ヒルドイドの値段 処方制限から保険適用外になったらどうなる?

スポンサーリンク

ヒルドイドは有名な保湿剤です。

しかし、ネットの世界では「アンチエンジングクリーム」「美容クリーム」「化粧水」「乳液」…と堂々と紹介されています。

さらに、Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSでは、ヒルドイドの写真が大量にアップされ、美容目的に使っている人は相当数いることもわかります。

  • 化粧水や乳液の代わりに顔に使っている
  • 化粧水(乳液)よりも顔に効果がある(うるおう)
  • 化粧水(乳液)より安いので、たっぷり顔に使える
  • 美容クリームよりも効果がある
  • 肌が若返る効果がある
  • 美容効果がある
  • ニキビ跡やシミにも効果がある

健康保険連合会(医療費適正化、医療保険制度などの充実をはかる組織)はヒルドイドの美容目的使用を問題視しています。

近い将来、ヒルドイドは使い方によっては保険適用外(健康保険が使えない)になるかもしれません。

スポンサーリンク

ヒルドイドの値段

ヒルドイドは、ソフト軟膏、ローション、クリーム、ゲルの4種類が発売されています。

ヒルドイドゲル、クリーム、ソフト軟膏、ローション

※ヒルドイドクリームは20g→25gチューブに変更(2017年10月)

※ヒルドイドフォーム(泡スプレー)が2018年9月に発売!

ヒルドイドフォーム発売決定!薬価と泡スプレーの使用感はこう

ヒルドイドの中でも、ヒルドイドソフト軟膏とローションは「美容クリーム」「乳液」「化粧水」の代わりとして保険適用外使用が後を絶ちません。

ヒルドイドローションの効能効果はコレ!美容化粧水・乳液代わりにしないでね

ヒルドイドとそのジェネリック薬の値段をまとめるとこのとおりです。

(左)ヒルドイド (右)ジェネリック

ヒルドイドソフト軟膏 ヘパリン類似物質油性クリーム
ヒルドイドソフト軟膏 ビーソフテン油性クリーム (ヘパリン類似物質油性クリーム)
1本の値段:約600円 1本の値段:約225円
ヒルドイドクリーム ビーソフテンクリーム
ヒルドイドクリーム25g ビーソフテンクリーム (ヘパリン類似物質クリーム)
1本の値段:約600円 1本の値段:約225円
ヒルドイドローション ビーソフテンローション
ヒルドイドローション ビーソフテンローション(ヘパリン類似物質ローション)
1本の値段:約600円 1本の値段:約225円
ヒルドイドなし ヘパリン類似物質外用スプレー
ヘパリン類似物質外用泡状スプレー
先発なし ヘパリン類似物質外用スプレーとヘパリン類似物質外用泡状スプレー
1本の値段:1650円
ヒルドイドゲル ビーソフテンゲル
ヒルドイドゲル ビーソフテンゲル (ヘパリン類似物質ゲル)
1本の値段:340円 1本の値段:約158円

ヒルドイドソフト軟膏(ローション)の薬価(薬の値段)は23.7円/gですので、1本(25g)約600円。

健康保険を使うと1本約180円(3割負担)です。

ただし、ヒルドイドを健康保険を使える形で使うならばです。

ヒルドイドの処方量上限(制限)

ヒルドイドを「化粧水や乳液の代わりに」という発想は昔からあり、処方量の上限(制限)があります。

例えば、某有名病院小児科の処方がヒルドイドのみ返戻(へんれい)を受けました。
(大阪府)

ヒルドイドソフト軟膏 150g 体
ビーソフテンローション 300g 体

返戻とは

健康保険に請求後、審査で落ちて医療機関に請求が差し戻されること
(健康保険から保険分の薬代が支払われない。何らかの理由で保険適用外を意味する)

ただし、この処方が毎回返戻を受けるわけではありません。検査員、処方内容、診療科目、処方回数、処方量などで違います。

健康保険で使えるヒルドイドは何本(何g)までという上限が月単位であるようです。
(さらにつっこむと、何本までという上限は都道府県によって違う!)

そのためか、ヒルドイドのジェネリックであるビーソフテン(←こちらはまだ処方量制限がゆるい)にシフトしている印象があります。

ビーソフテンローションを化粧水代わりに使うと 美容効果で顔がぷるん?

ヒルドイドとワセリンの混合処方は、処方量の上限対策では有名です。

ただし、混合する目的は上限対策だけではありません。

こちらの記事で解説しています。
乾燥肌にヒルドイド、白色ワセリン(プロペト)、混合薬 どれを選ぶ?

