モーラステープを貼ったところに紫外線があたった場合、光線過敏症(光接触皮膚炎)を起こすことがあります。
このことは、モーラステープの湿布袋の裏側にも書かれています。
そのため、「モーラステープ=光線過敏症に注意すべき湿布」と、頭にインプットされていることと思います。
しかし、肩、首、腰、膝、肘の痛みにモーラステープが圧倒的に使われているため、モーラステープの光線過敏症が目立つだけで、光線過敏症を起こす湿布は他にもあります。
光線過敏症とは
これが光線過敏症です。
出典:久光製薬資料
湿布を貼ったところに紫外線(UVA)を浴びると、湿布を貼ったところに沿って赤くなり、かぶれ・かゆみ・痛みの症状が出ることがあります。
そして、皮膚が2倍くらいにパンパンに腫れ上がるときもあります。
光線過敏症を起こす湿布の代表格がモーラステープです。
『警告 モーラステープに紫外線をあてるな!光線過敏症になるぞ』
モーラステープ以外は光線過敏症を起こさない?
先に解説したとおり、モーラステープは肩、首、腰、膝、肘の痛みによく使われているため、モーラステープの光線過敏症が目立ちます。
しかし、光線過敏症を起こす原因となる成分はケトプロフェンであるため、(←実は他にもあります。後で解説しています)それを含む湿布、ゲル、クリームは光線過敏症に注意しなくてはなりません。
<ケトプロフェンを含む製剤>
- セクター(クリーム/ゲル/ローション/湿布)
- ミルタックス(湿布)
- エパテック(ゲル/クリーム/ローション)
- ケトプロフェン(湿布)
- タッチロン(湿布)
『モーラス・ロキソニン・ボルタレン・ミルタックス一番効く湿布はどれ?』
光線過敏症を起こす成分
光線過敏症を起こす成分はケトプロフェンに限りません。
- インドメタシン
- フルルビプロフェン
- フェルビナク
(記事の最後に、これらの成分を含む湿布をリストアップしています)
意外にも、インドメタシンはケトプロフェンに匹敵するくらいの頻度で光線過敏症を起こします。
処方日から2カ月以内に光線過敏症と診断された件数と発現率
(2005年1月から2008年12月)
サンプル数 | 光線過敏症 (件数) |
光線過敏症 (発現率) |
|
---|---|---|---|
インドメタシン | 20338 | 11 | 0.054% |
ケトプロフェン | 65897 | 35 | 0.053% |
フルルビプロフェン | 32893 | 10 | 0.030% |
フェルビナク | 50975 | 11 | 0.022% |
(医薬品・医療機器等安全性情報No.276より)
光線過敏症の発現率は100万人あたり0.6人~12.4人です。
この結果からわかることは次の2点です。
- インドメタシンとケトプロフェンを含む湿布は、光線過敏症を起こす頻度がやや高い
- フルルビプロフェン、フェルビナクを含む湿布は、インドメタシンとケトプロフェンほどではないが、同様に光線過敏症を起こす可能性がある
ロキソニンテープやボルタレンテープはリストアップされていませんが、光線過敏症を起こす可能性は0ではありません。
『ロキソニンテープは肩こり腰痛に効かない 貼りすぎるとかぶれるだけ』
『湿布貼りすぎ!?ボルタレンテープ市販と病院用は1日何枚まで?』
光線過敏症に要注意湿布
光線過敏症に注意すべき湿布は、モーラステープに限らないことがわかったと思います。
- インドメタシン
- フルルビプロフェン
- フェルビナク
これらの成分を含む湿布をリストアップするとこうです。
湿布名 | 成分名 |
---|---|
イドメシンコーワパップ | インドメタシン |
インテナース | |
カトレップ | |
ハップスターID | |
ラクティオンパップ | |
アドフィードパップ | フルルビプロフェン |
ゼポラス | |
フルルバン | |
ヤクバンテープ | |
(ロコアテープ)※ | |
セルタッチ | フェルビナク |
フェルナビオン |
※ロコアテープの成分:エスフルルビプロフェン
『ロコアテープを使ったら最強だった!でも副作用と使い方に気を付けて』
これらの湿布を使うときは、直射紫外線にあたらないように注意が必要です。
まとめ
- 光線過敏症は湿布を貼ったところに紫外線(UVA)があたって起こる湿布かぶれ。
- 光線過敏症を起こす原因となる成分はケトプロフェン。
- 光線過敏症を起こす湿布の代表格がモーラステープ。
- 光線過敏症に注意すべき湿布は、モーラステープに限らない。
- インドメタシン、フルルビプロフェン、フェルビナクを成分とする湿布も光線過敏症に注意。
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