とびひにはゲンタシン、フシジンレオ、テラマイシンなどが昔から使われています
しかし、これらの軟膏は多くの皮膚感染症に使われているため、すでに多くの耐性菌(特定の抗生物質に効かない細菌)ができているかもしれません。
そこで、とびひの塗り薬として注目されているのが、アクアチムやゼビアックスなどのキノロン系抗菌剤です。
(アクアチム・ゼビアックスはニキビ薬のイメージが強いですが、とびひにも効果があります)
※とびひは正確には伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)といいます。
3種類のアクアチム
アクアチムは軟膏/クリーム/ローションの3種類があります。
アクアチムはナジフロキサシンを主成分とする世界初のニューキノロン系抗菌剤の塗り薬です。
アクアチムはニキビ薬のイメージが強いせいか、とびひ薬としてはあまり使われていません。耐性菌問題も(今のところ)少なく、効果も優れると評判です。
とびひ薬と耐性菌問題はこちら!
『とびひを悪化させるな!ゲンタシン軟膏の効果的な使い方はこうだ!』
アクアチム軟膏の特徴
アクアチム軟膏は皮膚の保護に優れ、刺激が少ないです。あらゆる皮膚の状態に使えます。
しかし、アクアチム軟膏は白色ワセリンを基剤に使っているので特有のベトベト感があります。
白色ワセリンはこちらで解説!
『プロペトと白色ワセリンの違いはこれ!市販も色々あるけど何が違うの?』
基剤とは
主成分を溶け込ませて安定させる受け皿です。
アクアチムは1%の主成分と99%の基剤からできています。
詳しくはこちらをチェック!
『塗り薬の軟膏とクリームの違いは基剤!吸収率、使用感で使い分ける』
アクアチムクリームの特徴
アクアチムクリームは塗り心地がピカイチです。
しかし、アクアチムクリームは水溶性と脂溶性の基剤を使用しているため、添加物がアクアチム軟膏より多く、かぶれなどの副作用を起こすことがあります。
アクアチムローションの特徴
アクアチムローションはサラっとした塗り心地で、広範囲に塗るのに適しています。
しかし、添加物にアルコールを含むため、少しでも皮膚に傷があるとシミます。
アクアチムの効果No.1は?
アクアチムの主成分はナジフロキサシンです。
ナジフロキサシンはブドウ球菌属・アクネ菌を殺菌する効果があるため、とびひ治療にはもってこいです。
ですので、アクアチム軟膏/クリーム/ローションは同じ条件で同じ使い方をすれば、どれも同じくらいの効果があります。
しかし、とびひに効果があるはずなのに、とびひに使われないアクアチムがあります。
とびひに使わないアクアチムは?
健康保険の関係で、とびひに使わない(使えない)塗り薬がひとつだけあります。
それはアクアチムローションです。
そして、とびひに使うのはアクアチム軟膏が多いです。
とびひはかゆみ強い皮膚病です。
そのため、掻きむしり傷になり、水ぶくれになることも多く、あらゆる皮膚症状に対応できるアクアチム軟膏がちょうどいいからです。
かゆみには花粉症によく使われる抗ヒスタミン薬が有効です。
『花粉症薬で眠くなるのは嫌!眠くならない抗アレルギー薬はこれだ!』
また、アクアチムはニキビ薬としても有名ですが、アクアチムローションが保険上の理由でとびひと使わないのと同様に、アクアチム軟膏もニキビに使いません。
(そもそも軟膏のベタベタ感は、ニキビ治療に不向きです)
『ゲンタシンとアクアチムはとびひに効果あり!比較した意外な結果は?』
まとめ
種類 | ニキビ | とびひ |
---|---|---|
アクアチムクリーム | ○ | ○ |
アクアチムローション | ○ | × |
アクアチム軟膏 | × | ○ |
- アクアチムはナジフロキサシンを主成分とする世界初のニューキノロン系抗菌剤の塗り薬
- アクアチムは軟膏/クリーム/ローションの3種類がある
- いずれもとびひに効果があるが、アクアチムローションは保険上の理由でとびひには使わない
- とびひに使う多くはアクアチム軟膏であるが、クリームも同等の効果がある
- アクアチムクリームはとびひとニキビの両方に使える
- とびひのかゆみには抗ヒスタミン薬が有効
強い化膿炎症を起こしたニキビには、抗生物質の飲み薬も有効です。
コメント