硫黄を主成分にするイオウカンフルローションは昔からあるニキビ薬です。
今日では、ディフェリンゲル、ベピオゲル、エピデュオゲルなど、健康保険が使えるニキビ薬は多くあり、皮膚科ではその薬が優先的にニキビ治療に使われています。
一方、赤ニキビ薬の市販は硫黄(イオウ)を含む薬がメインです。
医療用のイオウカンフルローションの効果、副作用、使い方と、赤ニキビの硫黄を含む市販を解説します。
イオウカンフルローションとは
イオウカンフルローションは、イオウ(硫黄)とカンフルを成分とするローション剤です。
イオウカンフルローションは古典的な赤ニキビ薬で、新しいニキビ治療薬が登場した現在では、皮膚科での使用頻度は激減しています。
(今日ではほとんど見かけない)
イオウカンフルローションの効果
イオウカンフルローションは硫黄とカンフルの相乗効果が期待できます。
硫黄の効果
硫黄には、赤ニキビに対して3つの効果があります。
効果 (作用) |
効果の詳細 |
---|---|
殺菌効果 | 毛穴の中のアクネ菌などの増殖を抑える |
角質軟化効果 | 毛穴のつまりを抑える |
脱脂効果 | 過剰な皮脂が作られないようにする |
カンフルの効果
イオウカンフルローションの効果のほとんどは硫黄です。
硫黄ほど効果を期待できませんが、カンフルには弱い抗炎症効果・鎮痛効果があり、赤ニキビの腫れをおだやかします。
また、イオウカンフルローションのスゥ~ッとするようなさわやかな塗り心地は、カンフルの効果です。
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イオウカンフルローションの使い方
イオウカンフルローションの使い方は簡単です。
1日2回(朝夕)洗顔後、赤ニキビとその周辺に塗るだけです。
具体的には、朝は振らずに上澄み液を赤ニキビとその周辺に塗り、夕は振って混濁液を赤ニキビに塗ります。めん棒を使うと塗りやすいです。
(イオウカンフルローションは、置いておくと黄色い硫黄が下に沈みます)
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イオウカンフルローションの副作用
イオウカンフルローションが肌に合わないとき、かぶれ、かゆみなどの副作用が出ます。そして、多くの方が感じるのは皮膚が乾燥感(パリパリ感)です。
なぜなら、イオウカンフルローション(硫黄)には脱脂効果があるからです。
(硫黄の脱脂効果は主作用でもあり副作用でもある)
副作用ではありませんが、イオウカンフルローションは臭いがキツイです。
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イオウカンフルローションに代わる赤ニキビ薬市販
イオウカンフルローションの市販はありませんが、硫黄を使った赤ニキビ薬市販は今も昔もたくさん発売されています。
クレアラシル、アクネス、ビフナイト…。効果の優越はわずかですので、使いやすさ(肌に合うかなど)を重視した選び方でOKです。
昔は、ニキビを病院で治すという考え方が広まっていなかったため、思春期にはこれらの赤ニキビ薬市販を使っていました。(昔はバンバンCMしていましたが、今は見かけなくなりました)
今日では、医療用成分をそのまま市販に応用することは珍しくなくなりましたが、赤ニキビ薬市販はいまだに硫黄が中心で、硫黄を3%配合した薬がほとんどです。
イオウカンフルローションの硫黄は6%ですので、赤ニキビ薬市販はイオウカンフルローションの半分の含有量です。
硫黄以外にさまざまな成分をプラスして、硫黄の含有量の少なさをカバーしています。
赤ニキビ薬市販の成分と効果
成分名 | 効果 | 効果の詳細 |
---|---|---|
硫黄 | 3つの効果 | 殺菌効果、角質軟化効果、脱脂効果 |
イソプロピルメチルフェノール | 殺菌効果 | アクネ菌などを殺菌する |
イブプロフェンピコノール | 抗炎症効果 | 赤ニキビの腫れ、赤みを抑える |
レゾルシン | ||
グリチルリチン酸 | ||
アラトイン | ||
トコフェロール酢酸エステル | ビタミンE誘導体 | 血行を良くして肌を整える |
サリチル酸 | 角質軟化効果 | 皮膚の角質をやわらかくして毛穴のつまりを抑える |
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赤ニキビ薬市販の使い方
硫黄を含む赤ニキビ薬市販は、赤ニキビの上にピンポイントに塗ります。
赤ニキビ薬市販の説明書には、ほとんど1日数回と記載されていますが、イオウカンフルローションと同様に1日2回朝と夜の洗顔後でOKです。
また、薬によっては塗ったところが白くなりめだつ場合があります。そのときは、洗顔後1日1回で様子を見てください。
大人ニキビと赤ニキビ薬市販
硫黄を含む赤ニキビ市販は、硫黄の脱脂効果により皮膚が乾燥します。
(「イオウカンフルローションの副作用」参照)
思春期の肌はオイリーなので、肌が乾燥してもすぐに油分が肌をおおいます。さらに、思春期の赤ニキビは過剰な皮脂が原因であることが多いです。
硫黄を含む赤ニキビ薬市販は、思春期の赤ニキビにはちょうどいいのかもしれません。
しかし、大人ニキビの原因は、皮脂の過剰分泌ではなく、肌の乾燥や肌代謝の低下による毛穴のつまりが原因であることが多いです。
つまり、硫黄の脱脂効果で起こる肌の乾燥は、大人ニキビを悪化させる可能性があります。
大人ニキビの肌に、保湿剤や化粧水・乳液を使うのは、こういう理由があるのです。
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まとめ
- イオウカンフルローションは、硫黄とカンフルを主成分とする昔からニキビ薬
- イオウカンフルローションの効果は、抗菌効果、皮膚軟化効果、脱脂効果、(抗炎症効果・鎮痛効果)
- イオウカンフルローションは朝は振らずに上澄み液、夜は振って混濁液を赤ニキビに使う
- 赤ニキビ薬市販は赤く化膿した赤ニキビの上にピンポイントで使う
- 赤ニキビ薬市販は大人ニキビには不向き
- 大人ニキビは、皮膚科に行ってディフェリンゲル、ベピオゲル、エピデュオゲルなどを処方してもらおう
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