ロキソニンと飲む胃薬はムコスタ/セルベックスが多い理由 タケプロンじゃダメ?

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肩、膝、腰、頭・・・。どこであっても痛みがあるのはつらいことです。

痛いときはロキソニン(ロキソプロフェン)を代表とする鎮痛薬を飲みますが、たいていムコスタ(レバミピド)、セルベックス(テプレノン)といった胃薬との併用が多いです。

【併用例1】

  • ロキソニン 3錠
  • ムコスタ or セルベックス 3錠

毎食後 28日分

【併用例2】

  • ロキソニン 1錠
  • ムコスタ or セルベックス 1錠

頭痛時 10回分

【併用例2】のように頓服でロキソニンを飲む場合、あまりムコスタ、セルベックス併用の必要性を感じませんが、【併用例1】のように毎日ロキソニンを飲む場合はムコスタ、セルベックスの併用は必須です。

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ロキソニンと胃薬を一緒に飲む理由

  1. ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)の感染
  2. 非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)の服用
    ロキソニン(ロキソプロフェン)
    ボルタレン(ジクロフェナク)
    セレコックス(セレコキシブ)
    インダシン(インドメタシン)など

これが胃潰瘍・十二指腸潰瘍(以下まとめて胃潰瘍)の2大原因です。

そのため、胃潰瘍の疑いがあればピロリ菌の感染を確認して、感染しているならば積極的にピロリ菌の除菌薬(ランサップランピオンなど)を使ってピロリ菌を除菌を行います。

そして、ロキソニンを飲むなら胃薬を併用します。

胃潰瘍になるリスクは、NSAIDsの用量服用期間に依存します。

海外のメタアナリシス(複数の研究の結果を統合した統計解析)では、ピロリ菌感染・NSAIDs服用でリスクは数十倍になることがわかっています。

状況 胃潰瘍リスク
ピロリ菌感染・NSAIDs服用 61.1倍
NSAIDs服用 19.4倍
ピロリ菌感染 18.1倍

(ピロリ菌感染なし・NSAIDs服用なしと比較)

ロキソニンが胃潰瘍リスクを上げる理由

ロキソニンが胃潰瘍リスクを上げる理由

ロキソニンなどのNSAIDsは、痛みが起こっている場所のプラスタグランジンと呼ばれる炎症物質が作られるのを抑えて、痛みや炎症を抑えます。

しかし、このプロスタグランジンは胃にも多くあり、胃粘膜の血流を良くしたり、傷ついた胃粘膜を修復する働きがあります。

つまり、プロスタグランジンが抑えられると胃酸などからの攻撃を受け胃が傷つき、それが続くと胃潰瘍を起こすわけです。

湿布でも胃の副作用はある

モーラステープロキソニンテープボルタレンテープなどの通常の湿布は、貼った場所で主に効果を表すため、胃腸障害の副作用を起こすことはほとんどありません。

モーラス・ロキソニン・ボルタレン・ミルタックス一番効く湿布はどれ?

しかし、2016年に発売された新世代湿布ロコアテープは例外です。

ロコアテープの袋と本体

ロコアテープは他の湿布とは吸収力が違い、主成分エスフルビノプロフェンの一部は胃のプラスタグランジンの生成を抑えるからです。

その結果、胃腸系の副作用が出やすくなっています。

ロコアテープ ロキソニンパップ ロキソニン錠
副作用1 皮膚炎
8.0%
そう痒
2.1%
消化器障害
5.12%
副作用2 紅斑
3.2%
紅斑
1.5%
皮膚症状
1.18%
副作用3 胃腸障害
1.4%
胃不快感
0.6%

ロコアテープを使ったら最強だった!でも副作用と使い方に気を付けて

ムコスタとセルベックスは防御系胃薬

ムコスタ錠、ムコスタ顆粒 セルべックスカプセル、セルべックス細粒

胃薬は多くの種類がありますが、大きく分けると3種類です。

  1. 胃酸分泌抑制型胃薬
    胃粘膜を攻撃する胃酸の分泌を抑制する。
    タケプロン(ランソプラゾール)
    ガスター(ファモチジン)
  2. 防御因子増強型胃薬
    胃酸などから胃粘膜を守る。
    ムコスタ、セルベックスなど
  3. 機能改善型胃薬
    胃の運動を調節して、吐き気・食欲不振などの症状を改善する。
    プリンペランドグマチールナウゼリンガスモチンなど

よくある質問に、「何種類も胃薬を併用しても大丈夫ですか?」があります。

その答えはこうです。

作用機序が違う胃薬を併用するのは問題ありません。ただし、同じ作用機序の胃薬を併用する理由はありません。

  • タケプロン、ムコスタ→併用OK
  • パリエット、プリンペラン→併用OK
  • セルベックス、ムコスタ→併用NG

ムコスタ(レバミピド)とセルベックス(テプレノン)の違いはこちらで解説しています。

セルベックスとムコスタの違いは4つ!併用したらどうなる?

ロキソニンとムコスタ・セルベックスの併用は保険NGであるが、それでも使う理由

ムコスタ・セルベックスの併用は、ロキソニンいよる胃潰瘍を予防する目的で利にかなっています。

しかし、ロキソニン由来の胃潰瘍予防にムコスタ・セルべックスを併用することは、本当は健康保険ではNGです。

保険適用がないからです。

  • 胃潰瘍
  • 下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
    急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期

ムコスタ、セルベックス添付文書より

本当なら、ロキソニン由来の胃潰瘍予防にはサイトテックタケプロンなど、保険適用のある胃薬を使うべきです。

非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与時にみられる胃潰瘍及び十二指腸潰瘍

サイトテック添付文書より

非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制

タケプロン(ランソプラゾール)添付文書より

ただ、ロキソニンとムコスタ・セルベックスの併用は、2つの理由により黙認されていると考えられます。

  1. ムコスタ、サイトテックのNSAIDs胃潰瘍予防効果比較試験では、効果は同等とのデータがある
  2. ムコスタ、セルベックスはサイトテック・タケプロンの薬価より安価である
    (健康保険にとって都合がいい)
胃薬 薬価 評価
ムコスタ 14.6 安い
レバミピド 9.9
セルべックス 9.4
テプレノン 6.2
サイトテック200mg 34.3 高い
タケプロン15mg 71.0
ランソプラゾール15mg 26.4~36.6

まとめ

リンクをクリックすると対応する記事内にもどります。

  1. ロキソニンは痛みが起こっている場所のプラスタグランジンを抑えて、痛みや炎症を抑える
  2. ロキソニンは胃のプロスタグランジンも抑えるため、胃腸障害が起こりやすい
  3. ロキソニンにムコスタ・セルベックスを併用する理由は、胃潰瘍を防止するため
  4. ムコスタ、セルべックスは防御因子増強型胃薬
  5. ロキソニン由来の胃潰瘍予防にムコスタ・セルベックスがよく使われるが、本当はサイトテック・タケプロンなど、保険適用のある胃薬を使うべき