これだけは知っておきたい!塗り薬の使い方(量・回数・順番)

塗り薬
この記事は約7分で読めます。

当ブログはアフィリエイト広告を利用しています

たかが塗り薬と、塗り薬を軽視していませんか?

  • ステロイドは怖いから、薄くチョットだけにしておこう。
  • ニキビ薬はたくさん塗れば、効くんじゃないのないの?
  • 水虫薬は1日1回だと効かないから2回は塗らないとね。

 

すべて間違いです。

実は、塗り薬って凄くスゴく奥が深いのです。使い方の良し悪しで効果に大きな違いが表れるのです。

この記事を読めば、塗り薬の基本的な知識が身につきます。

さあ、始めましょう。

[塗り薬の基本]軟膏・クリーム・ローションの塗り方

手を洗う前に、直接塗り薬にさわっていませんか?

塗り薬の基本1
軟膏を使う前に、最初に手(特に指と爪)をキレイに洗う。

 

汚れた指でチューブの先端をさっていませんか?
塗り方の基本2
軟膏、クリームのチューブの先端はキレイに保つ。

 

頭に使うローションなど、ダイレクトに頭皮に塗っていませんか?
塗り方の基本2と同様の理由で、汚染される原因になります。

塗り方の基本3
軟膏、クリーム、ローションなどの先端を直接患部に付けない。
(指で取って使う)

 

塗り薬は均一全体にぬれていますか?

塗り方の基本4
軟膏は横に塗る。
(縦に塗るとしわに軟膏がたまることがあるため)

 

皮膚にすりこむべき薬を区別できていますか?
塗り方の基本5
保湿剤ヒルドイドビーソフテン)や尿素クリーム(ケラチナミンウレパール)は、しっかりとすりこむ。

あなたは間違っている!保湿剤の超定番ヒルドイドの正しい使い方

 

塗り方の基本6
ステロイドは薄く塗り広げる。

薬剤師が塗り薬の使用量の説明をしないわけ

薬剤師は薬の専門家です。

薬の知識がありますが、医師ではないため診察して症状を診ることができません。だから、添付文書(プロ向けの薬の説明書)が頼りなのです。

しかしながら、その添付文書には塗る量の記載がありません

ゆえに、塗り薬については「塗り薬はうすく広げて塗ってください」と、無難な説明にならざるをえないのです。

飲み薬の添付文書(量の決まりがある)

通常、成人にはスボレキサントとして1日1回20mgを、高齢者には1日1回15mg就寝直前に経口投与する。

ベルソムラ(睡眠薬)添付文書より

 

塗り薬の添付文書(量の決まりがない・あいまい)

通常1日1~数回適量を塗布する。なお、症状により適宜増減する

デルモベート軟膏/クリーム添付文書より

薬局でいう1日数回って何回なの?

また、塗り薬は「1日数回塗って下さいね」と薬剤師に言われることも多いと思います。

こんな頼りない説明になってしまうのは「薬剤師が塗り薬の使用量の説明をしないわけ」で説明した理由と同様で、添付文書に回数の記載がない薬が多いからです。

しかしながら、ステロイド・保湿剤・水虫薬など、ジャンル別に使用量・使用回数のルールがないわけではありません。

  • ステロイド:1日2~3回
  • プロトピック:1日1回~2回
  • 水虫薬:1日1回塗布
  • 保湿剤:1日2~3回
  • ニキビ薬:1日1回~2回

ステロイドの塗る量

ステロイドは、このように部位別に塗る量の目安(成人)があります。

塗る場所
顔、首 1.25g
腕から手まで(片側) 2g
太ももからつま先(片側) 4g
胸、腹 3.5g
背中 3.5g

 

 0.5g → 手のひら2枚分の面積

もし、頭からつま先まで全身に使うなら、25g(5gチューブ5本分)に相当します。

思ったよりたくさん塗ると思いませんでしたか?

ほとんどの方のステロイドの塗布量は、目安の半分以下程度です。薄すぎてステロイドは十分に効果を発揮しません。

ステロイドが怖い!ヒルドイドやワセリンで薄めると強さも弱くなる?

