ヒルドイドローションは、ネットや美容愛好家の間では化粧水や乳液扱いです。
- 化粧水・乳液の代わりに使っている。
- 化粧水(乳液)よりも効果がある。
- 化粧水(乳液)より安いので、たっぷり顔に使える。
確かに顔にヒルドイドローションを塗ると、保湿効果で顔がぷるっぷるになります。
しかし、ヒルドイドローションは美容化粧水、乳液ではなく保湿剤です。
化粧品代わりに使っても、期待した美容効果は得られません。
その理由を美容液と比較して解説します。
保湿剤ヒルドイドローションの成分
ヒルドイドローションは主成分と添加物からできています。
ヒルドイドローションの主成分
ヒルドイドローションの主成分はヘパリン類似物質です。
ヘパリンは血を固まりにくくする働きがあり、そのヘパリンと似た作用(構造)を持つ物質をヘパリン類似物質といいます。
ヒルドイドローションの添加物
添加物とは、薬の主成分以外に使われている成分(油性成分、水性成分、安定剤、保存剤、乳化剤)のことです。
添加物の中でも主成分を溶かしこむ受け皿のようなモノを基剤といいます。
ヒルドイドローションの添加物
- グリセリン、白色ワセリン
- スクワラン、セタノール
- 還元ラノリン、セトマクロゴール1000
- モノステアリン酸グリセリン
- パラオキシ安息香酸エチル
- パラオキシ安息香酸プロピル
- カルボキシビニルポリマー
- ジイソプロパノールアミン
実は、ヒルドイドローションの主成分はたったの0.3%で、残りの99.7%は添加物だよ。
ヒルドイドの塗り心地や安定性を決めるのは添加物ですので、添加物は主成分と同じくらい重要です。
美容化粧水の成分
製薬会社が作っている美容化粧水「トランシーノ 薬用ホワイトニングクリアミルク」を例に挙げて、ヒルドイドローションの主成分と添加物を比較してみましょう。
美容化粧水の主成分
美容化粧水トランシーノの主成分はトラネキサム酸です。
トラネキサム酸は、病院ではシミ・肝斑(かんぱん)を美白化する成分として美容皮膚科を中心に使われています。
トランシーノは肌から美容成分を吸収させることで、美白をめざす化粧水です。
美容化粧水の添加物
化粧水は添加物にうるおい成分(保湿を助ける成分)を使っていることが多く、トランシーノではヒメフロエキスをうるおい成分として加えています。
美容化粧水トランシーノの添加物
ヒメフウロエキス、トレハロース硫酸Na、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン液、水、グリセリン、ジグリセリン、α-オレフィンオリゴマー、他
ヒルドイドローションは美容化粧水・乳液代わりに使えない
美容効果をうたったブランドの化粧水、乳液は高価で量も少ないです。先に比較した美容化粧水トランシーノは、120mLで3888円(定価)します。
一方、ヒルドイドの2018年薬価(薬の価格)は22.2円/gです。
1本(25g)で約550円ですが、健康保険が使えるため1本約180円(3割負担)です。
『ヒルドイドの美容使用はダメ!処方上限超・保険適用外になったら?』
圧倒的な価格差があるため、ヒルドイドローションを美容化粧水、乳液代わりに使いたい気持ちはわかります。あれだけネットで美容効果をあおられれば…。
- 化粧水の代わりに顔に使っている。
- 化粧水よりも顔に効果がある(うるおう)。
- 化粧水より安いので、たっぷり顔に使える。
確かに顔にヒルドイドローションを塗ると、保湿効果で顔がぷるっぷるになります。
『ヒルドイドローションの効能効果はコレ!だから顔もぷるっぷるに』
しかしながら、ヒルドイドローションは医薬品であり化粧品ではありません。美容成分はゼロで、期待するような美容効果はありません。
反対に化粧水の代わりになるならば、あの高価な化粧水はいったい何なのでしょうか?)
『ヒルドイドローションで顔にうるおい100%!使い方をホンキで解説』
ヒルドイドローションと化粧水・乳液の順番
よくある質問が「ヒルドイドローションと化粧水を同時に使っていい?」です。
この答えは、当然Yesです。
洗顔後、ヒルドイドローションと化粧水、乳液などの基礎化粧品をどの順番に使うかも悩ましい問題です。
洗顔から化粧までの正しい順番は次の通りです。
- クレンジング&洗顔
- 化粧水
- 乳液
- ヒルドイドローション
- 化粧下地
- 化粧(メイク)
『ヒルドイドローションはニキビ薬の前に使おう!化粧水との順番はこう』
まとめ
ヒルドイドローションは美容乳液ではなく保湿剤なんだ。
なぜなら、ヒルドイドローションにはトランシーノのように美容成分は入っていないからだよ。
だから、ヒルドイドは美容化粧水代わりには使えないよ。
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