ワンストップ特例制度とは「ある条件をみたしていれば、確定申告をすることなく税金控除が受けられる制度」です。
確定申告未経験の方にとって、ふるさと納税のワンストップ特例制度は便利かもしれません。
しかし、このワンストップ特例制度は意外と手続きが面倒であったり、確定申告より融通が効かなかったりします。
さらに、ワンストップ特例制度は税金を還付するスピードにおいて、確定申告より劣ります。
※ワンストップ特例制度を「ワンストップ」と略記します。
ワンストップの手続きは面倒
ふるさと納税のワンストップを使うためには、寄附金税額控除に係る申告特例申請書(以下、ワンストップ申請書)を、期限までにふるさと納税した自治体ごとに提出する必要があります。
さらに、マイナンバー制度が始まってからは「本人確認書類の添付が追加されました。
<本人確認書類の例>
- 「マイナンバーカード」のコピー
- 「マイナンバー通知カード」+「運転免許証(写真付き身分証明書)」のコピー
- 「マイナンバー付き住民票の写し」+「運転免許証(写真付き身分証明書)」のコピー
ワンストップ申請書を書いて本人確認書類をコピーする。封筒に住所を書いて切手を貼って送る。面倒です。
ワンストップは確定申告より提出期限が早い
ふるさと納税のワンストップを使うためには、ふるさと納税を行った翌年の1月10日まで(期限厳守)に手続きを終えている必要があります。
『ふるさと納税のワンストップ忘れた!(期限過ぎた)どうする?』
一方、ふるさと納税の確定申告は、原則ふるさと納税を行った翌年の2月中旬から3月中旬(平成30年度分は2月18日~3月15日まで)ですが、期限をすぎても一定期間は受付けてくれます。
『ふるさと納税の確定申告忘れた!(期限過ぎた)いつまでなら間に合う?』
後で確定申告をするとワンストップが無効になる
ワンストップは確定申告が必要のない方が対象です。次にあてはまる方はワンストップは使えません。
- サラリーマン業以外に副業をしている
(事業所得がある) - サラリーマン大家さんである
(不動産所得がある) - 年収2000万円を超える給与がある
- 2か所以上から給与をもらっている
- 医療費控除を受ける予定
- 住宅ローン控除を受ける予定
(住宅ローンの年末調整を忘れた) - 株の配当、売却益損がある
(ただしケースバイケース)
ワンストップを申請した後に「医療費控除」や「住宅ローン控除」の確定申告をしてしまうと、ワンストップの申請が無効になります。
『住宅ローン控除の確定申告書の書き方(図解)中古マンション購入編』
ワンストップは確定申告より税金還付が遅い
ワンストップと確定申告。どちらの方法でも税金控除の限度額は原則同じですが、税金が還付されるタイミングが違います。
ふるさと納税の確定申告は還付が早い
ふるさと納税の確定申告をする場合、所得税と住民税から税金が還付(または減税)されます。
所得税の税金還付分は確定申告を行った翌月ごろに指定の口座に入金され、翌年6月以降に納めるべき住民税から減税(控除)される形になります。(給与から控除される住民税が減額される)
ふるさと納税のワンストップは控除が遅い
ふるさと納税のワンストップを利用する場合、全て住民税から減税されます。
(確定申告をすれば)所得税から還付される所得税も、翌年6月以降に納めるべき住民税から減税(控除)される形になります。
早く節税効果を得たい方(所得税の還付を受けられたい方)は、確定申告をおすすめします。
『5分でできる ふるさと納税の確定申告!書き方を図解でやさしく解説』
まとめ
– | 確定申告 | ワンストップ |
---|---|---|
1月10日まで | – | ワンストップ申請書を郵送 |
2月中旬~3月中旬 | 確定申告をする | ↓ |
確定申告を行った翌月ごろ | 所得税還付 | ↓ |
6月~来年の5月 | 住民税から減税 |
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