とびひに効く塗り薬 抗生物質ゲンタシンとアクアチムを比較した意外な結果

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とびひの正式な病名は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」です。

とびひには、水ぶくれができるタイプ(水疱性膿痂疹:すいほうせいのうかしん)と、
かさぶたができるタイプ(痂皮性膿痂疹:かひせいのうかしん)の2種類があります。

子供がなりやすいとびひは水疱性膿痂疹です。
(本記事のとびひは水疱性膿痂疹を指します)

とびひになってしまったときに頼りになる薬は抗生物質(塗り薬、飲み薬)ですが、使い方が中途半端だと十分に効きません。

さらに、耐性菌ができてもっと効かなくなります。

今回は、とびひ塗り薬ゲンタシンアクアチムを、さまざまな角度から比較してみましょう。

※効果、副作用のデータ比較をしていますが、条件が違うためデータで勝る方が必ずしもすぐれるわけではありません。

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とびひは夏に大流行

夏は年間を通してとびひになりやすい季節です。

なぜならば、とびひになる原因が多いからです。

  • 肌の露出が多くなる
     →転んですり傷になり化膿する
     →化膿が悪化 →とびひ

  • 虫刺されやあせも
     →掻きむしって悪化 →とびひ

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ゲンタシンとは

ゲンタシン軟膏

ゲンタシンは、ゲンタマイシンを有効成分とするアミノグリコシド系抗生物質です。
細菌を殺菌する効果があります。

抗生物質はヘルペスなどのウイルスには効果がありません。
もちろんウイルス性の風邪にも効きません。

ヘルペス薬はこちらを参照しよう。
ヘルペス薬 アラセナA軟膏 VS ゾビラックス軟膏

風邪に抗生物質を使う過ちはこちらを参照しよう。
抗生物質クラリス・クラリシッドは風邪に効果がある?副作用は?

ゲンタシンとステロイドの配合剤が、あの有名なリンデロンVG軟膏です。
とびひにステロイドはOK? リンデロンVG軟膏VSテラコートリル軟膏

ゲンタシンには軟膏クリームがありますが、とびひに使われるのは軟膏がほとんどです。

アクアチムとは

一方、アクアチムはナジフロキサシンを有効成分とする世界初のニューキノロン系抗菌剤の塗り薬です。

アクアチム軟膏

アクアチムには軟膏、クリーム、ローションの3種類がありますが、とびひに使うのは主に軟膏です。

アクアチムクリームとローションは、ニキビへの使用が多いですが、ゼビアックスローション(超アクアチムローション!?)の使用が増えつつあります。

詳しくはこちらを参照しよう。
ゼビアックスローションはニキビに1日1回でOK! 効果、副作用、使い方

ゲンタシンとアクアチム
適応細菌の違い

とびひは子供に多い皮膚病で、その原因菌の多くは黄色ブドウ球菌です。

ゲンタシン軟膏の適応細菌

ゲンタマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属(肺炎球菌を除く)、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌

ゲンタシン軟膏添付文書より

ゲンタシン軟膏はブドウ球菌属以外の多くの細菌にも効果があります。

ゲンタシン軟膏は1970年に販売されて以来、多くの皮膚感染症に使われている「キングオブ抗生物質」です。

アクアチム軟膏の適応細菌

一方、アクアチム軟膏はゲンタシン軟膏と比較すると適応細菌が少ないです。

本剤に感性のブドウ球菌属、アクネ菌

アクアチム軟膏添付文書より

ブドウ球菌属がとびひの原因菌で、アクネ菌がニキビの原因菌ですね。

詳しくはこちらを参照しよう。

アクアチム軟膏/クリーム/ローション とびひに効果No.1はこれ!

アクアチムクリーム、ダラシンTゲルは古いニキビ薬? 効果と副作用 市販は?

