多くの女性を悩ませる足トラブルが、かかとのガサガサ&ひび割れです。
- 夏はサンダルを履くことが多く、見られていないか気になる
- 冬はかかとがガサガサしてひび割れを起こし、ストッキングが破れる
かかとの角質ケアにはケラチナミン・ウレパールが有名ですが、バリバリに割れているかかとにはサリチル酸ワセリンを使ったほうが早くキレイになります。
サリチル酸ワセリンは、ワセリンに皮膚をやわらかくする成分(サリチル酸)をミックスした薬だからです。
さらに、サリチル酸ワセリンは薬価(薬の値段)がケラチナミン・ウレパールより安いというおまけ付きです。
※本記事の「かかとひび割れ」とは、かかとが乾燥して白く割れた状態を指します。
かかとひび割れの原因
かかとひび割れの原因はいくつかありますが、原因の多くは乾燥と圧迫です。
歩いている間や立っている間は、かかとは絶えず圧迫されています。
圧迫を受けたかかとの弾力性は下がり、そこへ乾燥が加わってひび割れるのです。
その かかとひび割れは 水虫かも?
これが3大足水虫です。
- 爪水虫
- 指間水虫
- かかと水虫
かかと水虫とかかとひび割れは、見ただけではわからないくらい似ています。
ですので、皮膚科医はその角質を取って、顕微鏡で水虫菌(白癬菌)の有無を確かめてから判断します。
もし、それがただのかかとひび割れではなく水虫だった場合、サリチル酸ワセリンではひび割れはいつまでたってもよくなりません。
かかとひび割れの原因が水虫であるなら、ルリコン、ラミシール、イトリゾールなどの抗真菌薬を使わないと治らないからです。
(ただし、かかとをやわらかくして水虫薬の浸透をよくするために、サリチル酸ワセリンを使うケースもあります)
サリチル酸ワセリンとワセリンの違い
ワセリンは間接的に保湿効果を発揮するため、顔の美容アイテムとしても人気があります。
サリチル酸ワセリンはサリチル酸とワセリンを混合して作った黄色かかった白色の塗り薬です。
サリチル酸ワセリンを上から見た画
サリチル酸ワセリン(10%)1g中
- サリチル酸 0.1g
- 白色ワセリン 0.9g
サリチル酸ワセリンは10%と5%の2種類がありますが、本記事のサリチル酸ワセリンは10%のサリチル酸ワセリンを指します。
サリチル酸ワセリンの効能効果
サリチル酸には角質軟化溶解作用(皮膚を溶かす作用)と弱い抗菌作用があります。
ですので、サリチル酸をかかとに塗ると、角質がやわらかくなってひび割れが改善されるというわけです。
また、サリチル酸ワセリンは、水虫、にきび、アトピー、かかとひび割れ・・・。
多くの皮膚病に効果があり使われています。
- 乾癬、白癬(水虫)、癜風(でんぷう)
- 角化症(かかとひび割れなど)
- 湿疹(角化を伴う)、口囲皮膚炎
- 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
- アトピー性皮膚炎、ざ瘡(ニキビ)
- 多汗症
- その他角化性の皮膚疾患。
サリチル酸ワセリン添付文書より抜粋、加筆
サリチル酸ワセリンの使い方 (かかとひび割れ)
使う回数
サリチル酸ワセリンは、皮膚がやわらかくなっているときに使うのが最適です。
ですので、入浴後の使うのがグッドです。さらに、朝にも使えるとベリーグッドです。
塗る場所
サリチル酸ワセリンは、かかとがガサガサしてひび割れているところ、白くなっている角質に限定して使います。
塗る量
サリチル酸ワセリンの塗る量は、かかとのガサガサがうるおうくらいの量です。
サリチル酸ワセリンをかかとに塗った後は、忘れずに靴下などを履きます。
さもないと、サリチル酸ワセリンがフローリングにベタベタになります。
いつまで使う?
かかとひび割れが改善してきたら、サリチル酸ワセリンの量を減らしていき、最終的には中止します。
サリチル酸ワセリンは正常な状態の皮膚に塗り続けると、皮膚がうすくなって痛みが出てくるからです。
サリチル酸ワセリンを止めた後は、かかとひび割れ予防のためにヒルドイド・プロペトなどの保湿剤を使うとよいでしょう。
もちろんケラチナミンやウレパールでもOKです。
『ウレパールクリーム/ローションは顔もOK?かかと、手荒れには効果抜群!』
サリチル酸ワセリンの副作用
サリチル酸ワセリンは、副作用発現頻度が明らかになる調査は行われていません。
角質に(かかとに?)合わない場合、赤み、かゆみなどの副作用が出る可能性があります。
(正常な皮膚に塗ると、皮膚がうすくなり痛みが出てくる場合がある)
サリチル酸ワセリンの市販
理由はわかりませんが、サリチル酸ワセリンは市販されていません。
その代わりに、タコ(ベンチ)、魚の目(鶏眼:けいがん)の治療薬として有名なスピール膏(サリチル酸含有)があり、ドラッグストアで市販されています。
『スピール膏はたこに効果抜群!使い方と取り方はこういう感じで』
スピール軟膏
スピール膏には高濃度サリチル酸(50%)が使われており、サリチル酸の角質軟化溶解作用でたこ、魚の目をやわらかくします。
たこ、魚の目に似た症状にイボ(ウイルス性疣贅:ゆうぜい)がありますが、ウイルス性のイボにはサリチル酸は効きません。
ウイルス性のイボは液体窒素でジュッとする痛い治療(冷凍凝固療法)やヨクイニンが有効です。
『スピール膏はウイルス性イボに効かない!その単純すぎる理由は?』
スピールジェル
スピールシリーズの市販には、貼り薬タイプ以外にサリチル酸15%を配合した塗り薬(ジェル、液)タイプもあります。
スピールジェルもサリチル酸を含む塗り薬ですので、かかとに塗ればひび割れは改善すると思いますが、薬効の適応外ですのでおすすめできません。
(すごくツルツルになる予感はします)
サリチル酸ワセリンの薬価(薬の値段)
かかとひび割れには、ケラチナミン・ウレパールよりサリチル酸ワセリンの方が効果に満足するでしょう。(ホントにツルツルになりますから)
さらに、薬価もかなり安くお得です。
1gあたりの薬価
- サリチル酸ワセリン:2.52円
- ケラチナミン:6.2円
- ウレパール:6.1円
まとめ
- かかとの角質ケアに使う塗り薬はケラチナミン・ウレパールが有名だが、皮膚科ではサリチル酸ワセリンを使うことも多い。
- その かかとひび割れは水虫かもしれないため、皮膚科の受診がおすすめ。
- サリチル酸ワセリンには角質軟化溶解作用、弱い抗菌作用、皮膚保護作用がある。
- サリチル酸ワセリンは1日1回~2回かかとひび割れに塗って、よくなってきたら減量または中止する。
- サリチル酸を含む市販にスピールシリーズがあるが、これらはたこ・魚の目の治療薬。
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