生物質は炎症や化膿を起こしたニキビに効果があります。
ニキビを放置すると、次の順に悪化していきます。
画像出典:大塚製薬HP(一部改変)
- 微小面皰(びしょうめんぽう)
目で見えない初期段階のニキビ。 - 面皰(めんぽう)
皮脂が毛穴の中につまってできた塊(コメド)。
つまり具合によって、白ニキビ、黒ニキビともいいます。 - 紅色丘疹(おうしょくきゅうしん)
盛り上がった赤い湿疹のような炎症性のニキビ(赤ニキビ)。 - 膿疱(のうほう)
盛り上がった皮膚から膿が出ているような赤い炎症性のニキビ(黄ニキビ)。 - 瘢痕(はんこん)
ニキビの治療が遅れたときや、ニキビを繰り返した場所に起こります。(ニキビ痕)
皮膚科では、ニキビの炎症(赤ニキビ)や化膿(黄ニキビ)がひどいときなどは、塗り薬に加えて抗生物質の飲み薬の併用も多いです。
なぜなら、赤ニキビ以上になってしまった場合、ニキビ痕を残さないために早急に炎症を鎮める必要があるからです。
ミノマイシンはニキビに効かない?
ミノマイシンには、抗生物質本来の作用である抗菌作用にプラスして抗炎症作用があり、炎症を起こした赤ニキビや、化膿した黄色ニキビに効果があります。
実際、ミノマイシンの臨床試験では「65.9%の人に効果があった(有効以上)」という結果が出ています。
しかしながら、「ミノマイシンはニキビに効かない」という声も聞こえてきます。
この矛盾が起こる理由は、効果の理想と現実にギャップがあるからです。
- 理想:赤みの根絶
- 現実:赤みが薄くなる程度
『ミノマイシンはめまいと歯の副作用に注意 本当はニキビに使いにくい』
ミノマイシンのニキビへの使い方
ミノマイシンは抗生物質ですので、化膿や炎症のない白黒ニキビには効きません。
ですので、白黒ニキビにミノマイシンを使っているのであれば、薬の使い方がまちがっています。
ミノマイシンが効果があるのは赤黄ニキビです。
しかしながら、赤黄まで育ってしまったニキビは芯が強く、少し抗生物質を飲んだくらいでは赤みは取れません。
「ニキビ薬を飲めば数日でニキビの赤みが取れる」と多くの人が期待していますが、ミノマイシンは長くても7日くらいの処方が多く、その期間で取れる赤みは限られます。
こうして、ミノマイシンはニキビに効かないという烙印を押されてしますのです。
『ファロムはニキビにも大活躍!効果は強いが下痢の副作用に注意』
ミノマイシンが効果が出るのはいつ?
ニキビの赤みを取りきるのに必要な期間(効果期間)は2カ月程度とも言われています。
ですので、ミノマイシンも2~3カ月くらい続ければ、赤みが取れるでしょう。
しかし、抗生物質は耐性菌を増やさないため短期間の服用が原則ですので、ミノマイシンが2~3カ月間処方されるのは珍しいです。
たいてい、ミノマイシンを3~5日間飲んでニキビの赤みを少し抑え、その後はダラシンT、アクアチム、ゼビアックスなどの抗生物質の塗り薬を続けます。
ただし、これらの塗り薬も使い続ける薬ではなく、3カ月をめどにいったん中止するのが原則です。
『ゼビアックスローションの効果はホンモノ?他のニキビ薬との比較で意外な結果が』
ミノマイシンとビブラマイシン
ニキビに使う抗生物質にビブラマイシンがあります。
皮膚科医のニキビへの処方は、ミノマイシン派とビブラマイシン派に分かれるくらいビブラマイシンは有名なニキビ薬です。
ニキビへの効果は、ミノマイシン100mgとビブラマイシン50mgが同等です。
『ミノマイシンとビブラマイシン 皮膚科ニキビ薬No.1はどっち?』
まとめ
- ミノマイシンは炎症を起こした赤ニキビや化膿している黄ニキビに効果がある
- ただし、このタイプのニキビはしぶとく、ミノマイシンですらなかなか効かない
- 効果の理想と現実のギャップが「ミノマイシンはニキビに効かない」を生み出している
- ミノマイシンのような抗生物質は長期服用する薬ではない
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