肩こり・腰痛持ちの方は3000万人以上いると言われています。
肩こり・腰痛は国民病のひとつで、それが解消されるだけでQOL(生活の質)は相当よくなるでしょう。
しかし、パソコン、スマートフォン、運転など。肩こり・腰痛を引き起こす作業はありふれ、ごまかしながら生活を続けているのが現状です。
そのごまかしのひとつが湿布です。
なぜ、ごまかしかというと、湿布は肩こり・腰痛の痛みを緩和してくれますが、根本的な治療手段ではないからです。
肩こりにロキソニンテープが効かない理由
ロキソニンテープを肩こりのところへ貼れば、肩こりの痛みは和らぎます。
しかし、痛みが和らぐだけで、ロキソニンテープは肩こりの本質的な治療にはなりません。
なぜなら、肩こりの痛みやこわばりの原因は、筋肉疲労、血行不良、悪い姿勢(猫背)であることがほとんどだからです。
ロキソニンテープには、疲労・血行・姿勢をよくする効果はありません。
(効果は後で解説)
肩こりの根本的な治療方法と予防方法は次の通りです。
- ストレッチをして肩首のまわりの筋肉をほぐす
- 筋トレ(運動)をして首の重さに負けない筋肉を作る
- 正しい姿勢を心がけ、血行不良や肩周辺の筋肉が疲労する原因を作らない
- 同じ姿勢を続けない
筋肉をほぐすために整骨院に通う方も多いですが、施術効果は一時的なもので、根本的には効きません。
腰痛にロキソニンテープが効かない理由
ロキソニンテープを腰痛部へ貼れば、痛みは和らぎます。
しかし、痛みが和らぐだけで、ロキソニンテープは腰痛の本質的な治療にはなりません。
その理由はこうです。
椎間板ヘルニアなど腰の神経の障害、ぎっくり腰のような突発的な負荷で起こるなど。
腰痛の原因を特定できるのは全体の10~15%で、残りの85%~90%は原因を特定できない、もしくは多くの要因が重なりあって起こるのが腰痛だからです。
腰痛を治すには、腰痛が起こる複雑な要因を断ち切るしかありません。
- 椎間板ヘルニア→その治療
- 骨盤のゆがみ→ストレッチ、筋トレ
- 筋肉の緊張→ストレッチ
ロキソニンテープが肩こり腰痛の痛みに効く仕組み
ロキソニンテープの主成分ロキソプロフェンは膏体(基剤)に溶けた状態で安定しています。
出典:外用製剤協議会HP
ロキソニンテープを肌に貼ると、膏体(基剤)から主成分ロキソプロフェンがはがれていき、皮膚の一番表面部分である角質に付着します。
付着した主成分は、角質→表皮→真皮→皮下組織へと浸透していき、痛みが起こっている場所のプラスタグランジンと呼ばれる炎症物質の生成を抑え、痛みや炎症を抑えます。
『モーラス・ロキソニン・ボルタレン・ミルタックス一番効く湿布はどれ?』
ロキソニンテープの効果
ロキソニンの湿布には、分厚い白いロキソニンパップもあります。ロキソニンテープとロキソニンパップの効果は同等です。
(違いの詳細は後述「ロキソニンテープとパップの違い」)
ロキソニンパップ100mgの国内二重盲検比較試験の結果
疾患名 | 効果(改善率) |
---|---|
変形性関節症 | 75.5% |
筋肉痛 | 80.7% |
外傷後の腫脹・疼痛 | 98.1% |
ロキソニンテープ(ロキソニンパップ)は腰痛症や肩こりに保険適応がありませんが、腰痛や肩こりでおこる痛みを緩和できます。
(ただし、湿布は腰痛・肩こりの直接的な治療薬ではないのは先に解説したとおり)
『ロキソニンの湿布 ロキソニンテープは子供と妊婦も使ってOK?』
ロキソニンテープとロキソニン錠の効果比較
湿布は内服薬より効果が劣ります。
しかし、ロキソニンテープ(1日1回貼付)とロキソニン錠(1日3回食後服用)の効果を比較した二重盲検比較試験では、効果(改善率)に大きな差が見られませんでした。
二重盲検比較試験とは、被験者のプラセボ効果をなくすようにデザインされた試験法です。
<ロキソニンテープ、ロキソニン錠使用期間>
- 変形性膝関節症:4週間
- 筋肉痛:2週間
- 外傷後の腫脹・疼痛:1週間
効果が大きく変わらないのであれば、ロキソニンテープを使う理由はないように思えますが、ロキソニン錠には「長期服用すると何らかの胃腸の副作用が表れて続けられなくなる」という欠点があります。
ロキソニン錠の主な副作用
副作用 | 副作用頻度 |
---|---|
消化器障害 | 2.25% |
浮腫・むくみ | 0.59% |
発疹・蕁麻疹 | 0.21% |
(ロキソニン錠添付文書より)
そのため、胃薬を併用して副作用に気をつけながら、継続服用するという方法が取られてきました。
ロキソニン錠からロキソニンテープへの変更で、胃腸の副作用から解放されることでしょう。
『ロコアテープを使ったら最強だった!でも副作用と使い方に気を付けて』
ロキソニンテープは貼り過ぎるとかぶれる
ロキソニンテープは1日1回貼るだけで十分な効果を発揮します。
貼る枚数の上限はありませんが、もともと効かない肩こりや腰痛に毎日ペタペタ貼っていると、湿布かぶれをおこします。
ロキソニンテープの主な副作用
副作用 | 副作用頻度 |
---|---|
接触性皮膚炎 (湿布かぶれ) |
1.82% |
そう痒感 | 0.51% |
湿疹 | 0.3% |
紅斑 | 0.2% |
(特定使用成績調査より)
特に夏に気をつけなくてはならないのは、光線過敏症とよばれる紫外線かぶれです。
『光線過敏症を起こす湿布 それはモーラステープだけではない』
ロキソニンテープとパップの違い
ロキソニンテープ
ロキソニンテープのようなうすい肌色の湿布をプラスター剤と言います。ロキソニンテープは水分が少なく・うすく、皮膚に密着しやすいのが特徴です。
ロキソニンパップ
ロキソニンパップのように、分厚い白い湿布をパップ剤と言います。ロキソニンパップは水分含有量が多く、貼ると水分の蒸発作用により冷たく感じるのが特徴です。
『肩こりに効く湿布はどの種類?温湿布、冷湿布、テープ、パップの違い』
ロキソニンテープの市販薬発売
ロキソニンテープは市販薬もあります。しかも、その市販薬は病院用のモノと全く同じです。
出典:第一三共HP
病院用 | 市販 |
---|---|
ロキソニンテープ50mg | ロキソニンSテープ |
ロキソニンテープ100mg | ロキソニンSテープL |
『あのロキソニン湿布の市販 ロキソニンテープとパップはこう使い分ける』
まとめ
- ロキソニンテープは肩こり腰痛の痛みを緩和するが、根本的な治療にはなっていない
(ペタペタ貼り過ぎると湿布かぶれを起こす) - 肩こり腰痛を治すためには、それが起こる原因を取り除かなくてはならない
- ロキソニン錠を飲み過ぎて胃が痛むときは、ロキソニンテープに変更してみる
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