ヒルドイドは3つの効果が期待できます。
- 保湿効果
- 傷痕をキレイにする効果
- 血流改善効果
保湿効果は乾燥肌(皮脂欠乏症)と手荒れ(進行性指掌角皮症)に利用されています。
傷痕をキレイにする効果はそのままですね。
血流改善効果はしもやけ(凍瘡)に利用されています。
そしてネットでは
- ヒルドイドをニキビに塗ったら治った
- ニキビ痕にも効いた
など、ヒルドイドをニキビやニキビ痕に使ったレビューがあふれ、効いたという体験もあります。
ヒルドイドはニキビ痕に効かない
結論を書くと、ヒルドイドは純粋なニキビ痕をキレイにしません。
ヒルドイドには線維芽細胞の異常な増殖を抑える作用があり、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)やケロイドと呼ばれる、盛り上がった傷痕を治す効果があります。
『ヒルドイドの保湿効果は凄すぎる!さらに傷痕、ケロイド、しもやけにも』
肥厚性瘢痕
傷痕は線維芽細胞(せんいがさいぼう)の異常な増殖によって起こると考えられています。
傷の範囲を超えない赤く盛り上がった傷痕を肥厚性瘢痕といいます
ケロイド
見た感じでは肥厚性瘢痕と区別が付きませんが、もとの傷の範囲を超えて盛り上がった傷痕をケロイドといいます。
しかしながら、ニキビ痕はニキビの化膿や炎症の治療が遅れて起こることが多く、これにはヒルドイドの効果はおよびません。
ヒルドイドがニキビ痕に効くという誤解は、ニキビ痕と傷痕を同じものとしてとらえてしまっているからでしょう。
『アットノン(ヒルドイド市販)はケロイド・肥厚性瘢痕に効く塗り薬?』
ヒルドイドはニキビに効果はないが…
ヒルドイドはニキビ薬ではありません。そのためニキビに直接的効果はありません。
しかし、ヒルドイドの保湿作用はニキビができにくい肌環境を整えてくれます。
ニキビはオイリーな肌に多い肌トラブルと考えられがちですが、乾燥が原因でニキビができる場合もあるからです。
- オイリーな肌に多い思春期ニキビ
- 乾燥肌に多い大人ニキビ
乾燥肌でニキビができるカラクリはこうです。
- 肌のバリア機能が低下する
- 肌から水分が逃げて乾燥する
- 乾燥が続くと肌は弾力性を失う
- 肌が弾力性を失うと皮脂がつまる
(ニキビができやすい環境が整う)
ヒルドイドはバリア機能を改善して、ニキビができにくい肌環境を整えます。
ヒルドイドがニキビに効くという誤解の原因
「ヒルドイドはニキビに効果がないが…」で解説したとおり、ヒルドイドは直接ニキビには効果がありません。
しかし、なぜ「ニキビやニキビ痕に効果がある」という誤解が生まれるのでしょうか?
それは、ヒルドイドはニキビ薬と一緒に処方されることが多いためです。
誤解はこのように広がっていたのでしょう。
- ニキビ薬と一緒に使ったヒルドイドがニキビに効いたと感じた誰かがネットに書き込む
- それを見たユーザーが同じように使う
- たまたまニキビが治まった
- ネットに書き込む
(2~4の繰り返し)
ヒルドイドとニキビ薬を併用する理由
ニキビ薬を使う前にヒルドイドを使えば、副作用が軽くなることが経験上わかっています。
だから、ニキビ薬と併用されることが多いのです。
ニキビ薬は大きく分けると2種類に分類できますが、今回フォーカスしたいのはピーリング系ニキビ薬です。
- ピーリング系ニキビ薬
ディフェリン、ベピオ、エピデュオ - 抗生物質系ニキビ薬
アクアチム、ダラシン、ゼビアックス
※ニキビ薬にはベピオ+ダラシンの配合剤デュアックもありますが、本記事では割愛します。
『デュアックのニキビ長期使用に要注意!使い方と副作用がスッキリス』
ピーリング系ニキビ薬は皮膚の真っ赤になることがあります。。実際使ってひどい目に合った方も、なかにはいるかもしれません。特にエピデュオは…。
『エピデュオゲルの副作用 痛い 赤くなる かゆい!はなぜ起こる?』
ひどい目に合わなくとも、多くの方が感じるのが皮膚の乾燥感、ツッパリ感の副作用です。
『発表!ヒルドイドの順番 化粧水/乳液/ニキビ薬/ステロイド』
まとめ
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- ヒルドイドは傷痕をキレイにする効果がある
- しかし、ニキビ痕に効くかは不明(おそらく効かない)
- ニキビには効かないが、ニキビができにくい環境を整えてくれる
- ニキビに効くという誤解は、ヒルドイドとニキビ薬が一緒に処方されることが多いから
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