ゲンタシンとアクアチム
効果の違い

ゲンタシンの効果

ゲンタシン軟膏/クリームの表在性皮膚感染症に対する効果(有効率)=82.8%

(「とびひ」に限定した効果のデータはなし)

表在性皮膚感染症とは
黄色ブドウ球菌などの細菌が傷などに侵入して炎症を起こす感染症の総称。

<例>

  • カミソリ負け(毛瘡:もうそう)
  • 化膿性皮膚炎
  • とびひ(伝染性膿痂疹)
  • 毛のう炎
  • 毛包炎

アクアチム軟膏の効果

アクアチム軟膏の毛包炎、とびひ・尋常性膿瘡に対する効果(有効率)は次の通りです。

病名 有効性
毛包炎 93.8%
とびひ・尋常性膿瘡 100%

100%とは恐れ入りましたね。

ナジフロキサシンの抗菌力の強さがうかがえます。

ゲンタシンとアクアチム
副作用の違い

ゲンタシン軟膏、アクアチム軟膏は、かゆみ、刺激感、赤みなどの副作用が起こる可能性があります。

しかし、副作用頻度は不明です。

副作用頻度が明確となる試験は実施されていないからです。

<参考>アクアチムクリームの副作用頻度

  • かゆみ:0.84%
  • 赤み:0.31%

ただし、同じ成分でもクリームは軟膏より副作用頻度が高い傾向にあります。

その理由はこちらを参照しよう。
塗り薬の軟膏とクリームの違いは基剤!吸収率、使用感で使い分ける

ゲンタシンとアクアチム
塗り方、使い方の違い

ゲンタシン軟膏とアクアチム軟膏は塗る回数が違いますが、基本的な塗り方(使い方)は同じです。

  • ゲンタシン軟膏:1日2~3回塗布
  • アクアチム軟膏:1日2回塗布

<塗り方、使い方>

  1. とびひ患部を清潔に保つため、入浴時は石鹸で洗う
  2. 膿が多い場合は膿をタオルなどでぬぐう
  3. 軟膏を使う手(指)を石鹸で洗う
  4. 水ぶくれをつぶさないように、軟膏を必要部分に適量塗る
    (とびひに少しかぶせるだけで十分な効果を発揮するため、ベタベタするまで塗る必要はない)

※ガーゼは医師の指示がない限り、とびひに使う必要はありません

とびひはどうせ広がるから、とびひが以外の皮膚全体に塗るいう方もいますが、耐性菌(特定の抗生物質に効かない細菌)の問題からとてもおすすめできません。

とびひ軟膏の使い方と耐性菌はこちらの記事を参照しよう。
とびひを悪化させるな!ゲンタシン軟膏の効果的な使い方はこうだ!

ゲンタシン軟膏とアクアチム軟膏は、とびひが出ている患部のみに限定して使うべきです。

もし、とびひが悪化して広がるようであれば、それは軟膏が効いていない可能性があります。

医師との相談が必要です。

ゲンタシンとアクアチム
薬価(薬の値段)の違い

最後にそれぞれの薬価(2018年)を確認してみましょう。

薬剤名 1本10gあたりの薬価
ゲンタシン軟膏 113円
アクアチム軟膏 345円

アクアチムは世界初のニューキノロン系抗菌剤の塗り薬というだけあって、薬価がゲンタシンの3倍します。

ゲンタシンが多くの皮膚病に使われる理由もわかる気がするのは私だけでしょうか?

とびひ塗り薬比較第2弾
とびひの塗り薬 抗生物質フシジンレオ軟膏 VS テラマイシン軟膏

まとめ

  1. 子供のとびひの原因菌は黄色ブドウ球菌が多くを占める
  2. ゲンタシン軟膏/クリームはゲンタマイシンを有効成分とするアミノグリコシド系抗生物質
    とびひにはゲンタシン軟膏の使用が多い
  3. アクアチム軟膏/クリーム/ローションはナジフロキサシンを有効成分とするニューキノロン系抗菌剤
    とびひにはアクアチム軟膏の使用が多い
  4. アクアチムクリーム/ローションはニキビに使う場合が多い
  5. ゲンタシン軟膏とアクアチム軟膏の効果の優越は不明
  6. ゲンタシン軟膏、アクアチム軟膏は、かゆみ、刺激感、赤みなどの副作用が起こる可能性がある