出典:グラクソスミスクラインHP
「花粉症の鼻水・鼻づまりが辛すぎる…」
「処方されたステロイド点鼻薬、本当に効くの?」
花粉症治療の主役ともいえるのが、ステロイド点鼻薬です。
実は、正しく使い続けることで、飲み薬(内服薬)に負けないほど強力な効果を発揮します。
しかし、「使い始めてすぐに効かない」という理由で、途中でやめてしまう方が多いのも事実。
この記事では、代表的な4つの製品(アラミスト、ナゾネックス、フルナーゼ、エリザス)の特徴と、効果を最大限に引き出す「正しい使い方」を、現役薬剤師が分かりやすく解説します。
ステロイド点鼻薬の驚くべき効果
- アラミスト
- ナゾネックス(56噴霧用)
- 小児用フルナーゼ(56噴霧用)
- フルナーゼ(28噴霧用)
- エリザス点鼻薬
ステロイド点鼻薬には、「炎症を抑える力」と「アレルギー反応を抑える力」の2つが備わっています。鼻水やくしゃみはもちろん、飲み薬ではなかなか消えない「しつこい鼻づまり」にもしっかり効くのが大きな特徴です。
例えば、2年以上のスギ花粉症を患っている16歳以上の大人に、アラミストとプラセボ(偽薬)を2週間使って比較した結果はこうです。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりの平均スコア
(スコアが低い → 鼻症状が少ない)

国内第Ⅲ相試験を参考に作成
(対象:成人花粉症患者)
「すぐに効かない」のは、じっくり治している証拠
メーカーがいうには、ステロイド点鼻薬は使い始めてから1日後~2日後で効果が表れるそうです。
しかしながら、1日後~2日後に効果が表れるからといって鼻水・鼻づまり・くしゃみ・鼻のかゆみといった花粉症の苦しみから解放されるわけではありません。
多くの方が花粉症が楽になったな(効いてきたな)と感じるのは、ステロイド点鼻薬を使い始めて7日後~14日後以降です。
例えば、ナゾネックスでは大人子供問わず、鼻花粉症の4症状(鼻水、鼻づまり、鼻のかゆみ、くしゃみ)が楽になったのは2週間後(14日後)以降です。
ナゾネックスの大人への効果
(スコア平均:低い→鼻症状が少ない)

長期投与試験を参考に作成
(対象:通年性アレルギー性鼻炎(成人))
ナゾネックスの子供への効果
(鼻4症状スコア平均)

長期投与試験を参考に作成
(対象:通年性アレルギー性鼻炎(小児))
『ナゾネックス点鼻薬は花粉症にすぐに効かない!効いてくるのはX日後』
「効かないから」と数日でやめてしまうのは、一番もったいない使い方です。毎日コツコツ続けることで、鼻の粘膜を「花粉に負けない状態」に整えてくれます。
ステロイド点鼻薬の効果の優越
ステロイド点鼻薬は効果の差を示した証拠(エビデンス)がありません。効果は同等と考えられています。
ですので、使いやすい点鼻薬、使い慣れた点鼻薬を使うのがベストです。
花粉症でよく使われるステロイド点鼻薬は、アラミストとナゾネックスです。
どちらも1日1回の点鼻で済むため、楽に使えるからです。(エリザスも1日1回ですが、粉を噴霧する少し特殊な点鼻薬です。)
1日1回の点鼻では物足りない方は、1日2回のフルナーゼが合うかもしれません。
点鼻後の液だれや、喉に落ちてくる違和感が苦手な方は、エリザスがおすすめです。
『ナゾネックス点鼻薬を風邪の鼻水・鼻づまりに?その使い方は間違い』
徹底比較!あなたに合うステロイド点鼻薬はどれ?
アラミスト点鼻薬は使いやすさNo.1
最初は変な形の点鼻薬と思いましたが、使いこむほどしっくりくるのがアラミスト点鼻薬です。

アラミストの点鼻方法
アラミストは点鼻容器の使い方(点鼻方法)が特徴的です。
アラミストはレバー(グリップ)が横に付いているため、容器を握るようにして点鼻します。
出典:グラクソスミスクライン社HP
アラミストは「レバーが硬い」「使いにくい」という意見もありますが、大人が子供に点鼻するときに適した形をしています。
アラミストのレバーをギュッとにぎるとシュッと点鼻できます。
出典:グラクソスミスクライン社HP
アラミストの使い方
成人
各鼻に1回2噴霧ずつ、1日1回点鼻
2歳以上の小児
各鼻に1回1噴霧ずつ、1日1回点鼻
アラミストは粘り気のある懸濁液ですので、毎回よく振ってから点鼻します。
<参考>アラミストの使い方(動画)(グラクソ・スミスクラインホームページ)
アラミストは24時間以内に効果があると言われていますが、ステロイド点鼻薬の効果の実感には個人差があります。
『アラミスト点鼻薬の使い方 花粉症にいつ・どう使うのが効果的?』
ナゾネックスはステロイド点鼻薬のスタンダード

従来の点鼻方法で使えるステロイド点鼻薬がナゾネックスです。
ナゾネックスは容器も使い慣れた形のため、ステロイド点鼻薬のスタンダードといえます。花粉症にもよく使われます。
アラミストと同様に、ナゾネックスも1日1回タイプのステロイド点鼻薬です。
ナゾネックスの使い方
12歳以上の小児・成人
各鼻に1回2噴霧ずつ、1日1回点鼻
3歳以上12歳未満の小児
各鼻に1回1噴霧ずつ、1日1回点鼻
ナゾネックスのキャップを取るときは回してはいけません。
ナゾネックスの中の機構が壊れることがあります(壊れても自分で元に戻せます)。
『ナゾネックスの使い方 ステロイド点鼻薬は花粉症にこう使おう!』
フルナーゼは小児用があるステロイド点鼻薬
成人用と小児用に分けられているステロイド点鼻薬がフルナーゼです。