ヒルドイド処方の実態と問題

ヒルドイドを含むヘパリン類似物質の単独処方が、皮膚乾燥症に使用されている金額は、年間約93億円と分析されています。

健康保険組合連合会はヒルドイドなどの保湿剤処方の実態と問題を整理し、2017年10月に政策提言を行いました。

実態と問題の詳細は「政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究3」の保湿剤処方のあり方(P76~)です。

(本記事はこれらの調査研究結果のデータを引用します)

ヒルドイド処方の問題1
美容目的によるヒルドイド処方の流行

美容に関心の高い女性の間で、皮膚科等に受診し「乾燥肌(皮脂欠乏症)」等の訴えにより「ヒルドイド」(各種タイプ、後発品含む)を化粧品代わりに処方してもらうことが流行している可能性が高い

ヒルドイドの美容効果(誤った知識)がSNSなどで拡散し、ヒルドイドの美容目的処方が若い女性を中心に流行を裏付けるデータがあります。

保湿剤のみ処方における性・年齢階級別の構成割合

ヒルドイドの年齢別処方割合

(20歳~49歳までの処方金額ベースでは、女性は男性の約5倍

通常、皮膚スキンケアは加齢とともに必要になってきます。

男性の場合、それが顕著に表れています。

一方、女性の場合、20代から急増して50代以降になると減っています。

これは美容に関心の高い年代の女性が、ヒルドイドを保険適用外で使っている可能性が高いということです。

これがヒルドイドの正しい効果!
ヒルドイドの保湿効果は凄すぎる!さらに傷跡、ケロイド、しもやけにも

ヒルドイド処方の問題2
アトピーではなく乾燥肌に使用

本来、ヒルドイドなどの保湿剤は、アトピーなどスキンケアが必須である病気に使われるべきです。

ステロイドが怖い!? ヒルドイド/ワセリンで薄めると強さも弱くなる?

しかし、ヒルドイドの使用目的の半分以上は皮脂欠乏症です。
(皮脂欠乏症とは、皮膚の油分が失われて角質内の水分量が減った乾燥肌状態

ヒルドイドの使われ方

これがヒルドイドの正しい使い方!
ヒルドイドの使い方 赤ちゃんみたいなプルプル肌になる7つのヒント

ヒルドイド処方と健康保険

ヒルドイドが美容目的で使われる理由のひとつは、

医師にうまいこと言えば健康保険が使えるため、自己負担が抑えられるからです。
(ヒルドイド処方を指定する困ったちゃんもいるらしい)

しかし、本来ならば、美容目的の薬は保険適用外で自費が原則です。

美容皮膚科のシナールトランサミン美白使用(保険適用外)のようにです。

シナール(ビタミンC)の美白効果でシミ、紫外線対策

肝斑薬トランサミンの美白効果 市販薬も解説

ヒルドイド処方の保険適用外検討

  1. 皮膚乾燥症に対して保湿剤(ヘパリン類似物質または白色ワセリン)が他の外皮用薬または抗ヒスタミン薬と同時処方されていない場合には当該保湿剤を保険適用から除外する。
  2. 中長期的には、海外の保険収載の状況や一般用医薬品の流通の状況等を踏まえ、保湿剤の処方そのものを保険適用外とすることも検討すべきである

健康保険組合連合会の政策提言より

まとめると

ヒルドイドなどの保湿剤の美容目的使用はけしからん。ヒルドイドの単独処方はあやしいから保険適用外にすべきだ

ということです。

美容志向もいいですが、健康保険のあり方と使い方を考え直すときです。

さもないと、本来必要とする方がヒルドイドを使えなるかもしれません。

ヒルドイドは保険適用外?いつから?

西暦の偶数月の4月は診療報酬の算定ルールが改定される年です。

2016年4月は湿布の大量処方が問題視され、湿布の処方は1回につき原則70枚までという処方制限が設けられました。

診療報酬改定とヒルドイドの保険適用外処方を一緒にするのはナンセンスですが、区切りのいいところでバサっと改革されます。

ヒルドイド問題が終息しない場合、2018年4月から、ヒルドイドは使い方によっては健康保険適応から除外され、大量の返戻を受けるかもしれませんね。

<2018年1月追記>

「厚生労働省が診療報酬審査支払機関に対し、ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の不適切な処方がないか審査の強化を求める」と決定

「ヒルドイドの美容目的使用は保険適用外」と明確化

これがヒルドイドのすべて
ヒルドイドの使い方を知るための7つの真実(効果/副作用/ニキビ/順番/顔…)

まとめ

  1. ヒルドイドの「美容クリーム」「乳液」「化粧水」の代わりとして美容使用はダメ
  2. ヒルドイドには処方量制限(処方量の上限)がある
  3. ヒルドイドの美容目的処方が問題視されている。
    使い方によっては健康保険適応から除外される