ステロイドの量の測り方

先端口径5mmのチューブから、人差し指の第1関節から先端まで絞りだしたときの量。これが約0.5gになり、1FTP(フィンガーティップユニット)といいます。

キンダベート軟膏の第1関節から人差し指の先端までの量(1FTP)

 

1FTP=0.5g→手のひら2枚分の面積に使う

 

しかしながら、実際は軟膏の種類によってチューブの先端口径の大きさが違い(先端口径5mmのチューブが忘れ去られていることが多い)、第1関節から先端まで絞り出した時の量が0.5gとは言い切れません。

軟膏の口径説明

1本5g~25gの塗り薬。
チューブ先端の大きさ(太さ)に注目

 

例えば、キンダベート(ステロイド)の先端口径は約3mm(ほとんどのステロイドが約3mm)で、第1関節から人差し指の先端(私の指で25mm)まで絞りだした量は0.24gです。

1FTU0.5gの半分でした。

つまり、ステロイドは指2本分で0.5gはかりとれることがわかります。

キンダベート軟膏の0.5g(第1関節から人差し指の先端まで2本分)

 

※5gチューブのステロイドを数本試し、平均すると約0.1g/軟膏1cmになりました。

ステロイドの量をまとめるとこうです。

部位(塗る場所) 指上の本数
顔、首 1.25g 5本
腕から手まで(片側) 2g 8本
太ももからつま先(片側) 4g 16本
胸、腹 3.5g 14本
背中 3.5g 14本

 

<補足>ヒルドイドソフト軟膏(先端口径約5mm)の1FTUは?

ヒルドイドソフト軟膏を第1関節から人差し指の先端までの量(1FTP)

1本25gのヒルドイドソフト軟膏(先端口径約5mm)は0.51gでした。

イルカ薬剤師
イルカ薬剤師

やっぱり、チューブの口径5mmという条件が重要なんだね!

ヒルドイド(保湿剤)の塗る量

ヒルドイドの塗る量の目安は、塗ったところにティッシュが貼りつく量(ちょっと塗り過ぎたかなと思えるくらいの量)です。

ヒルドイドを塗った後にティッシュが貼りついている

出典:マルホHP

 

ヒルドイド(保湿剤)は量が少なすぎると期待した効果が得られません。

軟膏・クリーム・ローションなどいろいろありますが、同じ量を使わないと同じ効果は得られません。(ローションはよくのびるため、うすく使いがち)

また、1日1回より1日2回塗った方が効果が高いことがわかっています。

ヒルドイドの塗る量と回数と効果

ヒルドイドローションの効能効果はコレ!だから顔もぷるっぷるに

塗り薬の塗る順番

2種類以上の薬を同じ場所に塗ることは珍しくありません。

例えば、保湿剤とステロイドです。

どちらを先に塗ればよいのでしょうか?

保湿剤とステロイドの塗る順番のルールはありませんどの順番で塗っても、効果に違いが出たというデータもありません。

しかしながら、先に保湿剤、後にステロイドを塗るのが合理的だと考えられます。

その理由はこうです。

ステロイドは炎症部分に部分的に使い、保湿剤は皮膚全体に使います。

塗る場所が限定されているステロイドを先に塗布すると、保湿剤を塗る際(重ねる際)に、関係のない部分にステロイドをぬり広げてしまうからです。

皮膚科の混合軟膏の不思議 塗り薬の使用期限と保存のルールはある?

塗り薬はこのタイミングで使おう

水虫薬(抗真菌薬)

水虫薬は、入浴後乾燥させた後に塗布するのが最も効果的です。

なぜなら、入浴後は皮膚が柔らかくなり、薬が浸透しやすいからです。

特に足の裏は皮膚が分厚いため、通常の状態ではなかなか薬は皮膚奥部へ浸透しません。

ルリコンクリーム/軟膏/液 水虫塗り薬の効果的な塗り方 5つのキーワード

保湿剤 (ヒルドイド、ビーソフテン、プロペトなど)

保湿剤は入浴後すぐと朝にぬると効果的です。

入浴後は、皮膚は普段より水分を多く含んでいるからです。

塗り忘れたときは、思い出したときにできるだけ早くすり込みます。

入浴1分後と60分後の保湿効果の関係

入浴1分後と60分後の保湿効果のグラフ

出典:マルホHP

 

発表!ヒルドイドの順番 化粧水/乳液/ニキビ薬/ステロイド

ニキビ薬 (ディフェリン、ベピオ、デュアック)

ニキビ薬は洗顔して、化粧水や乳液で保湿してから塗ります。

ニキビケアの順番(ベピオ/ディフェリン/デュアック/エピデュオ/ヒルドイド/化粧水/乳液/日焼け止め)

まとめ

ブログキャラのイルカ

塗り薬は種類が多いから、塗り方・回数・順番は一般化しづらいんだ。

でも、ジャンル別(水虫薬、ステロイド、保湿剤…)に分けると、ある程度基本的なルールがあるんだね。

どのジャンルの塗り薬も、正しい塗り方を守らないと期待した効果を得られないよ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました