ホクナリンテープは風邪の咳に効かない!それでも子供に使う理由は?

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風邪の咳止め代わりにホクナリンテープを使うケースが多く、ホクナリンテープはすっかり「咳止めシール」の愛称で知られるようになりました。

しかしながら、元をたどれば、ホクナリンテープは早朝の喘息発作呼吸苦の予防を目的として開発された貼り薬です。

したがって、ホクナリンテープは風邪の咳には効きません。

効かないはずの風邪の咳にホクナリンテープが使われる理由は、いったい何なのでしょうか。

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ホクナリンテープとは

ホクナリンテープの主成分はツロブテロールです。

ツロブテロールは気管支を拡張して呼吸を楽にしたり、ゼーゼーした咳をしずめる効果があります。

ホクナリンテープは0.5mg、1mg、2mgの3種類の大きさがあります。

ホクナリンテープ(マイラン)

使い方は簡単で、1日1回上半身にペタッと貼って、24時間経ったら古いホクナリンテープをはがして、新しいホクナリンテープに貼り替えるだけです。

だから、子供の咳止めシールとして広く知られることになったのでしょう。

ホクナリンテープは子供の風邪の咳に効かない

子供の風邪の咳止め代わりにホクナリンテープを使うケースが多いですが、ホクナリンテープは風邪の咳にはほとんど効きません。

風邪と喘息の咳は起こるメカニズムが違うからです。

  • 風邪の咳:ウイルスや細菌の感染
  • 喘息の咳:気管支の収縮や炎症

子供の風邪の咳は痰の絡むことが多く、メジコンなどの中枢性鎮咳薬(ちゅうせいちんがいやく)やムコダインやムコソルバンなどの去痰薬(きょたんやく)を使います。

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一方、子供の喘息の咳は気管支を広げる薬(気管支拡張剤)、炎症を抑える薬(ステロイド)、もしくはその配合剤を使います。

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ホクナリンテープを効かない咳に使う理由1

ホクナリンテープを子供の咳止め代わりに使う理由のひとつ目は、ホクナリンテープは保険適用に気管支炎があるからです。

ホクナリンテープの効果(中等度以上改善率(%))

疾患名 成人 小児
気管支喘息 56.8 65.9
急性気管支炎 63 77.1
慢性気管支炎 44.8
肺気腫 44.4

データの出典:ホクナリンテープ添付文書

気管支炎とは、字のごとく気管支で起こる炎症性の病気です。

気管支炎は風邪ウイルスや細菌感染が発端となり、の症状が起こり、発熱、だるさ、胸の苦しさの症状が併発する場合もあります。

つまり、風邪で起こる咳痰のほとんどは気管支炎であり、ホクナリンテープを風邪の咳に使う理由が成立するのです。

ただし、私はこう考えます。

ホクナリンテープは子供の風邪の咳に効かない」で解説したように、風邪と喘息の咳は起こるメカニズムが違います。

ホクナリンテープが気管支炎に保険適用があったとしても、風邪の咳には効くとは思えません。

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ホクナリンテープを効かない咳に使う理由2

ホクナリンテープを子供の咳止め代わりに使う理由のふたつ目は、ホクナリンテープはあまりにも「咳止めシール」として認知され過ぎているからです。

薬剤師として小児科を担当していると、ほとんどのお母さんがホクナリンテープを使ったことがあります。もちろん「咳止めシール」としてです。

咳止め代わりにホクナリンテープを使うのが習慣化しているのです。

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ホクナリンテープを効かない咳に使う理由3

ホクナリンテープを子供の咳止め代わりに使う理由の三つ目は、ホクナリンテープの処方を止めにくいからです。

(「喘息を見逃していないか?」という疑問が残るせいか)小児科や耳鼻科ではホクナリンテープはよく使われます。

小児科・耳鼻科のお薬手帳は、ホクナリンテープの履歴でいっぱいです。

風邪に効かないクラリスロマイシンも、ペタペタと貼られています。

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医師は他の医師の処方を尊重します。

お薬手帳を見た医師がそのままホクナリンテープを処方し、そのお薬手帳をみた別の医師がまた処方し…。といった具合に、ホクナリンテープが止められなくなっているのです。

また、薬剤師も同様です。

医師が「咳に効く」と処方した薬を、「咳には効かない」とは言えないからです。

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まとめ

  • 喘息と風邪の咳は起こるメカニズムが違う。
    だから、ホクナリンテープは風邪の咳には効かない
  • それでもホクナリンテープが風邪の咳に使い続けられる理由は3つ
  1. ホクナリンテープは保険適用に気管支炎があるから
  2. 「咳止めシール」として認知され過ぎているから
  3. 一度処方されたホクナリンテープは止めにくいから