治療を正しく行うには、正しい診断が必要です。
見た感じはよく似ているので、ほとんど見分けがつかない皮膚病にイボ、魚の目(ウオノメ)、たこ(タコ)があります。
この中でも、最も気になる病気はといえばイボでしょう。
イボは小さい状態から始まり、大きくなったり無数に広がったりとさまざまな変化を起こすからです。
イボが気になりだして、この記事にたどりついた方も多いはずでしょう。
イボ、魚の目、たこの薬と知られている薬がスピール膏です。
しかし、スピール膏はこの3つの病気に万能ではなりません。
スピール膏とは
スピール膏の主成分はサリチル酸です。
スピール膏には病院用のスピール膏Mと市販用のスピール膏があります。
市販用のスピール膏はパッドとテープがセットになっているので、手間いらずですぐに使い始めることができます。
スピール膏M(病院用)
スピール膏(市販)
画像:スピール膏 HPより引用
サリチル酸には角質軟化溶解作用(硬くなった皮膚を溶かす作用)と弱い抗菌作用があります。
- 魚の目・たこと同じ大きさに切ったスピール膏を、魚の目・たこの中心に貼ってテープで固定すれば、魚の目・たこがやわらかくなります。
- スピール膏でやわらかくなった魚の目やたこは、消毒したピンセットなどを使って取り除きます。
1.2を繰り返している間に、魚の目・たこはうすくなって、いつかなくなるというわけです。
スピール膏の使い方はこちらをチェック!
『スピール膏はたこに効果抜群!使い方と取り方はこういう感じでOK』
『スピール膏は魚の目の芯にも効く!ポロッと取れる使い方はこう!』
イボとは
足の裏や手指などにできた突起状のかたまりをイボと呼んでいます。
専門用語では疣贅(ゆうぜい)といいます。
イボといっても水イボから老人性イボまで数種類がありますが、老人性イボを除くとほとんどが何らかのウイルス感染が原因で起こります。
- ウイルス性イボ(ウイルス性疣贅)
伝染性軟属腫)でんせんせいなんぞくしゅ)
=水イボ
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
=広い意味でイボ
尖圭(せんけい)コンジローマ
=陰部にできるイボ - 非ウイルス性イボ
老人性疣贅=老陰性イボ
スピール膏がウイルス性イボに効かない理由
先に解説したとおり、スピール膏は皮膚を柔らかくする薬です。
スピール膏はウイルスを死滅させるような効果はないため、ウイルス性のイボに効きません。
むしろ、スピール膏を貼ってイボを取り除こうとすると、周辺にウイルスが広がり、イボが大きくなったり増えたりして悪化することがあります。
ですので、初期のイボは魚の目やたこと見分けが付かないくらい似ているため、皮膚科でしっかり判断してもらう必要があります。
それでは、もしそれがイボであった場合、どのような治療をすればよいのでしょうか。
ウイルス性イボの治療法
残念ながらウイルス性イボの薬はありません。
治療方法もまだ確率されていませんが、よく行われるイボ治療は3つです。
- 液体窒素療法(凍結療法)
- 電気焼灼法
- 内服薬(ヨクイニン)
液体窒素療法(凍結療法)
液体窒素療法は、液体窒素をイボにあててウイルスを死滅させる治療法です。
ただ、この治療法はウイルス感染の起こっているイボに直接液体窒素をあて、皮膚ごと凍結させ破壊します。
そのため、強い痛みをともないます。
(強い痛みはドライアイスをつかんだときの痛みをイメージしてください)
しかも、治療は1回で終わりません。1~2週間に1回の施術が数回必要です。
足の裏のイボは皮膚が分厚いため、半年~1年の治療期間が必要になる場合もあります。
この治療法は強い痛みをともなうため、脱落する人も多いのが現状です。
電気焼灼法
電気焼灼法は、電気メスでイボを焼きとりウイルスを死滅させる治療法です。
「焼く」というと、液体窒素療法と同じように痛みをともなう知慮法のように聞こえますが、麻酔をしてから施術するため痛みはありません。
(ただし、麻酔が切れると痛い)
内服薬(ヨクイニン)
上のどちらかの施術に併用する薬がヨクイニンです。
ヨクイニンはハトムギエキスのことで、昔からイボ取り薬として知られています。
「免疫力を高めてイボの発生を抑える」と解説されている場合が多いですが、ヨクイニンはいまいちよくわからない薬です。
まとめ
- 足の裏や手指などにできた突起状のかたまりをイボと呼ぶ
- ほとんどのイボは何らかのウイルス感染が原因で起こる
- スピール膏の成分サリチル酸には角質軟化溶解作用があるが、抗ウイルス作用はない
- だから、スピール膏はウイルス性イボには効かない
- ウイルス性イボの治療法は主に3つ
液体窒素療法、電気焼灼法、ヨクイニン
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