デザレックスを簡単に解説すると「スーパークラリチン」です。
クラリチンは2002年に発売された第2世代抗ヒスタミン薬です。
花粉症にも使われていますが、効果が弱くお世辞にも満足度の高い花粉症薬とはいえません。
ただ、クラリチンが効かない人も、デザレックスをこのように使えばきっと花粉症に効くはずです。
デザレックスとクラリチンの違い
クラリチンの主成分ロラタジンは肝臓で活性代謝物デスロラタジンに分解(代謝)されます。
しかし、すべてのロラタジンがデスロラタジンに分解されません。分解される割合は人によって違います。
そのため、クラリチンは飲む人によって効果の違いが大きい薬と考えられています。
(効く人もいれば、全然効かない人もいる)
分解後のデスロラタジンを飲めば、その効果差はなくなります。そこに注目して開発された薬がデザレックスです。
デザレックスはデスロラタジンを主成分とする第2世代抗ヒスタミン薬です。
デザレックス錠5mgはクラリチン錠10mgと同程度の効果があります。
さらに、薬価(薬の価格)も安いというおまけつきです。
- デザレックス:65.5円
- クラリチン:77.6円
デザレックスの効果(強さ)
デザレックスの花粉症に期待できる効果は、鼻水・鼻づまり・くしゃみです。
抗ヒスタミン薬は効果を発揮しやすい場所(皮膚、鼻、喉など)はそれぞれ違いますが、花粉症への効果(強さ)は次の順番と考えられています。
『アレジオンは子供も寝る前でOK!花粉症の効果と副作用(眠気)』
デザレックスは他の抗ヒスタミン薬と効果を比較したデータがありませんが、デザレックス錠はクラリチン錠と同程度の効果があるため、強さはかなり弱いことが予想できます。
デザレックスの副作用(眠気)
抗ヒスタミン薬は脳内ヒスタミンブロック率(脳内H1受容体占有率)によって3グループに分類されています。
- 非鎮静性
- 軽度鎮静性
- 鎮静性
脳内ヒスタミンブロック率が高いと、眠気、だるさなどの副作用が起こりやすいです。
デザレックスもクラリチンと同様に、非鎮静性の第2世代抗ヒスタミン薬であるため、眠気などの副作用の頻度は低いです。
ただし、デザレックスは増量すると眠気の副作用頻度が増大します。
主な副作用 | デザレックス 1錠 |
デザレックス 2錠 |
プラセボ |
---|---|---|---|
傾眠 (眠気) |
1.0% | 2.8% | 1.0% |
めまい | 0.2% | – | – |
頭痛 | – | – | 0.2% |
– | デザレックス 1錠 |
デザレックス 2錠 |
プラセボ |
---|---|---|---|
副作用の合計 | 4.0% | 6.0% | 2.6% |
『花粉症薬で眠くなるのは嫌!眠くならない抗アレルギー薬はこれだ!』
デザレックスの飲み方
クラリチンが効かないときは医師が適宜増減できますが、デザレックスは1日1回1錠と厳格に決まっています。(12歳以上の子供、もしく大人)
『クラリチン、ジェネリック ロラタジン、市販の効果的な飲み方』
なぜなら、「デザレックスの副作用(眠気)」で解説した通り、1回2錠飲むと副作用(眠気)を起こす頻度が上がり、デザレックスの特徴「眠気の少ない抗アレルギー薬」が薄れるからです。
眠気の少ない1日1回タイプの抗アレルギー薬に「ザイザル」があります。
デザレックスの食事の影響
食事の影響を受けて効果が減弱する抗アレルギー薬は意外と多いです。その代表薬がアレグラとアレジオンです。
『眠くならないアレグラ(フェキソフェナジン)は花粉症予防にピッタリ!』
『アレジオンは子供も寝る前でOK!花粉症の効果と副作用(眠気)』
デザレックスの主成分デスロラタジンは食事の影響を受けません。朝飲んでも、夜飲んでも効果の差はありません。
デザレックスインタビューフォームより
デザレックスは効かない?花粉症にはこう使おう
ここからは、デザレックスの花粉症へのアプローチ方法を考えたいと思います。
花粉症治療で重要なこと
花粉症の予防と治療で重要なことは、「目のかゆみ、鼻水、鼻づまりの症状がなくても、軽くても、花粉が飛散している間は継続して薬を飲み続ける」ことです。
さらに、「花粉が飛散する前から花粉症薬を飲み始める予防的服用が有効である」とわかっています。
デザレックスは花粉症に効かない?
セレスタミンを除くほとんどの花粉症薬にいえることですが、花粉症の症状が出てから薬を飲み始めてもなかなか薬は効きません。
『抗アレルギー点眼薬の違い 花粉症になる前に知るべき3つの知識』
『ステロイド点鼻薬の特徴(アラミスト、ナゾネックス、フルナーゼ、エリザス)』
デザレックスはその傾向が強く、症状が出てから飲んでいては効きません。
『セレスタミンの飲み方は頓服がベスト!こうすれば花粉症に効く』
デザレックスは予防的服用で効果を発揮
デザレックスは1日1回で眠気もほとんどでないため、花粉症予防的服用にはちょうどいいです。
実際、私が2018年の花粉症シーズンに入る前の1月30日から飲み始めたところ、難なく花粉症シーズンを乗り切ることができました。
まとめ
- デザレックスはクラリチンの活性代謝物デスロラタジンを主成分とする第2世代抗ヒスタミン薬
- デスロラタジン5mgはロラタジン10mgと同等の効果が期待できる
- デザレックスは、クラリチンと比較すると効果の差が出にくい
- クラリチンは効果不十分な場合増量できるが、デザレックスは増量できない
- デザレックスは食事の影響を受けない
- デザレックスはクラリチンと同等の効果で薬価が安い
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