セレスタミンシロップは赤ちゃんや子供専用の薬というわけではありませんが、甘くて飲みやすい味をしています。
(小児用シロップの味は大切!)
そのため、もっと欲しがる子供もいるでしょう。
しかし、セレスタミンは毎日のようにガブガブ飲む薬ではありません。ツライときに、どうしてもというときを限定して頓服的に飲むべき薬です。
また、風邪薬と勘違いしている方もいますが、セレスタミンは風邪薬とは異質なものです。
セレスタミンとは
セレスタミンは鼻水やかゆみに使う小児用シロップで有名なポララミンと、軟膏・目薬などで有名なリンデロンをプラスした配合剤です。
ポララミン(成分:クロルフェニラミン)は抗ヒスタミン薬。リンデロン(成分:ベタメタゾン)はステロイド薬ですので、セレスタミンは両方の効果が期待できます。
セレスタミンの種類
セレスタミンは錠剤とシロップの2種類があり、セレスタミン1錠とセレスタミンシロップ5mLの効果は同等です。
セレスタミン配合錠1錠中
- ベタメタゾン:0.25mg
- クロルフェニラミン:2mg
セレスタミンシロップ1mL中
- ベタメタゾン:0.05mg
- クロルフェニラミン:0.4mg
セレスタミンシロップの小児量
健康保険では、セレスタミンシロップの小児量はこのように決まっています。
小児には1回5mLを1日1~4回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。セレスタミン配合シロップ添付文書より
小児に一律1回5mLというのはあまりにもおおざっぱです。このようなときは、医師の裁量で用法用量が決められます。
そして、多くの医師が小児量を決めるときに参考にするのが「Von Harnackの表」です。
Von Harnackの表
(成人量を1としたときの小児量の目安)
1カ月 | 6カ月 | 1歳 | 3歳 | 7.5歳 | 12歳 | 15歳 |
---|---|---|---|---|---|---|
0.125 | 0.20 | 0.25 | 0.33 | 0.50 | 0.67 | 1.0 |
成人のセレスタミン錠は1回1錠~2錠ですので、この量をセレスタミンシロップに置き換えると1回5mL~10mLです。
さらに、これを小児量に置き換えるとこのようになります。
年齢 | 1回量の目安 |
---|---|
1カ月 | 0.5~1.5mL |
6カ月 | 1~2mL |
1歳 | 1.5~2.5mL |
3歳 | 2~3.5mL |
7.5歳 | 2.5~5mL |
12歳 | 3.5~6.5mL |
15歳以上 | 5~10mL |
セレスタミンシロップは赤ちゃんも好む味
小児用シロップは子供が飲むことを前提としているため、味は大切です。
にも関わらず、とんでもない味の小児用シロップ(ドライシロップ)は多くあります。
- メジコンシロップ
『メジコン配合シロップ/散(子供咳止め)はムコダインとの飲み合わせは良好』 - クラリスドライシロップ
『クラリス/クラリシッドは風邪には効かない!処方する理由は?』 - タミフルドライシロップ
『タミフルドライシロップとイナビルは子供(幼児)に効かない?苦い味VS吸入』
セレスタミンシロップは赤ちゃんや子供専用というわけではありませんが、甘くとても飲みやすいストロベリー味です。
セレスタミンシロップの効果的な飲み方
セレスタミンシロップは蕁麻疹や湿疹のかゆみや赤み、花粉症の鼻水や鼻づまりの症状によく効きます。
ですので、長い間飲み続けている子供たちもいますが、本当は長期服用する薬ではなく頓服、もしくは1週間程度の服用を限度として飲むべき薬です。
『セレスタミンの飲み方は頓服がベスト!こうすれば花粉症に効く』
なぜなら、セレスタミンシロップはステロイドを含むため、飲み続けると骨がもろくなったり、風邪などの感染症を受けやすくなるからです。
また、眠気・喉の渇き・胃の不快感などの副作用が起こることがあり、飲み方には注意が必要です。
セレスタミンシロップは風邪に効く?
セレスタミンシロップは風邪に直接的効果はありません。
(むしろ、飲み続けると風邪を引きやすくなるのは先に解説した通りです)
『セレスタミンの強さの秘密はステロイド!だから花粉症に効果抜群』
しかし、セレスタミンシロップを風邪の症状緩和目的に使っているのだろうな。と思われる処方箋に出くわすことはあります。
- 鼻水・鼻づまり
- 喉の炎症・痛み
しかしながら、風邪症状は体の防御反応の表れですので、安易に止めるべきではありません。
- 喉の痛みは炎症を起こして免疫を強化
- 鼻水や咳はウイルスや細菌を体外へ
まとめ
- セレスタミンはポララミン(抗ヒスタミン薬)とリンデロン(ステロイド)の配合剤
- セレスタミンシロップ5mLとセレスタミン1錠の効果は同等
- セレスタミンの小児量は医師の裁量で決まる(多めの量を使う医師もいれば、少量を使う医師もいる)
- セレスタミンは長期服用する薬ではなく、頓服、もしくは1週間程度の服用を限度として飲むべき薬
- セレスタミンを飲み続けると、骨がもろくなったり風邪などの感染症を受けやすくなる
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