ホクナリンテープは使い方が簡単であるため、子供の咳に中心に使われています。
- 咳が出たときに貼ればすぐに効く
- 風邪の咳によく効く
- 子供の咳止めシール
ホクナリンテープは誤解の多い貼り薬です。上の例は全てまちがいです。
誤解が多いため期待は裏切られ、「ホクナリンテープは効かない」というレッテルを貼られます。
ホクナリンテープとは
ホクナリンテープの主成分はツロブテロールです。
ホクナリンテープは0.5mg、1mg、2mgの3種類の大きさがあります。
使い方は簡単で、1日1回上半身にペタッと貼って、24時間経ったら古いホクナリンテープをはがして、新しいホクナリンテープに貼り替えるだけです。
『ホクナリンテープの使い方はこう!貼る場所と効果時間の見極めがポイント』
ホクナリンテープの効果
ホクナリンテープの主成分ツロブテロールは、気管支を拡張して呼吸を楽にしたり、ゼーゼーした咳を鎮める効果があります。
ホクナリンテープの効果(中等度以上改善率(%))
疾患名 | 成人 | 小児 |
---|---|---|
気管支喘息 | 56.8 | 65.9 |
急性気管支炎 | 63 | 77.1 |
慢性気管支炎 | 44.8 | – |
肺気腫 | 44.4 | – |
データの出典:ホクナリンテープ添付文書
風邪の咳はウイルスや細菌を外に排泄するため起こるため、ホクナリンテープで気管を広げても、大きな効果は期待できません。
『ホクナリンテープは風邪の咳に効かない!それでも子供に使う理由は?』
ホクナリンテープはすぐに効かない
ホクナリンテープは、気管支を広げて早朝の喘息発作の予防や、息苦しさの軽減を目的として開発された貼り薬であるため、すぐに効果が表れません。
『ホクナリンテープは風邪の咳止めシールではない!元々は喘息の貼り薬だ』
ホクナリンテープはゆっくりと効く
ホクナリンテープはツロブテロールをテープから皮膚にゆっくりと放出します。だから、貼ってもすぐには効きません。
シールを貼ってから4~6時間後から少しずつ効果が出て、12時間後に最大の効果が表れます。
ホクナリンテープを大人に貼付
ホクナリンテープを子供に貼付
ホクナリンテープの効果時間
ホクナリンテープは1枚目からでもある程度の効果は期待できますが、気管支拡張効果が安定してくるのはシール3枚目(3日後)からです。
なぜなら、ホクナリンテープ3枚目からは、体に入ってくるツロブテロール量と外へ出ていくツロブテロール量がつり合うからです。(これを定常状態といいます)
ホクナリンテープインタビューフォームを参考に作成
24時間ごとにホクナリンテープを貼り替える限り、ツロブテロール量は一定となり効果は持続します。
『ホクナリンテープの副作用 動悸がしたり手が震える理由はこう!』
ホクナリンテープは寝る前がベスト?
ホクナリンテープは「夕方から寝る前に貼る」と説明を受ける場合が多いと思います。
ホクナリンテープを夕方から寝る前に貼ると、効果のピーク(ツロブテロール濃度のピーク)が早朝(12時間後)に訪れるからです。
しかし、現在ではホクナリンテープは喘息ではなく気管支炎の咳止めとして使われるケースが多く、この理論はあまり重視されなくなっています。
咳が早朝に起こるのであれば、ホクナリンテープは寝る前に貼るのがベストですが、昼・夜間早朝を問わず咳が出る場合は、薬をもらったらすぐにシールを貼るのがベストです。
(先に解説した通り、ホクナリンテープはすぐに効かないですからね)
『ホクナリンテープが剥がれたらどうする?お風呂やプールは?』
まとめ
- ホクナリンテープの主成分ツロブテロールは、気管支を拡張して呼吸を楽にしたり、ゼーゼーした咳を鎮める効果がある
- ホクナリンテープは、気管支を広げて早朝の喘息発作の予防や、息苦しさの軽減を目的として開発された貼り薬であるため、すぐに効かない
- ホクナリンテープの気管支拡張効果が安定してくるのは、定常状態に入るシール3枚目から
- ホクナリンテープは「夕方から寝る前に貼る」と説明を受ける場合が多いが、気管支炎に使うときは参考にしなくていい
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