世界的にインフルエンザワクチンは、3価から4価へ移行しています。
アメリカのインフルエンザワクチンは、2013年-2014年シーズンから3価から4価に変更されました。
そして、日本でも平成27年度(2015年-2016年)からインフルエンザワクチンが3価から4価に変更になりました。
3価から4価へインフルエンザワクチンの変更で、3つの違いがあります。
- 免疫が付くウイルスの種類が3種類から4種類に増える
- 副作用(副反応)が起こる確率が増えるかもしれない
- 値段が上がる
ワクチンとは
ワクチンとは感染症の原因となるウイルスや細菌を精製・加工したもので、大きく2種類に分けられます。
生ワクチン | 病原性を弱めたワクチン | MRワクチン ムンプスワクチン 水疱瘡ワクチン |
---|---|---|
不活化ワクチン | 病原性を無くしたワクチン | インフルエンザワクチン ヒブワクチン 四種混合ワクチン 小児用肺炎球菌ワクチン |
『水疱瘡ワクチンと四種混合、MR、おたふく予防接種の同時接種』
ワクチンを接種すると、免疫を付けることができます。
免疫とは、特定の細菌やウイルスに対する抵抗力のことで、免疫が付くと同じ感染症にかかったときにすばやく免疫が働き、細菌やウイルスを体内から排除できます。
『インフルエンザワクチンは効果なし(効かない・意味ない)といわれる理由』
インフルエンザワクチンの3価4価の違い
ワクチンの3価4価とは、免疫が付く種類の単位です。
つまり、3価、4価…は、ワクチンを接種で細菌やウイルスに対して3種類、4種類…の免疫が付くということです。
日本のインフルエンザワクチンは、平成27年度から3価から4価に変更されています。
4価インフルエンザワクチンは、山形系統とビクトリア系統両方のB型が入っています。
平成30年度(2018-2019年)の4価インフルエンザワクチンの株
4価インフルエンザワクチンの株は、このように変更を重ねてきました。
平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 | |
---|---|---|---|---|
A型 | カリフォルニア/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09 | シンガポール/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09 | ||
スイス/9715293/2013(NIB-88)(H3N2) | 香港/4801/2014(X-263)(H3N2) | シンガポール/INFIMH-16-0019/2016(IVR-186)(H3N2) | ||
B型 | プーケット/3073/2013(山形系統) | |||
テキサス/2/2013(ビクトリア系統) | メリーランド/15/2016(NYMC BX-69A)(ビクトリア系統) |
4価インフルエンザワクチンは痛い、腫れる 【予防接種体験】
4価インフルエンザワクチン接種
2015年11月17日
「今年のインフルエンザワクチンは腫れるらしいよ」と医師に言われながら、インフルエンザHAワクチン「北里第一三共」を左腕に接種しました。
(接種料金3,500円)
『インフルエンザワクチンの種類(メーカー、バイアル、シリンジ、チロメサールの違い)』
確かに4価ワクチンは3価ワクチンより痛いです。かなりしみました。
予防接種7時間後 腫れる
予防接種部の腫れを確認。
毎年腫れるので、あまり気にしない。
予防接種40時間後 まだ腫れている
まだ、予防接種部の腫れはひかない。
4価インフルエンザワクチン接種後の腕の腫れがひどくなってきました。ジリジリする上に、肩のだるさがあります。
予防接種1週間後 腫れはおさまる
途中で風邪のような症状(微熱、喉の痛み、だるさ)が出ましたが、ようやく予防接種前の体調に戻りました。
4価インフルエンザワクチンは痛い、腫れるという事前情報がありましたが、私も例外なくその「痛い、腫れる」グループに入ってしまいました。
平成28年度(2016年-2017年)の4価インフルエンザワクチンは、少し赤くなっただけで、去年のようなひどい腫れは起こりませんでした。
体が3価から4価になれたのでしょうか?
『インフルエンザ予防接種の副作用(副反応)とワクチン接種後の注意』
フルミスト (鼻噴霧型インフルエンザワクチン)
フルミストはまだ日本では認可されていないインフルエンザワクチンですが、一部のクリニックで接種されています。
フルミスト開発中
フルミスト(Flumist Quadrivalent Vaccine)は鼻噴霧型のインフルエンザワクチンです。
アメリカでは4価インフルエンザワクチンの代わりに使われています。
(従来の注射型か鼻噴霧型かを選べる)
日本では2014年から治験が行われ、北里第一三共ワクチンが承認申請しています。
フルミストの効果
日本で治験中のフルミストもA型2種類、B型2種類の4価インフルエンザワクチンです。
フルミストのメリットは鼻に噴霧するため注射の痛みがなく、子供に使いやすいことです。
注射型インフルエンザワクチンの効果は子供(特に乳幼児)に対して弱いですが、フルミストは、子供(乳幼児)のインフルエンザ抗体の生成に有効と考えられています。
『妊婦、授乳中、赤ちゃん インフルエンザ予防接種(ワクチン)NGは誰?』
フルミストは推奨?非推奨?
CDC(疾病予防センター)は、2015年-2016年の2歳から17歳に、フルミストと従来の注射型4価インフルエンザワクチンを接種した場合
という衝撃的な結果を発表しました。
2016年-2017年においては、フルミストは接種すべきではないという姿勢でした。
しかし、2018年-2019年においては、2017-2018年のワクチンが2015年-2016年よりも効果を示したため、フルミストを推奨するとしています。
まとめ
- ○価とは、ワクチンの接種で、何種類の細菌やウイルスに対して免疫を得られるかを示す単位のこと
- 2015年-2016年シーズンからは、4価インフルエンザワクチンの接種で4種類のウイルスの免疫を獲得できる
- 4価インフルエンザワクチンは、腫れる人がやや多い印象がある
- 鼻噴霧型インフルエンザワクチン(フルミスト)が開発中
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