- 抗ヒスタミン薬
(アレグラ、アレロック、ザイザルなど) - 抗ロイコトリエン薬
(オノン、キプレス、シングレアなど)
花粉症の症状が悪化したとき、薬の変更や追加を行っても、鼻水や鼻づまりなどの症状はなかなか改善しません。
なぜなら、これらの花粉症薬には即効性がないからです。
一方、セレスタミンは1回の服用でも効果を実感できる即効性と強さがあります。
しかしながら、セレスタミンは他の花粉症薬と性質的に違いがあるため長期服用には向きません。
セレスタミンの強さの秘密を解説します。
※テーマの都合上、セレスタミンを花粉症薬と記載しますが、セレスタミンは花粉症以外の症状にも使われます。
※セレスタミンの正式名称はセレスタミン配合錠です。
セレスタミンはステロイド花粉症薬
セレスタミンは小児用シロップで有名なポララミン(成分:クロルフェニラミン)に、軟膏・目薬などで有名なリンデロン(成分:ベタメタゾン)をプラスした配合剤です。
『ステロイド点眼薬の種類と強さ こう使えば花粉症も吹っ飛ぶよ!』
ですので、セレスタミンはポララミンの抗ヒスタミン作用と、リンデロンのステロイド作用の2つの効果が期待できます。
セレスタミンの種類
セレスタミンは、通常の錠剤(配合錠)とシロップの2種類があります。
セレスタミンシロップは甘く飲みやすいため、子供もしっかり飲んでくれます。
セレスタミン錠1錠とセレスタミンシロップ5mLの効果副作用は同等です。
セレスタミン錠1錠中
- ベタメタゾン:0.25mg
- クロルフェニラミン:2mg
セレスタミンシロップ1mL中
- ベタメタゾン:0.05mg
- クロルフェニラミン:0.4mg
セレスタミンの効果
セレスタミンの花粉症(アレルギー性鼻炎)に対する有効率(効果)は82.7%です。
(二重盲検比較試験より)
『セレスタミンの飲み方は頓服がベスト!こうすれば花粉症に効く』
他の疾患のセレスタミンの有効率(効果)は次のとおりです。
- 蕁麻疹:84.4%
- 湿疹・皮膚炎群:87.0%
- 薬疹:100%
セレスタミンの効果の秘密を知るために、リンデロンのステロイド作用とポララミンの抗ヒスタミン作用を解説します。
リンデロン(ステロイド薬)の効果
リンデロンはステロイドです。
ステロイドには主に3つの効果があります。
- 抗炎症効果
花粉症による鼻や目の腫れを抑える - 抗アレルギー効果
花粉症による鼻水・鼻づまり・くしゃみ・目のかゆみを抑える - 免疫抑制効果
セレスタミンの強さの秘密はリンデロン(ステロイド)にあります。
なぜなら、他の花粉症薬はステロイドを含まない、抗ヒスタミン薬であったり抗ロイコトリエン薬であり、これらの薬はジワーッとしか効かないからです。
抗ロイコトリエン薬
『キプレス、シングレア(モンテルカスト)は花粉症鼻づまりに効果良好!』
ポララミン(抗ヒスタミン薬)の効果
現在の花粉症治療は、アレグラ・ザイザル・アレジオンなどの第2世代抗ヒスタミン薬が主流です。
なぜなら、第2世代抗ヒスタミン薬は第1世代抗ヒスタミン薬と比較すると、効果と副作用のバランスがよく使いやすいからです。
『アレグラ、ザイザル、アレロック、アレジオンの強さ 眠くならない抗アレルギー薬は?』
一方、ポララミンは第1世代の抗ヒスタミン薬ですので、花粉症に対する効果は強いですが、副作用も強くでる場合があります。
セレスタミンは風邪に効く?
セレスタミンは風邪には効果はありません。
しかし、セレスタミンを風邪の症状緩和目的に使っているのだろうな。と思われる処方箋に出くわすことはあります。
- 鼻水・鼻づまり
- 喉の炎症・痛み
ただし、風邪症状は体の防御反応の表れですので、安易に止めることはおすすめしません。
- 喉の痛みは炎症を起こして免疫を強化
- 鼻水や咳はウイルスや細菌を体外へ
抗生物質と風邪の誤解はコチラの記事を参照しよう。
『クラリスロマイシン(クラリス/クラリシッド)は風邪には効かない!処方する理由は?』
セレスタミンとジェネリックの価格
セレスタミンは安い薬ですので、ジェネリックを使うメリットはほとんどありません。
– | 薬剤名 | 薬価 |
---|---|---|
先発 | セレスタミン配合錠 | 9.9円 |
セレスタミン配合シロップ | 5.2円 | |
ジェネリック | ヒスタブロック サクコルチン ベタセレミンなど |
5.6円 |
※セレスタミンシロップのジェネリックはありません。
『セレスタミンシロップの小児用量 赤ちゃん子供にはこう使おう!』
花粉症薬は薬価(薬の値段)が高い薬が多いですが、セレスタミンは安いため、費用対効果が良好です。
花粉症薬 | 薬価 |
---|---|
アレジオン20mg | 120.3円 |
ザイザル5mg | 96.4円 |
アレロック5mg | 51.5円 |
アレグラ60mg | 64.9円 |
花粉症薬のスタンダード:アレジオン
『アレジオン(エピナスチン)は子供(小児)も花粉症に寝る前でOK!効果と副作用』
ジルテック進化薬:ザイザル
『ザイザルは副作用(眠気)が少なく花粉症にも効果も抜群!』
最強抗ヒスタミン薬!?:アレロック
『アレロック(オロパタジン)は花粉症に強い効果!でも副作用で眠い?』
知名度No1花粉症薬:アレグラ
『眠くならないアレグラ(フェキソフェナジン)は花粉症予防にピッタリ!』
セレスタミンはドーピング違反
セレスタミンはステロイドを含むのでドーピング違反になります。ステロイドはエネルギー代謝を強くする(活性化させる)からです。
スポーツ選手はドーピング違反に注意して花粉症薬を選ばなくてはなりません。
『東京オリンピックまでに確認したいアンチドーピングと薬の基礎知識』
まとめ
- セレスタミンはポララミン(抗ヒスタミン薬)とリンデロン(ステロイド)の配合剤
- ステロイドには3つの効果があり、それが花粉症に強く効く
- ポララミンは第1世代抗ヒスタミン薬であるため花粉症に強く効くが、眠気などの副作用も強い
- ステロイドを含むセレスタミンはドーピング注意
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