妊婦(妊娠中)、授乳中、赤ちゃん。
インフルエンザ予防接種ができないのは誰でしょうか?
妊婦さんは赤ちゃんのことを一番に考えるため、インフルエンザの予防接種は敬遠されているようです。
次に、授乳中の方は積極的にインフルエンザ予防接種をしているようです。
最後に、赤ちゃんはどうでしょうか?
インフルエンザ予防接種と妊婦
「インフルエンザと妊婦」はネット上にさまざまが書き込みがあり、何が正しくて何が間違いかの判断に困ると思います。それを整理します。
インフルエンザ予防接種は妊婦推奨
インフルエンザは薬を飲まなくても、1週間程度で自然に治ります。
しかし、インフルエンザを発症した場合、重症化したり肺炎などの合併症を引き起こす可能性が高いグループがあります。
- 慢性呼吸器疾患
- 慢性心疾患
- 糖尿病などの代謝性疾患
- 腎機能障害
- ステロイド内服などによる免疫機能不全
- 乳幼児
- 65歳以上の高齢者
- 妊婦
インフルエンザの流行期間を通して、予防効果が確認されているのはインフルエンザワクチンだけです。
インフルエンザ予防接種に使われているワクチンは不活化ワクチンで、妊婦や赤ちゃんへの影響が極めて低いです。
CDC(疾病予防センター)も妊婦のインフルエンザ予防接種をすすめています。
『妊婦必見!妊娠中の薬服用不安と心配を解くヒント その薬飲んで大丈夫?』
インフルエンザ予防接種後の妊婦の副作用(副反応)
インフルエンザ予防接種後に、まれに接種部の腫れ、赤み、発熱、だるさなどの副作用があり、これらの症状は副反応と言われています。
インフルエンザ予防接種の副作用(副反応)は個人差があります。
インフルエンザ予防接種後に、妊婦に特別な副作用(副反応)があったという報告はありません。
『インフルエンザ予防接種の副作用(副反応)とワクチン接種後の注意』
チメロサ ールと妊婦
チメロサールはインフルエンザ予防接種の防腐剤として使われている成分です。
過去に赤ちゃんと発達障害の関連性が指摘されましたが、現在関連性は否定されています。
『インフルエンザワクチンの種類(メーカー、バイアル、シリンジ、チロメサールの違い)』
妊婦のインフルエンザ予防接種の現状
インフルエンザワクチンを妊婦が使っても、赤ちゃんへの影響はほとんどありません。
妊娠中の接種に関する安全性は確立していないので、妊婦または妊娠している可能性のある婦人には予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種する。
なお、小規模ながら、接種により先天異常の発生率は自然発生率より高くならないとする報告がある
しかしながら、妊婦に対するインフルエンザワクチンの予防接種の考え方は、医師や医療機関によってさまざまです。
- 妊婦にはインフルエンザワクチンの予防接種は行わない
- 妊娠中期(妊娠16週から27週)以降の妊婦にはインフルエンザ予防接種を推奨する
- 妊娠後期(妊娠28週以降)以降の妊婦にはインフルエンザ予防接種を推奨する
日本では、妊娠初期(妊娠15週まで)の妊婦は、インフルエンザ予防接種を控える傾向にあるようです。
インフルエンザ予防接種と授乳
授乳するとインフルエンザがうつるという方もいますが、授乳そのものではインフルエンザは感染しません。
授乳中のインフルエンザ予防接種で気になることは「インフルエンザ予防接種後、授乳が赤ちゃんに影響しないか」です。
『授乳中に飲める薬(風邪薬、花粉症薬、インフルエンザ、喘息、うつ)』
インフルエンザ予防接種に使われているワクチンは不活化ワクチンでしたね。
不活化ワクチンは、生ワクチンと異なり体内で細菌やウイルスは増殖しません。
そのため、授乳中にインフルエンザ予防接種をしても、授乳そのものが赤ちゃんに影響を与えることはありません。
インフルエンザ予防接種と赤ちゃん
6カ月未満の赤ちゃんはインフルエンザ予防接種のワクチンが使えません。
インフルエンザワクチンの接種量及び接種回数は、月齢と年齢で決まっているからです。
– | 1回の摂取用量 (mL) |
摂取回数 |
---|---|---|
6カ月以上3歳未満 | 0.25 | 2 |
3歳以上13歳未満 | 0.5 | 2 |
13歳以上 | 0.5 | 1 |
赤ちゃんがインフルエンザ予防接種NGの理由1
インフルエンザワクチンの接種量及び接種回数の表をもう一度見てください。
13歳未満は摂取回数2回です。
子供がインフルエンザ予防接種を2回しなくてはならない理由は、子供はワクチンで免疫を獲得する力が弱いからです。
それが赤ちゃんであれば、さらに免疫を獲得する力が弱いです。
医師や医療機関で意見は分かれますが、「1歳未満の赤ちゃんのインフルエンザ予防接種は行っていない」という病院は意外と多くあります。
『インフルエンザワクチンは効果なし(効かない・意味ない)といわれる理由 料金は?』
赤ちゃんがインフルエンザ予防接種NGの理由2
本剤の成分または鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対して、アレルギーを呈するおそれのある者
ビケンHA(インフルエンザワクチン)の添付文書より
インフルエンザワクチンには卵の成分が含まれています。
赤ちゃんは卵を食べる機会がないため、卵のアレルギーの確認が不十分で、アレルギーを起こす可能性があります。
『インフルエンザワクチン3価4価の違い フルミスト(鼻ワクチン)はどう?』
まとめ
- インフルエンザ予防接種に使われているワクチンは不活化ワクチンで、妊婦や赤ちゃんへの影響が極めて低い
- CDC(疾病予防センター)は、妊婦へのインフルエンザ予防接種をすすめている
- (日本では)妊娠初期は、妊婦のインフルエンザワクチン接種を控える傾向
- 6カ月未満の赤ちゃんは、インフルエンザ予防接種のワクチンNG
- 授乳中のインフルエンザ予防接種は、赤ちゃんにインフルエンザをうつさないためにも大事
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