ヒルドイド市販はドラッグストア(薬局)で普通に販売されています。
ただし、ヒルドイドという名前では販売されていません。違う名前で販売されています。
- HPクリーム、HPローション
- ピアソンHPクリーム、ローション
- アットノン
ヒルドイド市販は保湿効果をうたった商品がほとんどですが、アットノンは傷痕をキレイにする効果を強調した塗り薬です。
メーカーのホームページによると、アットノンは毎年100万個以上売れているそうで、評判も良好のようです。
また、ネット上ではアットノンについてこのような書き込みもあります。
- リスカ(リストカット)の痕が消えた!
- シミが消えた!
- 顔のニキビ痕が消えた!
本家ヒルドイドを解説した後、アットノンとケロイド、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)、ニキビ痕の関係について解説します。
ヒルドイドの効果(作用)
ヒルドイドには3つの効果があります。
- 保湿効果
- 血行促進効果
- 傷痕をキレイにする効果
(ケロイド除去など)
1.保湿効果
※2018年9月13日にヒルドイドの泡スプレー「ヒルドイドフォーム」が発売されました。
ヒルドイドはアンチエイジングクリームや化粧水としてネット上では紹介されています。それは保湿作用があるためでしょう。
保湿作用とは、肌の角質層の水分が逃げるのを抑える作用のことで、保湿作用は肌のバリア機能を改善します。
2.血行促進効果
血をサラサラにしそうですが、あくまで表面の血流を改善する効果です。
この効果を利用して、ヒルドイドはしもやけ治療にも使われています。
3.傷痕をキレイにする効果
ヒルドイドは、ケロイドや肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)と呼ばれる、盛り上がった傷痕をうすくする効果があります。
(ヒルドイドクリーム)
もり上がった傷痕は一般的に「ケロイド」といいますが、ケロイドと肥厚性瘢痕は専門的には違う傷痕です。
肥厚性瘢痕は傷が赤くもり上がった傷痕をいいます。一方、ケロイドは元々の傷の範囲を超えて盛り上がった傷痕をいいます。
ケロイドのできやすさは体質が関係していて、ケロイドになりやすい体質のことをケロイド体質といいます。
ヒルドイド市販の効果はヒルドイドと同じ?
ヒルドイドのジェネリックと市販薬は、ヒルドイドと同じ成分(ヘパリン類似物質)が使われています。
しかし、ヒルドイドとそのジェネリック(ビーソフテンorヘパリン類似物質)の効果は同等ですが、ヒルドイドとヒルドイド市販は同じ効き目があるとは限りません。
『保湿剤の超定番!ヒルドイド・ビーソフテン・ヘパリン類似物質』
ヒルドイドとヒルドイド市販は比較試験がされていないからです。
– | ヒルドイド | ビーソフテン ヘパリン類似物質 |
ヒルドイド市販 (アットノン) |
---|---|---|---|
効果 | 同等 | 不明 | |
副作用 | 違う | ||
添加物 | 違う |
アットノンはケロイドや肥厚性瘢痕に効く?
アットノンの効果は守備範囲が広いです。
- 傷・やけどの跡の皮膚のしこり・つっぱり(顔面を除く)
- 肘・膝・かかと・くるぶしの角化症
- 手指の荒れ、手足のひび・あかぎれ
- 乾皮症
- 小児の乾燥性皮膚
- しもやけ(ただれを除く)
- 打身・ねんざ後のはれ
- 筋肉痛・関節痛
出典:小林製薬HP
アットノンはこのような傷痕に効果があります。アットノンを塗ることで、傷痕が目立たなくなり、傷痕が残らないようにするのです。
また、表向きにはケロイドと肥厚性瘢痕への効果については何も語られていませんが、アットノンはヒルドイドと同じ成分を同用量含んでいるため、同じような効果があると考えられます。
→ケロイドテープ
『ドレニゾンテープは傷痕・ケロイド・あかぎれに効果抜群のステロイド!』
アットノンはシミ・ニキビ痕にも効く?
- アットノンでリスカ(リストカット)の痕が消えた!
- アットノンでシミが消えた!
- 顔のニキビ痕が消えた!
(ネット上では)アットノンはあらゆる跡を消す万能薬のように語られていますが、かなり疑問です。
アットノン以外の要因(自然治癒?)で傷痕が消えたのではないでしょうか。
ただ、ケロイド体質の方は、ニキビをかいて傷ができ、ケロイド状になる場合があります。ニキビ由来のケロイド状の痕であるなら、アットノンは効果があるかもしれません。
『あなたは間違っている!保湿剤の超定番ヒルドイドの正しい使い方』
アットノンの使い方
1日1~数回、適量を患部にすり込むというのが、アットノンの基本的な使い方です。
ただし、アットノンを塗ってはいけない状態があります。
- かさぶたや、かさぶたができている途中のところ
- 傷がジュクジュクしているところ
- 傷が治りきっていないところ
(出血しているところ)
アットノンは傷・かさぶたには使えません。傷にアットノンを塗ると、血行改善効果が働いて出血が長引く可能性があります。
純粋な傷にはキズパワーパッドが有効です。
『キズパワーパッドの仕組みがすごい!だから傷が早くキレイに治るのだ!』
アットノンは傷が治って新しい皮膚ができたところに使う塗り薬です。
メーカーによると、傷痕になってから1.2年経過した傷痕にも効果があるそうです。
4種類のアットノンの違い
アットノンといえばアットノンジェルが有名ですが、ローションとコンシーラーが2016年に新発売になり、ジェル、クリームと合わせてアットノンは4種類になりました。
どの種類のアットノンを使っても効果は同等ですので、好みのアットノンが使えます。
アットノンジェル
ジェルのアルコール由来の臭いが少しありますが、迷ったらアットノンジェルです。
塗り心地がさっぱりしているため、あらゆる傷痕に使用しやすいからです。
ただし、塗ったあとはしっかりのばさないと、塗ったところがテカります。
アットノンクリーム
アットノンクリームは白色のクリームで、塗り心地がしっとりしていてベタベタしません。
ただ、傷痕にわざわざクリームを選ぶ理由はない気がします。
『塗り薬の軟膏とクリームの違いは基剤!吸収率、使用感で使い分ける』
アットノンローション
アットノンローションは、よくわからないアットノン系塗り薬です。
なぜ、傷痕にローションなのでしょうか?他のヒルドイド市販をおすすめします。
『ヒルドイド市販 ビーソフテンの代わりはHPローションがおすすめ』
アットノンコンシーラー
コンシーラーとは珍しい剤形ですが、女性なら想像がつくと思います。
アットノンコンシーラーは肌色のクリームで、傷痕の色を目立たなくカバーしてくれます。
傷痕を隠しながら治したいという方には、アットノンコンシーラーをおすすめします。
まとめ
- ヒルドイド市販は「保湿効果」をうたった商品が多いが、アットノンは「傷痕をキレイ」に着目したヒルドイド市販
- アットノンはヒルドイドと同じヘパリン類似物質0.3%を含む市販
- ヒルドイドはケロイド状になった傷痕にも効果がある
- だから、アットノンはケロイドにも効果があるだろう
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