- 病院でラックビーを出されたけど、市販のビオフェルミンと何が違うの?
- 2つ一緒に飲めば、お腹の調子がもっと早く良くなる?
整腸剤としておなじみのこの2つ。実は、名前は違っても中身(菌の種類)がほとんど同じというケースがよくあります。
結論から言うと、多くの場合、この2つを一緒に飲むメリットはほとんどありません。
しかし、薬の種類(特に『R』がつくタイプ)によっては、併用が重要な鍵を握ることもあります。
現役薬剤師が、ラックビーとビオフェルミンの決定的な違いと、併用に関する疑問をスッキリ解決します!
【比較表】ラックビーとビオフェルミンの違い
まずは、主要な製品の違いを一覧表でチェックしましょう。
ラックビーとビオフェルミンの違いを表にまとめるとこうです。
| 製品名 | 主な菌の種類 | 特徴 |
|---|---|---|
| ラックビー(錠・微粒) | ビフィズス菌 | 大腸で働き、便通を整える定番 |
| ビオフェルミン(錠) | ビフィズス菌 | ラックビー錠と中身はほぼ同じ |
| ビオフェルミン(配合散) | 乳酸菌・糖化菌 | 小腸から大腸まで広く働く |
| ラックビーR / ビオフェルミンR | 耐性乳酸菌 | 抗生物質と一緒に飲むための特別な薬 |
剤形(錠剤か粉薬かなど)、使っている細菌、効果の違いがあります。
ラックビーとビオフェルミンの違い1 剤形
整腸剤ラックビーは3種類
ラックビーは、錠剤1種類と粉薬2種類の合計3種類です。
- ラックビー錠
- ラックビー微粒N
- ラックビーR散
ラックビー
ラックビー錠(左)とラックビー微粒N(右)は錠剤/粉薬の違いがあるだけで、同じビフィズス菌を使った整腸剤です。

ラックビーR
ラックビーRは耐性乳酸菌を使った整腸剤です。
耐性乳酸菌は後で解説しています。
「ラックビーRとビオフェルミンRの違い」
ビオフェルミンは4種類
ビオフェルミンは、錠剤2種類と粉薬2種類の合計4種類です。
- ビオフェルミン錠
- ビオフェルミン配合散
- ビオフェルミンR錠
- ビオフェルミンR散
ビオフェルミン
ビオフェルミン錠(左)とビオフェルミン配合散(右)は同じような名前がついていますが、使っている細菌が違います。

- ビオフェルミン錠:ビフィズス菌
- ビオフェルミン配合散:乳酸菌、糖化菌
ビフィズス菌、乳酸菌、糖化菌はどれも腸内環境を整える成分です。
特に使い分ける必要はなく、ビオフェルミン錠/配合散は同じように下痢・便秘・おなら・腹のはりに使われています。
ビオフェルミンR
ビオフェルミンR錠/R散は錠剤/粉薬の違いがあるだけで、同じ耐性乳酸菌を使った整腸剤です。

