魚の目によく似た病気にたこ(タコ)がありますが、たこは角質が皮膚の表面(外側)に増えて分厚くなる病気です。
一方、魚の目(ウオノメ)は角質が皮膚の奥側(内側)へ増えて分厚くなり、硬い芯を作ります。
芯が小さいときや芯がない魚の目はスピール膏で取ることも可能です。
※スピール膏には病院用のスピール膏Mと、市販薬のスピール膏があります。
本記事では、「スピール膏M」は病院用、「スピール膏市販」は市販用、「スピール膏」は両方(共通)を指しています。
魚の目(ウオノメ)とは
魚の目は専門的には鶏眼(けいがん)と言います。
魚の目玉に似ていることから魚の目(ウオノメ)と言われています。
魚の目の多くは足の裏・指横・指間に発生します。
なぜなら、魚の目の原因は、合っていない靴による圧迫・摩擦・刺激だからです。
初期の魚の目はたことよく似ていますが、放置しておくと角質柱という固い芯を作ります。
芯は皮膚の奥側(内側)深いところへ向かって大きくなり、やがて神経を圧迫して痛みを起こします。
歩くときに接触する部分に魚の目ができると、歩くたびに痛みはどんどん強くなっていきます。
スピール膏の成分サリチル酸の効果
スピール膏の主成分はサリチル酸です。
サリチル酸には角質軟化溶解作用(硬くなった皮膚を溶かす作用)と弱い抗菌作用があります。
スピール膏と同じサリチル酸を主成分にする薬に、サリチル酸ワセリンがあります。
サリチル酸ワセリンは、水虫、にきび、アトピーなど、多くの皮膚病に使えますが、かかとひび割れに好んで使われます。
『サリチル酸ワセリンの かかとひび割れに効く使い方!市販はある?』
スピール膏Mの使い方(病院用)
- 魚の目と同じか、少し小さめの大きさにスピール膏Mを切り取る
- 切り取ったスピール膏Mを、魚の目の中心に貼る
- スピール膏Mがズレないように絆創膏などで固定する
(スピール膏Mははがれやすい) - 2~5日経ったら、いったん剥がす
魚の目より大きいサイズのスピール膏を使ってはいけません。
痛みがでるからです。
スピール膏Mを使った魚の目の芯の取り方
スピール膏Mで魚の目がやらかくなってきたら(白くなってきたら)、消毒したピンセットで痛みを感じない白いところを取り除きます。
画像:スピール膏 HPより
魚の目を取り除いてから皮膚に痛みを感じなくなった後、「スピール膏Mの使い方」に戻ります。
何回かこの作業を繰り返せば、少しずつ魚の目はうすくなっていきます。
しかし、芯はスピール膏Mで取れたようで取れていないことが多く、しばらくすると魚の目は再発するでしょう。
芯を完全に取り除かない限り、魚の目は再発するからです。
何回やってもスピール膏で魚の目の芯が取りきれない場合は、病院を受診するしかありません
反対に、たこはスピール膏を使って辛抱強く削り続ければ、いつか取れます。
『スピール膏はたこに効果抜群!使い方と取り方はこういう感じで』
市販薬スピール膏シリーズ
スピール膏は市販薬も充実しています。
- スピール膏(1973年発売)
- スピール膏液(1993年発売)
- スピール膏ジェル(2017年発売)
スピール膏(フリーサイズ)は病院用のスピール膏Mと同じ主成分サリチル酸を含む貼り薬です。
(サリチル酸濃度も同じ)
違いはサイズ調整パッドと固定用テープがセットになっていることです。
画像:スピール膏 HPより
スピール膏市販(フリーサイズ)の使い方
<スピール膏市販(フリーサイズ)の使い方>
- 魚の目と同じ大きさか、少し小さいくらいにスピール膏市販を切り取る
- 切り取ったスピール膏市販を、魚の目の中心に貼る
- 魚の目の芯が痛むときはパッドを貼る
- スピール膏市販がズレないようにテープで固定する
- 2~5日経ったら、いったん剥がす
スピール膏市販の魚の目の芯の取り方は「スピール膏Mを使った魚の目の芯の取り方」と同じです。
スピール膏市販(指・足裏用)の使い方
スピール膏市販には指用・足裏用もあります。
スピール膏市販(指・足裏用)とフリーサイズのスピール膏市販の違いは次の2点です。
- フリーサイズ
魚の目の大きさに自分でスピール膏を切る
(「フリーサイズスピール膏の使い方」参照) - 指・足裏用
サイズ調整シールを使って魚の目の大きさに調整する
画像:スピール膏 HPより
<スピール膏市販(指・足裏用)の使い方>
- 魚の目と同じ大きさか、少し小さいくらいの大きさのサイズ調整シールを貼る
- スピール膏市販(指・足裏用)を、魚の目の中心に貼る
- スピール膏市販(指・足裏用)がズレないように固定用テープで固定する
- 2~5日経ったらはがす
スピール膏市販の魚の目の芯の取り方は「スピール膏Mを使った魚の目の芯の取り方」と同じです。
スピール膏の使えないところ
- スピール膏は目の周囲・粘膜・顔面は使えません。
- 炎症・傷・化膿部分にも使えません。
- ウイルス性のイボ=ウイルス性疣贅(ゆうぜい)にも使えません。
『スピール膏はウイルス性イボに効かない!その単純すぎる理由は?』
スピール膏のサリチル酸濃度はサリチル酸ワセリンの5倍~10倍で、強力な角質軟化溶解作用があります。
魚の目以外の皮膚につけた場合、痛みが出たり白くふやけてきます。
スピール膏は魚の目を超える大きさを貼ってはいけません。
(「スピール膏Mの使い方」参照)
スピール膏と風呂
スピール膏は貼ったまま風呂に入れます。
- 風呂上りは角質がやわらかくなっています。
スピール膏を剥がして魚の目を取るにはいいタイミングです - 風呂に入ったときにスピール膏が取れてしまった場合は、風呂上りに貼り替えます。
スピール膏は2~5日は貼りっぱなしで効果が出る貼り薬です。
あまり交換頻度が高いと、魚の目へのサリチル酸の浸透が減弱して十分な効果が得られない可能性があります。
まとめ
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- 魚の目はたことよく似ているが、角質柱という固い芯を作る
- 芯が育つと神経を圧迫して痛みを起こす
- スピール膏の主成分サリチル酸には皮膚をやわらかくする作用がある
- スピール膏は魚の目のサイズを超えて貼ってはいけない
- スピール膏で魚の目をやらかくなしてから、消毒したピンセットで痛みを感じない白いところを取り除く
- 魚の目の芯は頑固。何回スピール膏を使っても取りきれない場合は、あきらめて病院を受診する
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