アレジオン錠は市販薬もあるくらい歴史のある花粉症薬(抗アレルギー薬)です。
『アレジオン20(市販)アレジオン(薬局)エピナスチン(ジェネリック)の違い』
アレジオン点眼液はアレジオンと同じ主成分エピナスチンを含む花粉症目薬です。
2013年に発売されましたが、薬価(薬の値段)が高いため嫌煙されてきました。
しかし、2014年末からにコンタクトをしたまま使えるようになり、利便性が向上してからはジワジワと処方されるようになりました。
コンタクトと防腐剤
目薬は開封するまでは滅菌されていますが、開封後は非滅菌状態になり少しずつ汚染が始まります。
汚染を抑えるために、抗アレルギー目薬には防腐剤(塩化ベンザルコニウムなど)が添加されています。
防腐剤の主な成分
- 塩化ベンザルコニウム(BAK)
- ソルビン酸カリウム
- パラベン
- クロロブタノール
防腐剤はコンタクトを痛める原因になるため、コンタクトをしたまま点眼できません。
(ハードコンタクトはOK)
さらに、花粉症もちの方は、普通の方と比べて防腐剤にアレルギー反応(副作用)を起しやすいと言われています。
敏感な目をお持ちの方は、アレジオン、インタールUD、ザジテンUD(販売中止)ような防腐剤フリー(BAKフリー)の花粉症目薬がおすすめです。
アレジオン点眼液はコンタクトしたままOK!
アレジオン点眼液は2014年末に防腐剤フリー(BAKフリー)になり、コンタクトをしたまま使えるようになりました。
アレジオン点眼液は、防腐剤の代わりに緩衝剤(ホウ酸)や安定化剤(エデト酸ナトリウム)を加え、汚染を防止しています。
コンタクトをしたまま点眼できる花粉症目薬は希少のため、値段が高いながらもじわじわとシェアを伸ばしつつあります。
コンタクトしたままOKな抗アレルギー点眼薬
防腐剤フリーの抗アレルギー目薬は2019年現在2種類あり、これらはコンタクトしたまま使えます。
※ザジテンUDは製造中止
しかし、先に解説した通り、コンタクトしたままOKな抗アレルギー目薬は薬価が高いのがネックです。
- アレジオン:1820円
- インタールUD:24.2円
インタールUDは安く見えますが、使い捨てタイプのためこの値段が両目に1回分の値段です。
花粉症によく使われる花粉症目薬にパタノールがありますが、コンタクトしたまま点眼できません。
ただし、1本薬価は925円で、アレジオンと比べるとかなり安いです。
『パタノール点眼液は花粉症に効かない?子供、ものもらい、コンタクトは?』
花粉症の目の症状
花粉症は鼻の症状を想像する方が多いと思いますが、目にもツライ花粉症症状が出ることがあります。
花粉症の目の3大症状は目のかゆみ、充血、涙が出るです。
このような目の症状を速くしずめるために花粉症目薬を使うのです。
花粉症目薬は4種類
花粉症目薬は大きく分けて症状別に4種類に分類されており、症状によって使い分けます。
花粉症目薬の種類 | 主な効果 | 即効性 | 例 |
---|---|---|---|
抗アレルギー型 | かゆみ 充血 |
×~△ | パタノール アレジオン ザジテン リボスチン |
ステロイド型 | かゆみ まぶたの腫れ |
△~○ | フルメトロン リンデロン オドメール |
抗菌型 | まぶたの腫れ 充血 目やに |
△ | クラビット ガチフロ ベガモックス |
免疫抑制型 | ひどいかゆみ 充血 まぶたの腫れ |
△ | タリムス パピロックミニ |
目の花粉症治療に中心的な役割を果たすが抗アレルギー目薬です。
『抗アレルギー点眼薬の違い 花粉症になる前に知るべき3つの知識』
アレジオン点眼液は効かない?
