ヒルドイドは有名な保湿剤ですが、他にもそれに代わる塗り薬はあります。
- ウレパール・ケラチナミン・パスタロン(尿素)
- ザーネ(ビタミンA油)
- プロペト(白色ワセリン)
ウレパールにはヒルドイドにはない角質軟化作用があり、手や足のガサガサ、かかとひび割れに使うのに適しています。
そのため、ウレパールはハンドクリーム、かかとクリームとも呼ばれています。
ですが、かかとや手足に限った塗り薬というわけではありません。体や腕にも使えます。
また、ヒルドイドと同じように「顔に使っていい?」との質問もよく受けます。
ウレパールを顔にOK?
ウレパールを顔にOK?という質問にさっそく答えましょう。
「使ってはいけないわけではないが、あえてウレパールを顔に使う必要はない」
これが答えです。
ウレパールはハンドクリーム、かかとクリームの愛称で知られていますが、顔に使うのが間違いというわけではありません。
なぜなら、顔には他に最適な保湿剤があり、ウレパールをわざわざ顔に使う必要はないからです。
- ヒルドイド
『ヒルドイドローションで顔にうるおい100%!使い方をホンキで解説』 - ビーソフテン
『まだ知らないの?ビーソフテンローションは化粧水代わりにならないよ』 - ヘパリン類似物質
『ヘパリン類似物質外用泡状スプレーは顔もOK!使い方もこれで完璧に』 - プロペト(白色ワセリン)
『プロペトと白色ワセリンの違いはこれ!市販も色々あるけど何が違うの?』
ビーソフテンローションは白色ワセリン・アルコール無添加です。
顔のテカリもなく刺激感が少ないため、顔の保湿には特におすすめです。
それでは、ウレパールを顔に使うのが間違いではない理由を解説していきます。
ウレパールの2つの効果
ウレパールはクリーム(左)とローション(右)の2種類があります。
ウレパールは10%濃度の尿素を主成分とする保湿剤です。
保湿効果と角質軟化効果の2つの効果があります。
1.保湿効果
ウレパールの主成分尿素は、角質の水分保持量を増加させます。
保湿効果には主に2種類あります。
モイスチャーライザー効果
モイスチャライザー効果とは、水分を肌にとどまらせて乾燥肌を改善する効果をいいます。
モイスチャライザー効果は皮膚のバリア機能が大きく関係しています。
<例>ヒルドイド、ウレパール
『ヒルドイドローションの効能効果はコレ!だから顔もぷるっぷるに』
エモリエント効果
エモリエント効果とは、肌の外側をラップして水分蒸発を防ぐ効果をいいます。
<例>ワセリン
『ワセリン(プロペト)の効果で顔がプルン!美容美肌にはこう使おう』
2.角質軟化効果
ウレパールの尿素は古い角質を溶かして、分厚くなった角質をやわらかくします。
この作用のおかげで、ウレパールは手荒れ、かかとひび割れに効くのです。
ウレパールの効能効果
ウレパールクリームとウレパールローションには共通する7つの効能効果があります。
効果の種類 | 病名 | クリーム 効果 | ローション 効果 |
---|---|---|---|
保湿効果 | 老人性乾皮症 (老人皮膚) | 89.3 | 92.0 |
アトピー皮膚 | 76.7 | 82.1 | |
進行性指掌角皮症 (手荒れ) | 66.7 | 75.8 | |
角質軟化効果 | 魚鱗癬 (ぎょくせんりん) | 87.1 | 92.9 |
足蹠部皸裂性皮膚炎 (かかとひび割れ) | 88.3 | 60.0 | |
掌蹠角化症 (しょうせきかっかしょう) | 41.2 | 42.9 | |
毛孔性苔癬 (もうこうせいたいせん) | 42.9 | 56.3 |
※効果=有効率%
さらに、ウレパールローションは7つの効能にプラスして頭部粃糠疹(とうぶひこんしん:ふけ症)にも効果(67.3%)があります。
アトピー・老人皮膚の保湿にはウレパールよりヒルドイドの処方が圧倒的です。
一方、かかとひび割れには、ウレパールよりサリチル酸ワセリンの方が効きます。
『サリチル酸ワセリンの かかとひび割れに効く使い方!市販はある?』
かかとへの保湿を充実されるためには、サリチル酸ワセリンに加えて、モイスチャー効果を持つウレパールクリーム・ケラチナミン・パスタロンの併用が有効です。
『パスタロンクリーム/ローション/ソフト軟膏は かかと・顔にも効果ある?』
ウレパールとヒルドイドの違い
ウレパールとヒルドイドの違いをまとめるとこうです。
ウレパール | ヒルドイド | |
---|---|---|
主成分 | 尿素 | ヘパリン類似物質 |
効果 | 保湿効果 皮膚軟化効果 | 保湿効果 血流改善効果 傷をキレイにする効果 |
主な使用場所 | 手、足、かかと | 顔を含む全身 |
疾患 | かかとひび割れ 手荒れ | アトピー 老人皮膚 |