フルナーゼの小児用と成人用は成分量の違いはなく、1回噴霧あたりの噴霧量が違うだけです。(小児用は1噴霧で成人用の0.5噴霧分が出る)
フルナーゼはアラミストと同じメーカーが販売しています。
フルナーゼの進化薬がアラミストという位置づけです。そのため、主役はフルナーゼからアラミストにシフトしていますが、フルナーゼを根強く支持する方もいます。
『マジでびびった!アラミストはフルナーゼの進化版ステロイド点鼻薬だった』
ただ、フルナーゼは使った後に変な臭いが鼻から口に残る感じがあり、私は好きになれません。
フルナーゼの使い方
成人
フルナーゼを各鼻に1回1噴霧ずつ、1日2回点鼻
(1日最大8噴霧まで増量可能)
5歳以上の小児
小児用フルナーゼを各鼻に1回1噴霧ずつ、1日2回点鼻
(1日最大8噴霧まで増量可能)
フルナーゼは花粉症だけではなく血管運動性鼻炎にも保険適応があります。
血管運動性鼻炎とは
アレルギー性鼻炎と同様に鼻水、鼻づまり、鼻のムズムズ感、くしゃみの症状があります。
しかし、特定の物質に対してアレルギー反応が起こりません。
環境(温度)の変化によって引き起こされると考えられており、特に季節の変わり目に起こりやすいという特徴があります
エリザスは粉状ステロイド点鼻薬
ステロイド点鼻薬は液状のステロイドを鼻の中へ噴霧しますが、このエリザスは例外です。粉状のステロイドを鼻の中へ噴霧します。
出典:日本新薬HP
液状点鼻薬は点鼻後の液だれが不快ですが、エリザスは点鼻後の液だれがありません。エリザス点鼻薬は点鼻しても空気が鼻に入ったと感じる程度で、使用感がゼロです。
(ただ、使用感がないため「高齢者が何度も噴霧して1日で使いきってしまった」というケースがありました)
エリザス点鼻薬の使い方
各鼻に1回1噴霧ずつ、1日1回点鼻
小児
使えません。
エリザス点鼻薬は点鼻前の操作が独特です。
エリザス点鼻薬の使い方(動画)(日本新薬ホームページ)
エリザスと副鼻腔炎
エリザスは副鼻腔炎(蓄膿)にも使われています。(保険適用外)
噴霧角度45度でエリザスを使うと、副鼻腔炎で炎症の起こりやすい下鼻甲介(かびこうかい)に最も効果があるようです。
また、花粉症の鼻づまりも下鼻甲介の炎症が原因であることが多いです。

出典:日本新薬資料
「ステロイド点鼻薬と副鼻腔炎」はコチラの記事でくわしく解説しています。
『ナゾネックス点鼻薬は副鼻腔炎(蓄膿症)や鼻茸に効く?効かない?』
効果を2倍にする!正しい点鼻のテクニック
ステロイド点鼻薬の基本的な使い方(点鼻方法)はこうです。
- 鼻をかんで鼻の通りをよくする(←重要)
- 点鼻薬は使つ前によく振る
- キャップは極力ひねらずにまっすぐ引き抜く(特にナゾネックス)
- 初めて使う点鼻薬は、数回空噴霧して薬液が一定量噴霧されるようになったのを確認する
- 1回に各鼻2噴霧以上する点鼻薬は、液だれ防止のため交互に1噴霧を2回行う
(例:左右左右) - 点鼻後は一度鼻で息を吸って、液が鼻の奥までいきわたるようにする
- 使用した点鼻薬の先端をティッシュで拭きとり、綺麗に保つ

グラクソスミスクライン社HPより画像引用
鼻水が多いと薬液が鼻水に吸収されて効きません。点鼻薬を使う前はしっかり鼻をかんで鼻の通りをよくしてから使います。
1日1回タイプの点鼻薬(アラミスト、ナゾネックス、エリザス)は、入浴後に使うのをおすすめします。
なぜなら、入浴後は鼻水も取れ鼻の通りも良いので、点鼻薬の効果を引き出すにはちょうどいいタイミングだからです。
まとめ:ステロイド点鼻薬を味方につけよう
- 即効性はないけれど、飲み薬並みに強力な効果がある。
- 効果を実感するまで、まずは「2週間」毎日続けてみる。
- 液だれが嫌なら「エリザス」、使いやすさなら「アラミスト」がおすすめ。
ステロイド点鼻薬は、正しく使えば花粉症シーズンの最強のパートナーになります。自分に合った1本を見つけて、快適な毎日を取り戻しましょう!
| – | アラミスト | ナゾネックス | フルナーゼ | エリザス |
|---|---|---|---|---|
| 1日点鼻回数 | 1回 | 2回 | 1回 | |
| 噴霧回数 | 成人2噴霧 | 12歳以上 2噴霧 |
成人1噴霧 | 成人1噴霧 |
| 2歳以上の小児 1噴霧 |
3歳~12歳未満の小児 1噴霧 |
5歳以上の小児 小児用を1噴霧 |
小児は使えない | |
| 特徴 | 点鼻容器 | 標準 | 1日8噴霧まで増量可能 | 粉状ステロイド点鼻薬 |
| 効果 | 同等 | |||

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