抗アレルギー目薬は作用で3種類に分類できます。
- 抗ヒスタミン作用のある目薬
- ケミカルメディエーター遊離抑制作用のある目薬
- 両方の作用がある目薬(←アレジオン)
かゆみの原因となる化学物質。
ヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサンA2などがある
花粉症の症状に即効性があるのは、抗ヒスタミン作用を持つ抗アレルギー目薬です。
- 目のかゆみなどの花粉症症状がすでに出ているときは、抗ヒスタミン作用を持つ抗アレルギー目薬を使わないとなかなか効きません。
- ケミカルメディエーター遊離抑制作用を持つ目薬は即効性は期待できませんが、アレルギー予防効果が優れています。
アレジオン点眼液は「抗ヒスタミン作用」と「ケミカルメディエーター遊離抑制作用」両方の作用があり、治療と予防に効果が期待できます。
しかし、実際のところは、アレジオンも症状が出てからではすぐに効きません。くわしくは後半「アレジオン点眼液の効果」で解説しています。
アレジオン点眼液は、花粉症の症状が出る前からを使うのがポイントです。
花粉飛散予測日の約2週前、または症状が少しでも現れた時点で抗アレルギー点眼薬の投与を開始すると効果的であるとの報告がある
日本アレルギー学会ガイドラインより
アレジオン点眼液の使い方
アレジオン点眼液はこんな感じで朝・昼・夕・寝る前1日4回・1回1滴使います。
出典:日本アルコンHP
アレジオンは点眼可能であれば、子供も普通に使えます。
『アレジオンは子供も寝る前でOK!花粉症の効果と副作用(眠気)』
アレジオン点眼液の使用期限
アレジオンは防腐剤フリーですが、防腐剤添加の目薬と同様に開封から約1カ月使えます。
(開封前はアレジオン容器に記載の使用期限までOK)
アレジオン点眼液の効果
アレジオン点眼液は、花粉症による目のかゆみや充血の症状を緩和します。
目のかゆみへの効果
(眼そう痒感スコアの平均値)
非盲検非対照試験(長期投与試験)より
アレジオン点眼液は効果が出るまで1~2週間程度の期間が必要です。
アレジオンを使っても効かない頑固な花粉症には、フルメトロン、リンデロンのような捨ててロイド点眼液を使うとスッキリするかもしれません。
『ステロイド点眼薬の種類と強さ こう使えば花粉症も吹っ飛ぶよ!』
アレジオン点眼液の副作用
アレジオンは点し心地がよく、使用後の刺激感の副作用がほとんどありません。
(詳しく後半「アレジオン点眼液はしみない目薬」にて)
副作用 | 副作用頻度 |
---|---|
まぶたの腫れ | 0.28% |
目の刺激感 | 0.24% |
目の異物感 | 0.17% |
全体 | 1.33% |
- 7歳未満の子供:副作用0.35%
- 7歳以上15歳未満の子供:副作用1.63%
(使用成績調査より)
子供も安心して使えます。
『花粉症目薬の市販おすすめ 充血をとらない血管収縮剤フリー3選』
アレジオン点眼液はしみない目薬
アレジオン点眼液は涙の成分に近い目薬です。
(涙のpHと浸透圧比に近い → しみない)
pH | 浸透圧比 | |
---|---|---|
アレジオン | 6.7~7.3 | 0.9~1.1 |
涙 | 7.45 | 1.0 |
そのため、アレジオン点眼液は点眼したときの違和感(不快感、刺激感)がほとんどありません。
『パタノールとアレジオン あなたに合う花粉症目薬はどっち?』
まとめ
- アレジオンの主成分はエピナスチン
- アレジオン(抗アレルギー目薬)は効く、効かないは個人差が大きい
- 花粉症の症状に即効性があるのは、抗ヒスタミン作用を持つ目薬。
予防に有効なのが、ケミカルメディエーター遊離抑制作用を持つ目薬。
であるが、実際は症状が出てからではすぐに効かない - アレジオンは、効果が出るまで1~2週間程度の期間が必要
- アレジオンの効果は、花粉症による目のかゆみや充血の症状の緩和
- アレジオンはしみない。点眼可能であれば子供でも使える
- アレジオンは防腐剤フリーのため、コンタクトをしたままでも使える
- アレジオン(コンタクトOK)はパタノール(コンタクトNG)の約2倍の値段
- コンタクトしたままでOKな花粉症目薬は、値段が高いのが欠点
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