『ヒルドイドの保湿効果は凄すぎる!さらに傷痕、ケロイド、しもやけにも』
ウレパールの副作用
ウレパールは副作用に神経質になる必要はありませんが、皮膚のうすいところやひび割れのひどいところに塗ると、尿素が原因でピリピリ感を起こす場合があります。
ウレパールの主な副作用
副作用 | クリーム | ローション |
---|---|---|
ピリピリ感 | 3.7 | 3.4 |
紅斑(赤み) | – | 1.0 |
かゆみ | 1.0 | – |
ウレパールのピリピリ感(副作用)が気になる場合は、プロペト(白色ワセリン)を試してみるといいです。
『万能すぎる!白色ワセリン、プロペト、サンホワイトの使い方7選』
ウレパールの使い方
ウレパールの添付文書によると、塗る回数は1日2~3回です。
ウレパールを1日1回しか塗れない場合は、ベストタイミングは入浴後すぐです。
入浴後は、皮膚は普段より水分を多く含んでいます。
その水分を逃がさないためにもすぐにウレパールをすり込みます。
入浴後に塗り忘れたときは、思い出したときにできるだけ早くすり込みます。
1日2回塗るのであれば、入浴後と朝です。
日常の活動に入る前の朝は塗り忘れが少なく、全身に塗れるからです。
手荒れにウレパールを使っているのであれば、水仕事後に使うのもグッドです。
ウレパールとステロイドの順番
ウレパールとステロイド軟膏は、同じ場所に一緒に使うケースも多いです。
どの順番で使っても効果に差が出るわけではありませんが、ウレパール→ステロイドの順番に使うことをおすすめしています。
その理由はこうです。
- ステロイド軟膏は、炎症部分などに部分的に塗ります。
- ウレパールは乾燥部分に全体的に塗るケースが多いです。
塗る場所が限定されているステロイド軟膏を先に塗ると、ウレパールを塗る際に関係のない皮膚に、ステロイド軟膏をぬり広げてしまうからです。
『発表!ヒルドイドの順番 化粧水/乳液/ニキビ薬/ステロイド』
また、ステロイドはヒルドイド/ワセリン/ウレパールと混合することもおおいですが、混合でステロイドの効果が弱くなるわけではありません。
くわしくはこちらで解説しています。
『ステロイドが怖い!ヒルドイドやワセリンで薄めると強さも弱くなる?』
尿素系軟膏/クリーム/ローションの種類
尿素クリームは、ウレパール、ケラチナミン、パスタロン、アセチロール、ワイドコールあたりが有名です。
これら尿素クリームの違いは、尿素濃度、軟膏、クリーム、ローション、薬価(薬の値段)です。
尿素クリーム | 尿素濃度 (%) | 種類 | 薬価 (円) | GE |
---|---|---|---|---|
ケラチナミン | 20 | クリーム | 6.8 | × |
ウレパール | 10 | クリーム ローション | 6.6 | × |
パスタロン | 10 20 | クリーム ソフト軟膏 ローション | 6.6~6.8 | × |
アセチロール | 10 20 | クリーム 軟膏 | 5.2 | ○ |
ワイドコール | 20 | クリーム | 5.2 | ○ |
GE:ジェネリック
同じクリーム同士であっても、基剤の違いがあるため塗り心地が違います。
例えば、ワイドコールクリームはケラチナミンクリームよりのびがいいので塗り広げやすいです。
ウレパールの市販薬
尿素クリームはドラッグストアや薬局で市販されています。
ドラッグストアでは、冬になると山積みにされている尿素クリームを見かけませんか?
ウレパールの市販は、ウレパールプラスクリーム(ローション)です。
ウレパールプラスクリーム(ローション)はウレパールと同じ濃度10%の尿素を含み、乾燥によるかゆみを抑えるリドカイン・ジフェンヒドラミンも添加されています。
くわしくはこちらの記事で解説しています。
『ウレパール市販はコレ!でも病院用と ちょっと違うじゃない?』
まとめ
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- ハンドクリーム、かかとクリームとも呼ばれるウレパールの尿素には2つの効果がある
- 角質の水分保持量を増加させる保湿効果(手荒れ)
- 角質をやわらかくする角質軟化効果(かかとのガサガサ)
- ウレパールは顔に塗ってはいけないことはないが、顔にはヒルドイド、ビーソフテン、ヘパリン類似物質がおすすめ
- ウレパールは、1日1回以上入浴後すぐにすり込むのが効果的
- 皮膚のうすいところやひび割れのひどいところにウレパールを塗ると、ピリピリ感を起こす場合がある(副作用)
- ウレパールの市販薬はウレパールプラスであるが、ウレパールと同一ではない
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