認知症の種類にもよりますが、そもそもの原因は次の4つが有力です。
- 加齢
- 遺伝
- 血管
(糖尿病、高コレステロール血症、高血圧、喫煙) - 生活習慣
(食事、運動、飲酒)
加齢と遺伝は今のところどうしようもありませんが、血管・生活習慣における認知症予防法の研究はすすんでいます。
現在、有力視されている認知症予防法は3つです。
- ゲームで予防
認知症で落ちる能力を鍛える - 運動で予防
認知症になりにくい生活習慣を行う - 食事で食事
認知症になりにくい食習慣を行う
ゲーム、運動、食事。
3つの認知症予防法を検証したいと思います。
認知症予防1 ゲームの効果
ゲームと脳トレゲーム
脳トレと言っても、ブームになったあの脳トレゲームではありません。
- ニンテンドーDSのゲーム「脳トレ」
- パズルゲーム「ぷよぷよ」「テトリス」
- ブロック崩しゲーム「アルカロイド」など
(若い人は知りませんよね。スミマセン)
脳トレゲームは、計算力・記憶力・判断力の能力向上を期待できます。
しかし、各能力の向上と認知症予防は別の問題です。
(ドラえもんの声として知られる大山のぶ代さんも脳トレゲームが得意だったそうですが、2012年に認知症と診断されています)
認知症予防効果が期待できるゲームとは
ひとりで行う計算ドリルは脳トレゲームと同じですが、相手を必要とするゲームは認知症を予防する効果が期待できます。
- トランプ
- 将棋
- オセロ
- 麻雀
- 囲碁
- かるた
なぜなら、
相手を必要とするゲームは常に勝敗があります。
相手の顔色をうかがったり、裏を読む必要があるため、ゲームとはいえ状況に応じた対応が必要で、状況に応じた思考は脳を刺激するからです。
人とのコミュニケーションは最良の認知症予防薬
相手の話を聞き、内容を理解し、的確な答えを返す。
他人とのコミュニケーションは、脳に刺激を与え続け、認知症の予防効果が期待できます。
定年退職すると物忘れがひどくなるといわれるのは、他人とのコミュニケーションが希薄になるからです。
認知症予防2 運動の効果
運動の認知症予防効果
運動が認知症を予防する決定的な証拠は、まだ見つかっていません。
しかし、運動は血圧・血糖値・コレステロールの上昇を抑えて全身の血流を改善します。
運動をすると脳の血流もよくなるため、記憶力の低下を抑制し、認知症の発症を少なくすると考えられています。
運動は間接的に認知症予防効果を発揮するという研究結果もあります。
認知症予防に最適な運動負荷
筋トレのような強い負荷がかかる運動では、認知症を予防できません。
認知症を予防するためには、有酸素運動のような歩行よりやや負荷のある運動の繰り返しが有効です。
認知症予防に最適な運動時間
週1回のまとめて長時間の運動をするよりも、30分くらいの短時間の運動を繰り返すほうが認知症が予防できます。
認知症予防には、毎日の運動が欠かせません。
認知症の予防に効果のある運動の頻度
認知症予防に効果のある運動の頻度はまだわかっていませんが、ヒントとなる認知症予防の研究結果を紹介します。
運動比較研究(ローリンの研究)
A群 | まったく運動しない |
B群 | 週に3回以上ウォーキング程度の運動をする |
C群 | 週に3回以上早歩き程度の運動をする |
A群の認知症発症危険度を1とすると、B群では0.67、C群では0.5の危険度だった。
以上のことから、週に3回以上の運動頻度がひとつの基準となりそうです。
認知症予防 食事の効果
食事と認知症予防についてもさまざまな研究があります。
食事の研究結果を総合的に観察すると、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病にならないための食事が、そのまま認知症予防に効果がありそうです。
生活習慣病予防の食事とは、どのような食事でしょうか?
一般的に言われているのは日本食(和食)です。
ただし、日本食の中には味噌汁など塩分が高い食事も含まれます。
認知症予防のための食事は【日本食 - 塩分】がベストです。
EPA、DHAで認知症予防
「魚をたくさん食べると頭がよくなる」と言われますが、認知機能の向上効果や認知症予防効果は立証されていません。
しかし、血液の質とEPA(エイコサぺンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)の関連性が指摘されています。
魚に含まれるEPAとDHAは2つの効果が確認され、2種類の医薬品に応用されています。
- 血液をサラサラにする効果
- 中性脂肪を燃やす効果
エパデール(EPA)
ロトリガ(EPA+DHA)
まぐろ、サバ、ブリ、サンマ、うなぎ、いわし、さけ、アジ
EPA、DHAの血液サラサラ効果
魚に多く含まれるEPAとDHAは、血液をサラサラにする作用があります。
血がサラサラになると血栓ができにくくなります。
EPA、DHAを多く含む食事で脳梗塞や心筋梗塞を予防できれば、間接的に認知症を予防できます。
EPA、DHAの中性脂肪を減らす効果
EPAとDHAは、中性脂肪を減らす作用もあります。
中性脂肪が減ると、血栓を作り脳梗塞や心筋梗塞になるリスクが下がります。
中性脂肪が減る食事を続けることで、間接的に認知症が予防できます。
認知症予防効果をうたう食事
- 大豆(レシチン)の乳化作用
- 緑黄色野菜、果物(ビタミンC、ビタミンE)の抗酸化作用
- 牛乳
- コーヒー
- 緑茶
- 少量のアルコールなど
ネットで「認知症予防 食事」と検索すれば、認知症を予防する食事(食材)は山のように出てきます。
しかし、これらの食事(食材)が「認知症の予防に効果がある」という研究結果がないわけではありませんが、半ば強引なこじ付けもあります。
これらの食事(食材)を否定する訳ではありませんが、
これらの食事(食材)は「認知症を予防できる可能性がある」という受け止め方が今のところは適切でしょう。
これらの食事(食材)を偏って食べるのではなく、まんべんなく食べる食事パターンこそが、認知症の予防につながるはずです。
まとめ
- ゲームで認知症予防
- 脳トレゲームは、計算力、記憶力、判断力そのものの能力が上ることは実証されてるが、認知症の予防効果はほぼない
- 相手を必要とするゲームは認知症の予防効果が期待できる
- 運動で認知症予防
- 週に3回以上1回30分程度の有酸素運動は、認知症を予防できるかもしれない
- 食事で認知症予防
- 【日本食 ー 塩分】の食事がベスト
- ネット上にある認知症予防食の情報には隔たりがある。
まんべんなく栄養をとる食事を心がける
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