フェログラデュメットとフェロミアの違い 鉄剤の使い分けを薬剤師が解説

貧血で倒れ込みそうな男性 フェロミア
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  • 病院で鉄剤を出されたけど、吐き気が心配……
  • フェログラデュメットとフェロミア、何が違うの?

貧血の治療でよく出されるこの2つの薬。どちらも「鉄分を補う薬」ですが、実は胃への負担や飲みやすさに大きな違いがあります。

結論から言うと、「胃が弱い人はフェログラデュメット」、「食事の影響を気にしたくない人はフェロミア」が選ばれる傾向にあります。

この記事では、現役薬剤師がこれら2つの鉄剤を4つのポイントで徹底比較し、後悔しない使い分け方を分かりやすく解説します。

  1. 鉄成分と鉄吸収
  2. 効果
  3. 飲み方
  4. 副作用

一目でわかるフェログラデュメットとフェロミアの比較表

「フェログラデュメットとフェロミアの違い」をまとめるとこうです。

フェログラデュメット フェロミア
主成分 硫酸鉄 クエン酸第一鉄
効果 同等
胃への刺激 少なめ(ゆっくり溶ける) やや多い
食事の影響 受けやすい 受けにくい
飲み方 空腹時~食直後 食後
副作用 6.0%※1 6.13%※2

※1:国内文献を参考にした集積結果
※2:使用成績調査6年間の累積結果

 

効果の差はないため、副作用を抑えて鉄欠乏性貧血を治療するためにはフェログラデュメットがおすすめです。

しかし、フェロミアを処方する医師が圧倒的に多いです。

<フェロミアを処方する理由>

  • 昔から使っているので使い慣れている
  • 鉄吸収の面で信頼ができる
  • 食事の影響を受けにくい

<フェログラデュメットを処方する理由>

  • 胃腸系の副作用頻度が低い
  • フェロミアでダメだったため

フェログラデュメットとフェロミアの違いを4つの角度から比較してみていきましょう。

フェログラデュメットとフェロミアの違い1 鉄吸収の安定性(フェロミアの強み)

フェログラデュメット硫酸鉄を主成分とする鉄欠乏性貧血薬です。

フェログラデュメット錠

フェログラデュメットは大量の鉄が胃を刺激しないように、胃酸でゆっくり溶ける工夫がされています。

そのため、フェログラデュメットは鉄剤吸収のよい空腹時に飲んでも、吐き気や胃痛の副作用が出にくい特徴があります。

 

一方、フェロミアクエン酸第一鉄を主成分とする鉄欠乏性貧血薬です。

フェロミア錠50mg

通常、鉄剤は胃酸が少ないと溶けにくく、吸収が悪くなってしまいます。

フェロミアは酸性から塩基性まで広いpH域でよく溶けるため吸収率が高く、胃酸が少ない状態でもしっかり溶けるように作られています。食事の影響を受けにくい特徴があります。

フェロミアの吸収率

フェロミアインタビューフォームを参考に作成

 

そのため、フェロミアは次のような方でも効果が期待できます。

  • 胃酸分泌が低下している高齢者
  • 胃の切除手術を受けた方
  • 胃薬(制酸剤)を服用している方

 

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フェログラデュメットとフェロミアの違い2 飲み方(用法用量)

成人のフェログラデュメットの飲み方は、1~2錠を1日1回から2回に分けて空腹時服用です。ただし、吐気などの副作用が強いときは食直後服用でもOKです。

一方、フェロミアの飲み方は、1~2錠を1日1回から2回に分けて食後服用です。

フェログラデュメットと同じように、鉄の吸収をよくするためにあえて「食前」にという飲み方もありますが、吐き気や胃痛などの副作用が出て飲み続けられなくなるかもしれません。

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フェログラデュメットとフェロミアの違い3 副作用(胃へのやさした)

鉄剤を飲む際、一番の悩みは「吐き気」や「胃痛」ですよね。

フェログラデュメットには、胃で一気に溶け出さないよう、少しずつ鉄を放出する工夫(徐放性)がされています。 そのため、胃への刺激が分散され、副作用が出にくいのが大きなメリットです。

一方、フェロミアは溶け出すスピードが早いため、人によっては胃にズーンと重い刺激を感じることがあります

実際、鉄欠乏性貧血を対象とした二重盲検比較試験では、フェログラデュメットとフェロミアの胃腸系副作用頻度に大きな違いが見られました。

各鉄剤28日間服用中の副作用

フェログラデュメットとフェロミアの副作用頻度の比較

下軸:20例中の副作用数

フェログラデュメットのインタビューフォームを参考に作成

この試験結果から、フェロミアは吐き気、下痢、便秘などの胃腸系副作用が多く、フェログラデュメットはプラセボ(偽薬)と副作用頻度が変わらないことがわかります。

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フェログラデュメットとフェロミアの違い4 結局効果はどうなの?

鉄剤はヘモグロビン量と貯蔵鉄量を増やして鉄欠乏性貧血状態を改善します。

鉄欠乏性貧血を対象とした二重盲検比較試験では、フェログラデュメットとフェロミアの効果の違いはほとんどないことがわかっています。

各鉄剤28日間服用前後のヘモグロビン値

フェログラデュメットとフェロミアの効果の違い

フェログラデュメットのインタビューフォームを参考に作成

 

というのも、鉄分の食事からの1日推奨接種量約10mg(成人女性)に対して、1日50mg以上の鉄剤を服用するからです。

多少吸収の差が出ても、効果にはほとんど影響がありません。

どちらの薬であっても、しっかり飲み続ければヘモグロビン値や貯蔵鉄(フェリチン)をしっかり回復させることができます。

鉄剤(フェロミア/フェログラデュメット/インクレミン)は飲み合わせに注意!

まとめ:あなたに合った鉄剤の選び方

  • 胃が弱く、吐き気が心配な方 → フェログラデュメットが第一選択。空腹時がベストですが、胃痛が出るなら食後でもOK!
  • 食事の時間を気にせず、安定して吸収させたい方 → フェロミアがおすすめ。胃薬を飲んでいる人にも向いています。

どちらの薬も「継続」が一番大切です。もし副作用で辛い時は、勝手にやめずにかかりつけの医師や薬剤師に相談して、自分に合った飲み方を見つけていきましょうね。

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