抗生物質の飲み薬は多くありますが、ニキビに使う抗生物質の飲み薬はたいてい決まっています。
- ミノマイシン(ミノサイクリン)
- ビブラマイシン(ドキシサイクリン)
- ルリッド(ロキシスロマイシン)
- ファロム(ファロペネム)
この中でもミノマイシンがニキビによく使われていますが、ミノマイシンはめまいの副作用が起こることがあり、本当はニキビに使いにくい薬です。
ミノマイシンの副作用
ミノサイクリンはテトラサイクリン系抗生物質という種類のニキビ薬です。
左:ミノマイシン錠50mg
右:ミノマイシンカプセル100mg
※ミノマイシン錠100mgは2017年7月に販売中止
ミノマイシンは胃腸系副作用とめまいの副作用が起こる頻度が比較的高いです。
副作用 | 副作用頻度 |
---|---|
腹痛 | 3.08% |
悪心 | 2.97% |
食欲不振 | 1.80% |
胃腸障害 | 1.13% |
めまい | 2.85% |
データの出典:ミノマイシン添付文書
これらの副作用は飲み始めに起こることが多いですが、飲むのを止めればすみやかに副作用も治まります。
また、頻度が不明ですが、歯の副作用(後で解説)が起こる可能性がある薬としても知られています。
ミノマイシンとめまい
ミノマイシンはめまいの副作用が比較的多いです。
めまいの副作用のため、ミノマイシンよりビブラマイシンの方がニキビに使いやすいですが、知名度ではミノマイシンが一歩リードしているイメージです。
『ミノマイシンとビブラマイシン 皮膚科ニキビ薬No.1はどっち?』
ミノマイシンは平衡感覚を感じる前庭(耳中の空間のひとつ)にダメージを与え、頭がどの方向へ向いているのかを麻痺させます。
その作用が強く働くと、めまい症状を起こします。
そのめまいの感覚はグルグルと回転するのではなく、フラフラ、ふわふわしたものであることが多いです。
ミノマイシンと歯の副作用 (妊婦、子供は服用注意!)
ミノマイシンで気を付けなければならない副作用に歯の色素沈着があります。
最初は黄色かかった歯になるだけですが、ミノマイシンの服用期間に比例して歯への色素沈着が濃くなります。
妊娠中にミノマイシンを服用すると、赤ちゃんの骨や歯の形成を遅らせることがあるため、ミノマイシンは妊婦は避けるべき薬です。
また、8歳以下の子供も、骨や歯の形成を遅らせることがあるため避けるべきです。
<FDA妊婦カテゴリー>
D:危険性を示す確かな証拠がある
『妊婦必見!妊娠中の薬服用不安と心配を解くヒント その薬大丈夫?』
<Dr.Hale’s授乳リスクカテゴリー>
L3:児に不都合な影響が出る可能性のある薬
『授乳中に飲める薬(風邪薬、花粉症薬、インフルエンザ、喘息、うつ)』
- 胎児に一過性の骨発育不全、歯牙の着色、エナメル質形成不全を起こすことがある。
また、動物実験(ラット)で胎児毒性が認められているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。- 小児(特に歯牙形成期にある8歳未満の小児)に投与した場合、歯牙の着色、エナメル質形成不全、また、一過性の骨発育不全を起こすことがあるので、他の薬剤が使用できないか、無効の場合にのみ適用を考慮する。
ミノマイシン添付文書より
まとめ
- ミノマイシンは胃腸系副作用とめまいの副作用が起こる頻度が比較的高い
- ミノマイシンはめまいの副作用があり、ニキビに使いにくい
- ミノマイシンで気を付けなければならない副作用に歯の色素沈着がある
- 妊婦、授乳婦、子供はミノマイシンを避けた方がいい
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