インフルエンザワクチンの種類(メーカー、バイアル、シリンジ、チロメサールの違い)

インフルエンザ予防接種
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インフルエンザワクチンの種類は、大きく分けるとバイアルシリンジがありますが、細かく分けると、メーカー、チメロサール(防腐剤)の有無でも分けられます。

どれを選んでもインフルエンザの予防効果は同等ですが、添加物に違いがあり、副作用(副反応)の発生頻度の違いを生み出します。

インフルエンザワクチンを次の4種類に分けて解説します。

  • シリンジ
  • バイアル
  • チメロサール
  • メーカー

インフルエンザワクチンの種類

阪大微生物病研究会(ビケン)のインフルエンザワクチンを例に、3種類のワクチンを解説します。

  • バイアル(チメロサール添加)
  • バイアル(チメロサールフリー)
  • シリンジ

バイアル(チメロサール添加) ビケンHA

ビケンHA1mL
ビケンHA(1mL)

 

ビケンHAの場合、添加物は4種類含まれています。

添加物の種類名称用量
(mg)
緩衝剤リン酸水素ナトリウム水和物3.53
リン酸二水素ナトリウム0.54
等張化剤塩化ナトリウム8.5
防腐剤
(保存剤)
チメロサール0.008

 

チメロサール添加のバイアルワクチンが、毎年の標準的インフルエンザワクチンです

(チメロサールは後「インフルエンザワクチンの添加物」で解説)

 

インフルエンザワクチンの接種量、接種回数は次のとおりです。

1回の摂取用量
(mL)
摂取回数
6カ月以上3歳未満0.252
3歳以上13歳未満0.52
13歳以上0.51

 

13歳以上のインフルエンザワクチンの摂取量は1回0.5mLですので、ビケンHA1瓶で2人分です。

1回使った残りのワクチンの使用期限は当日中です。

2人単位でインフルエンザワクチンの予約を行っているクリニックがあるのは、このような理由があるからです。

バイアル(チメロサールフリー) フルービックHA

フルービックHA(0.5mL)
フルービックHA(0.5mL)

 

フルービックHAの添加物は3種類です。

添加物の種類名称用量
(mg)
緩衝剤リン酸水素ナトリウム水和物1.765
リン酸二水素ナトリウム0.27
等張化剤塩化ナトリウム4.25

 

フルービックHAは13歳以上で1瓶使い切りです。

もし、3歳未満の子供にフルービックHAを使うと、半分は廃棄しなくてはなりません。

なぜなら、チメロサールが入っていないからです。

本剤は添加物としてチメロサール(保存剤)を含有していないので、1度注射針をさし込むと容器内の無菌性が保持できなくなる。
所要量を吸引後、残液がある場合でもすみやかに残液は処分すること。

フルービックHA添付文書より

シリンジ(チメロサールフリー) フルービックHAシリンジ

フルービックHAシリンジ(0.5mL)
フルービックHAシリンジ(0.5mL)

 

フルービックHAシリンジはフルービックHAのシリンジタイプです。

インフルエンザワクチンがすでに0.5mLセットされているので使い勝手がよく、添加物もフルービックHAと同じです。

インフルエンザワクチンのメーカー違い

インフルエンザワクチンは次の4社が主なメーカーです。(通称名)

  • 阪大微生物病研究会(ビケン)
  • 化学及血清療法研究所(化血研)
  • 北里第一三共ワクチン株式会社(北里)
  • デンカ生研株式会社(生研)

 

インフルエンザワクチンの株の種類はどのメーカーでも同じですので効果は同等です。

「インフルエンザワクチンの株の種類」はコチラの記事で解説中
インフルエンザワクチンの3価4価の違い 鼻ワクチンフルミストの効果

しかし、使っている添加物の種類・用量の違いがあるため、副作用(副反応)の発生頻度の違いがあります。

2つのメーカーのインフルエンザワクチン(バイアルタイプ)の添加物と副作用の違いをみてみましょう。

比較するのは、ビケンHA(阪大)インフルエンザワクチンHAワクチン(化血研)です。

メーカー別添加物の違い

添加物の用量(mg)

添加物ビケンHA
(阪大)
HAワクチン
(化血研)
リン酸水素ナトリウム水和物3.532.5
リン酸二水素ナトリウム0.540.4
塩化ナトリウム8.58.2
チメロサール
ホルマリン
0.008
なし
0.005
あり

メーカー別副作用(副反応)の違い

6カ月以上3歳未満の臨床試験において、皮下2回接種したときの副作用(副反応)

副作用(副反応)ビケンHAHAワクチン
注射部位紅斑
(赤み)
26.5%18.4%
注射部位腫脹
(腫れ)
17.6%13.2%

 

メーカーによって添加物の用量と種類の違いがあることは事実ですが、ビケンHA(阪大)がHAワクチンより副作用(副反応)を起こすとは断言できません。

臨床試験をした母集団が違うからです。

インフルエンザ予防接種の副作用(副反応)とワクチン接種後の注意

インフルエンザワクチンの防腐剤チメロサール

毎年インフルエンザワクチン摂取の季節になると検索数の増えるチメロサールですが、魚に含まれる水銀の方がよっぽど危険です。

防腐剤チメロサールとは

チメロサールはワクチンの防腐剤として使われている「エチル水銀」成分です。

チメロサールは発達障害との関連性が過去に指摘されましたが、現在関連性は否定されています

1mLタイプのバイアルワクチンにチメロサールが添加されています。

水銀はチメロサールより魚の方が危険

魚には、インフルエンザワクチンに含まれるチメロサール(エチル水銀)よりも毒性の強い「メチル水銀」を多く含みます。

インフルエンザワクチンのチメロサールを気にされる妊婦さんがいますが、インフルエンザワクチンのチメロサールの量より、魚の多量摂取の方が多くの水銀を蓄積します。

妊婦、授乳中、赤ちゃん インフルエンザ予防接種(ワクチン)NGは誰?

 

特に、マグロ類(マグロ、カジキ)、サメ類、深海魚類、くじら類は、エチル水銀濃度が高いことで知られています。

インフルエンザワクチンは効果なし(効かない・意味ない)といわれる理由

まとめ

  • インフルエンザワクチンは、シリンジ、バイアル、メーカー、チロメサールの違いがある
  • その違いは副作用(副反応)に微妙な違いを与える
  • インフルエンザワクチンに入っているチメロサールを気にする妊婦さんもいるが、現在発達障害との関連性は否定されている


これから先は旧情報です。記録のため整理して残しておきます。

インフルエンザワクチンに出荷遅れ 平成29年度(2017年-2018年)

平成28年度(2016年-2017年)はチメロサールフリーのインフルエンザワクチンが製造されませんでしたが、平成29年度(2017年-2018年)は例年通り製造されています。

ただし、平成29年度(2017年-2018年)はインフルエンザワクチン自体の製造量は少なく、チメロサールフリーのインフルエンザワクチンは入手困難になっています。

平成28年度(2016年-2017年)のインフルエンザワクチンはチメロサールフリーなし

平成28年度(2016年-2017年)は、チメロサールフリーのインフルエンザワクチンは製造されません。

どうやら、熊本地震(2016年4月14日)の影響を受けているようです。

阪大微研のインフルエンザワクチンは通年3種類製造されますが、平成28年度(2016年-2017年)はビケンHAのみの1種類のみの製造です。

2016年-2017年に製造しないインフルエンザワクチン
出典:阪大微研のHP

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