インフルエンザワクチンは、2015年-2016年シーズンから3価から4価に変更になりました。
3価から4価ワクチンへの変更で、副作用が目に見えて増えるわけではなく、個人差が多いだろうという予想でした。
しかし、2015年に4価のインフルエンザワクチンの予防接種した方は、次のよう副作用が多かったように思います。(私も副作用で苦しんだひとりです)
- 痛い
- (注射液が)しみる
- しびれる
- 腫れる
- 発熱
- だるい
ワクチン接種後の注意とともに「インフルエンザワクチンの副作用」を解説します。
インフルエンザ予防接種の発生頻度の高い副作用
ワクチンを接種したとき、免疫が付く(免疫が得られる)目的以外の副作用が起こることがあります。
特にワクチンの場合は、その副作用のことを副反応といいます。
これらの副作用はだいたい2.3日でなくなりますが、1週間程度続く方もいます。
私のインフルエンザ予防接種体験(2015年-2016年シーズン)では、予防接種7時間後から赤みや腫れの副作用が出ました。
予防接種40時間後の腕の腫れ
くわしくはコチラの記事で解説
『インフルエンザワクチン3価4価の違い フルミスト(鼻ワクチン)はどう?』
6カ月以上13歳未満の小児66例を対象とした臨床試験において、皮下2回接種したときの副反応は
- 6カ月以上3歳未満では36.8%
- 3歳以上13歳未満では64.3%であった
主な副反応は
- 6カ月以上3歳未満で注射部位紅斑:18.4%
- 注射部位腫脹:13.2%
- 3歳以上13歳未満で注射部位紅斑:39.3%
- 注射部位疼痛:32.1%
- 注射部位腫脹:17.9%
- 注射部位熱感:17.9%であった
インフルエンザHAワクチン “化血研”のインタビューフォーム抜粋
インフルエンザ予防接種の全身性副作用
インフルエンザワクチンを接種したとき、接種場所以外にも副作用が起こることがあります。それを全身性副作用(全身性副反応)といいます。
- 発熱(微熱を含む)
- だるさ(軽度~重度)
- 頭痛
これらの副作用はたいてい2.3日でなくなりますが、1週間程度続く方もいます。
『インフルエンザワクチンの種類(メーカー、バイアル、シリンジ、チロメサールの違い)』
インフルエンザ予防接種の重篤な副作用
インフルエンザ予防接種では、重篤な副作用が起こる頻度は相当低いですが、毎年次のこのような副作用が出る方もいます。
- アナフィラキシー症状
- ギランバレー症候群
- けいれん
- 肝機能障害
- 喘息発作
- 血小板減少性紫斑病など
アナフィラキシー症状 【副作用】
アナフィラキシー症状とは、非常に強いアレルギー反応の総称です。
蜂に刺されて毎年死亡する例がいますが、それもアナフィラキシー症状が関係します。
インフルエンザワクチンのアレルゲン(アレルギーを起こす原因物質)に対して強いアレルギー反応が起こると、全身にアレルギー症状の副作用が現れます。
アナフィラキシーの主な症状は、じんましん(赤み、腫れ、痒み)、呼吸困難です。
ギランバレー症候群 【副作用】
ギランバレー症候群は、ワクチン、インターフェロン、ニューキノロン抗菌薬、抗ウイルス薬、抗がん剤などの薬を使ったときに起こる場合があります。
インフルエンザワクチンの接種でギランバレー症候群の副作用が起こる頻度は不明ですが、100万人あたり1.2人程度ではないかと推測されています。
ギランバレー症候群の副作用が起こると、インフルエンザワクチン接種後1日目から2週目にかけて急激に筋力が低下し、全身が麻痺します。
ギランバレー症候群の副作用自覚症状
- 両側の手足に力が入らない
- 物がつかみづらい
- 手や足の感覚が鈍くなるなど
血小板減少性紫斑病 【副作用】
血小板減少性紫斑病とは、止血作用のある血小板数が減少し、出血傾向となる自己免疫疾患のことです。
血小板減少性紫斑病の副作用が起こると、ちょっとしたキズからの出血が止まらなくなります。
『インフルエンザワクチンは効果なし(効かない・意味ない)といわれる理由 料金は?』
インフルエンザ予防接種後の死亡
毎年数例ですが、インフルエンザの予防接種後(すぐとは限りません)に死亡する例が報告されています。
- 2009年-2010年:3例
- 2010年-2011年:4例
- 2011年-2012年:0例
- 2012年-2013年:1例
- 2013年-2014年:1例
- 2014年-2015年:3例
インフルエンザワクチン接種後の注意
副作用の起こりやすい時間
インフルエンザ予防接種の副作用は、インフルエンザワクチンの接種直後が最も起こりやすく、たいていの場合は24時間以内に副作用が起こります。
インフルエンザワクチン接種を受けた30分程度はクリニック内に残るか、すぐに連絡を取れるようにしておく必要があります。
インフルエンザ予防接種の揉む揉まない
予防接種後は揉む(もむ)と思っている方が多いと思いますが、インフルエンザを含む一般的な予防接種は皮下注射です。
皮下注射は、強く揉むと皮下出血する場合があるため揉みません。
注射後に揉む注射は筋肉注射です。
入浴、シャワーは問題なし
入浴とシャワーは問題なしです。
ただし、予防接種の跡をこすったりするのはやめましょう。
運動と飲酒は適量
インフルエンザ予防接種後は、体内で炎症反応が起こって副作用が起こる場合があります。
絶対禁酒というわけではありませんが、わざわざ予防接種当日に激しい運動をしたり、ぐいぐい飲酒する必要はありません。
『妊婦、授乳中、赤ちゃん インフルエンザ予防接種(ワクチン)NGは誰?』
まとめ
- インフルエンザワクチンの副作用(副反応)は、予防接種後24時間以内に起こりやすい
- インフルエンザ予防接種後は揉む必要なし
- インフルエンザ予防接種後に起こる副作用は、接種部の赤み、腫れ、かゆみが多い
- まれに、全身性の副作用として、発熱、だるさなどが起こることがある
- インフルエンザ予防接種で死亡するリスクもある
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