「ザイザルはジルテック錠10mgと同等の効果がある」として発売され、数年経過しました。
現在では、ザイザル錠は期待以上の効果を持ち、副作用も少ないという評価が多いです。
花粉症などのアレルギーは大人だけの問題ではありません。
ザイザル錠は7歳以上の子供が対象であるため、7歳未満の子供でも服用しやすい剤形の開発が求められていました。
そして2014年、6カ月の赤ちゃんから使えるザイザルシロップが発売され、味も甘く飲みやすいため、花粉症の鼻水やかゆみを中心に使われています
ザイザルはジルテックの改良型薬
ザイザルはジルテックの改良型抗アレルギー薬です。
ザイザルの主成分レボセチリジンは、ジルテックの成分セチリジンから抽出して作られています。
レボセチリジンは抗アレルギー作用のある活性本体です。眠気などの副作用を軽くすると同時に効果を高めています。
ザイザルの種類
ザイザルには錠剤(主に大人用)と、2014年に発売されたシロップ(主に子供用)があります。
ザイザル錠は特殊なシートのため錠剤が出しにくいです。
子供用のザイザルシロップは液だれ防止キャップがないため、調剤するときに液だれします。
→「調剤しにくい」との意見が多いため、2018年4月に液だれ防止キャップが付きました。
ザイザルシロップの味
「ザイザルシロップの味が原因で飲めなかった」という話を、今のところ聞いたことがありません。
ザイザルシロップを口に入れると薬の苦みも感じますが、それ以上に甘みが口の中に広がります。
甘み成分のせいでしょうが、手や服に付くとかなりベタベタとするのがネックです。
また、味がおいしくない子供用の粉薬やシロップはたくさんあります。例えば、タミフル、クラリスなどです。
『タミフルドライシロップとイナビルは子供に効かない?苦い味VS吸入』
ザイザルシロップの飲み方
ザイザルシロップは原則小児用ですが大人もOKですが、大人と子供では、1日に飲む量と回数が違います。
大人
大人(15歳以上)は、ザイザルシロップ10mLを1日1回就寝前に飲みます。効果が不十分な場合、ザイザルシロップ20mLまで増量できます。
赤ちゃんから子供 (小児が1日2回飲む理由)
1歳以上15歳未満の子供は、1日2回飲まないと大人と同じ効果を得られません。
- 6カ月以上1歳未満
ザイザルシロップ1回2.5mLを、1日1回飲む - 1歳以上7歳未満
ザイザルシロップ1回2.5mLを、1日2回(朝食後と就寝前)飲む - 7歳以上15歳未満
ザイザルシロップ1回5mLを、1日2回(朝食後と就寝前)飲む
子供も1日1回でOKな抗アレルギー薬はアレジオンドライシロップです。
『アレジオンは子供も寝る前でOK!花粉症の効果と副作用(眠気)』
ザイザルの飲み方(大人・子供)のまとめ
年齢 | 6カ月以上 1歳未満 |
1歳以上 7歳未満 |
7歳以上 15歳未満 |
15歳以上 |
---|---|---|---|---|
ザイザル錠1回量 | × | 0.5錠 | 1錠~2錠 | |
ザイザルシロップ1回量 | 2.5mL | 5mL | 10mL~20mL | |
1日服用回数 | 1回 | 2回 | 1回 |
ザイザルの食事の影響
アレグラやアレジオンは、食事の影響を受けて効果が変化する抗アレルギー薬です。
『眠くならないアレグラ(フェキソフェナジン)は花粉症予防にピッタリ!』
『アレジオン20(市販)アレジオン(薬局)エピナスチン(ジェネリック)の違い』
ザイザルは空腹時に服用すると、食後服用より10%程度効果の増加が期待できますが、食事の影響による効果の差は誤差の範囲内です。
アレグラ、アレジオンほど空腹時服用の効果の増加は期待できません。
ザイザルインタビューフォームより
ザイザルシロップの効果
ザイザルシロップを2週間飲んだ後の効果(中等度改善以上)は次のとおりです。
- アレルギー性鼻炎:75%
- 皮膚のかゆみ:73%
(6カ月~2歳までの子供を対象にしたザイザルシロップの国内臨床試験より)
また、ザイザルシロップは赤ちゃんから子供のアレルギー性の咳にも使われますが、風邪の咳には効果がありません。
(細菌性、ウイルス性の咳には効果がない)
同様に、ウイルス性の風邪にはクラリスもホクナリンテープも効果がありません。
『クラリスロマイシン(クラリス/クラリシッド)は風邪には効かない!それでも使う理由は』
『ホクナリンテープは風邪の咳止めシールではない!元々は喘息の貼り薬だ』
ザイザルと副作用(眠気)
花粉症に強く効く抗アレルギー薬は、眠気などの副作用も強いと考えられてきました。
しかし、最近の研究では、効果(強さ)と副作用(眠気)は比例しないことが分かってきています。
つまり、ザイザルが花粉症などに強く効くから、副作用(眠気)も強いわけではありません。
6カ月以上2歳未満の子供を対象にしたザイザルシロップの臨床試験では、副作用は認められませんでした。
『花粉症薬で眠くなるのは嫌!眠くならない抗アレルギー薬はこれだ!』
まとめ
- ザイザルはジルテックの改良型抗アレルギー薬
- ザイザルには錠剤(主に大人用)と、シロップ(主に子供用)がある
- ザイザルシロップは原則小児用ではあるが、大人もOK(ただし、同じシロップでも大人と子供では服用回数が違う)
- ザイザルシロップは味が甘くて飲みやすい
- 1歳以上15歳未満の子供が1日2回飲む理由は、1日1回では大人と同じ効果を得られないから
- ザイザルシロップはアレルギー性の咳にも使われることがあるが、風邪の咳には効果はない
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