ラックビーとビオフェルミンの違い2 細菌の働きのちがい
同じ整腸剤でも、活躍する「菌」が異なります。
ラックビーとビオフェルミン(錠剤)は「ビフィズス菌」 これらは主に「ビフィズス菌」が主役です。ビフィズス菌は酸素が苦手なため、酸素のない大腸に住み着き、悪い菌を追い出して便秘や下痢を改善します。
ビオフェルミン(配合散)はチームプレー 粉薬タイプの「ビオフェルミン配合散」には、乳酸菌と糖化菌が入っています。これらは小腸から大腸まで広い範囲でサポートしてくれるのが特徴です。
ラックビー錠/微粒N/ビオフェルミン錠
ラックビー錠/微粒N/ビオフェルミン錠はビフィズス菌を使った整腸剤です。
ビフィズス菌は酸素があると生きていけない偏性嫌気性菌です。
そのため、ビフィズス菌は酸素が届かない大腸で活躍します。
ビフィズス菌は糖を分解して乳酸・酢酸(さくさん)を作ります。
ビフィズス菌が作る乳酸・酢酸には殺菌作用があり、悪玉菌の増殖を抑える効果があります。
(特に酢酸には強い殺菌効果あり!)
『ラックビーの効能効果は数え切れない!下痢/便秘/おなら/お腹のはり』
ビオフェルミン細粒
ビオフェルミン配合散は、乳酸菌と糖化菌を主成分とする整腸剤です。
乳酸菌の働き
乳酸菌は酸素があってもなくても生きる通性嫌気性菌です。小腸と大腸の両方で活躍できます。
乳酸菌は糖を分解して乳酸を作ります。
糖化菌の働き
糖化菌は酸素がないと生きられない好気性菌です。酸素の存在する小腸で活躍します。
糖化菌は乳酸菌・ビフィズス菌の増殖を助け、間接的に下痢・便秘を改善します。
→ 乳酸菌・ビフィズス菌↑
ラックビーとビオフェルミンの違い3 効能効果
先に解説したとおり、ラックビーとビオフェルミンは違う細菌を使った整腸剤です。
しかし、効能効果に違いはなく、どちらも「腸内菌叢の異常による諸症状の改善」が、簡単に言うとこういうことです。
「お腹の中の菌のバランスが崩れて起きてしまう、下痢や便秘、お腹の張りなどを、元通りスッキリ治す」
つまり、ラックビーとビオフェルミンは、どちらを飲んでも「お腹のトラブルを解決して、調子を整える」という最終的なゴールは全く同じなんですね。
また、どちらが効くという優越もありません。
『エンテロノンR散は抗生物質との併用専用整腸剤 ビオフェルミンとの違いは?』
ラックビーRとビオフェルミンRの違い 抗生物質に強い「R」の存在
先に解説したとおり、ラックビーRとビオフェルミンRは同じ耐性乳酸菌を使った整腸剤です。
ですので、効能効果に違いはありません。
抗生物質は細菌を攻撃して中耳炎、副鼻腔炎、肺炎などの症状を改善しますが、ターゲットである肺炎球菌やブドウ球菌以外の細菌(腸の善玉菌)も攻撃します。
すると、腸内フローラのバランスが崩れ、下痢・便秘・ガスがたまる・おならが出るという症状が起こる場合があります。
これらの症状を改善・予防するのがラックビーR(ビオフェルミンR)なのです。
『ビオスリーとビオフェルミンの違いはこれだけ!使い分けるならこうしよう』
【本題】ラックビーとビオフェルミンを併用したらどうなる?
多くの方が気になる「併用」について解説します。
「普通タイプ」同士の併用はメリット薄
例えば「ラックビー錠」と「ビオフェルミン錠」を一緒に飲んでも、どちらも主役は同じビフィズス菌です。
1人でやる仕事を2人でやるようなもので、効果が2倍になるというよりは、「菌の量が増えるだけ」に近く、あまり意味がありません。
「普通タイプ」と「配合散」の併用はアリ?
ビフィズス菌のみのラックビーと、乳酸菌・糖化菌が入ったビオフェルミン配合散を組み合わせれば、より多くの種類の菌を摂取できます。理論上は「相乗効果」が期待できますが、基本的にはどちらか1種類をしっかり飲めば十分です。
他の整腸剤の細菌をまとめるとこのとおりです。
- ミヤBM(酪酸菌)
『ミヤBMは抗生物質と併用OK!下痢・便秘改善効果 ビオフェルミンとの違いは?』 - ビオスリー(乳酸菌、酪酸菌糖化菌)
『ビオスリーは下痢便秘にジワーッと効く!すぐに効かないけど飲み続けよう』
まとめ:ラックビーとビオフェルミンの自分にあった選び方
- 病院で指定された場合: 指示通りに飲むのが一番です。
- 併用を考えている場合: 中身が重複していることが多いので、まずは1種類に絞って様子を見ましょう。
- 抗生物質を飲んでいる場合: 必ず「R」のつくタイプを併用してください。
お腹の菌のバランスは人それぞれ。「これを飲めば絶対!」という正解はありませんが、まずは自分の飲んでいる薬が「どの菌」を主役にしているかを知ることから始めてみましょう。
もし迷ったら、お薬手帳を持って薬剤師に相談してくださいね!

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