労災で死亡したとき、家族がもらえる遺族年金額と埋葬料

労災保険
この記事は約4分で読めます。

当ブログはアフィリエイト広告を利用しています

仕事中、通勤中に起こった労災が原因で、死亡事故が起こることがあります。

特に次のような仕事に従事する人は、労災の死亡事故確率が高いと考えられます。

  1. 高所での作業に従事する人
  2. 自動車の運転に従事する人
  3. 船上の業務に従事する人
  4. 人命の救助や犯罪に立ち向かう人

 

自分が死亡することなんて考えたくもありませんが、一度想像してみてください。

あなたのご家族は、今までどおりの生活ができそうですか?

労災保険には、このような悲劇が起こった家族を補償してくれる年金制度があります。

 

労災保険の仕組み

 

労災保険の遺族年金の概要

労災保険の遺族年金は、日本年金機構の遺族年金とは別の年金制度です。

年金はいくらもらえる?(遺族基礎年金+遺族厚生年金支給額)と条件
生命保険に入る前に遺族年金がいくらもらえるのかを計算しましょう。遺族年金は、遺族基礎年金と遺族厚生年金がありますが、支給条件や年金支給額がかなり違います。

 

労災保険の遺族年金の制度

仕事中に起こった怪我や病気が原因で死亡した場合、遺族に年金(いわゆる保険金)が給付されます。

 

遺族年金は仕組みが複雑なため、今回は最もポピュラーな家族構成で、世帯主が労災事故で死亡したことを想定して解説します。

森田和家・家族構成

 

給付基礎日額の計算過程はこちら

労災保険の休業補償 怪我、病気、入院、治療でもらえる金額を計算
サラリーマンには、仕事中・通勤中の怪我や病気が原因で、医療機関を受診したり、入院や療養(治療)で仕事を休んだときの補償があります。労災保険の療養補償給付と休業補償給付です。

算定基礎日額の計算過程はこちら

労災保険の傷病年金と障害給付は、傷病等級と障害等級で補償が違う
労災保険では、仕事中・通勤中の怪我や病気で仕事を休むことになった場合休業給付があります。病気が長期化した場合や、ひどい障害を負ってしまった時は、傷病年金や障害給付を受給できます。

 

労災保険の遺族年金をもらえる人(受給権者)

遺族年金と遺族特別年金は、遺族の数によってもらえる補償額が違います。

今回の例では、遺族の数は妻、長男、長女の3人になりそうですが違います。

 

なぜなら、

労災保険の遺族の数は、「受給権者および受給権者と生計を同じくしている受給資格者の数だからです。

受給権者
受給資格者のうちで第1位の順位者のこと【が該当】

受給資格者(抜粋)
被災労働者の死亡当時、その収入によって生計を維持していた、もしくは一部を維持していた人

  1. 配偶者【が該当】
  2. 子供(18歳に達する日以後の最初の3月31日まで)【長女が該当】
  3. 一定の障害のある子供
  4. 高齢の父母、もしくは障害のある父母

受給資格者順位(抜粋)

  1. 子供(18歳に達する日以後の最初の3月31日まで)、一定の障害のある子供
  2. 60歳以上のの父母、一定の障害のある父母

今回のケースでは2人(妻・長女)です。
(長男は20歳のため、受給資格者ではない

労災保険の遺族年金の補償額 (労災事故で死亡すると家族はいくらもらえる?)

遺族年金の補償額の計算

遺族年金 遺族特別年金
遺族数 計算方法 労災死亡時
補償額
計算方法 労災死亡時
補償額
1人 給付基礎日額の 153日分※ ¥2,017,611 算定基礎日額の 153日分※ ¥403,614
2人 201日分 ¥2,650,587 201日分 ¥530,238
3人 223日分 ¥2,940,701 223日分 ¥588,274
4人以上 245日分 ¥3,230,815 245日分 ¥646,310

※遺族が55歳以上の妻、または一定の障害状態にある妻の場合は175日分

給付基礎日額=13,187円
算定基礎日額=  2,638円

 

遺族は2人ですので、遺族年金と遺族特別年金をいくらか計算すると次のとおりです。

遺族年金  =¥2,650,587
遺族特別年金=   ¥530,238
合計    =\3,180,825

 

今回の条件では、世帯主が労災で死亡した時、年間約320万円の年金を遺族はもらう権利があります。

遺族特別給付金の補償額の計算

労働者が仕事中に起こった怪我や病気が原因で死亡したとき、その遺族に一律300万円(1回のみ)を補償します。

埋葬料(埋葬給付)

労働者が仕事中に起こった怪我や病気が原因で死亡した場合に、その遺族か葬祭を行った者に埋葬料が支払われます。

埋葬料(埋葬給付)の金額の計算

  1. 315,000円 + 給付基礎日額の30日分
  2. 給付基礎日額の60日分

1.2の高い方が支払額です。

給付基礎日額 = 13,187円で、それぞれ計算すると

  1. 710,610円
  2. 791,220円

埋葬料は791,220円です。

まとめ

  1. 労働者が仕事中に起こった怪我・病気・事故が原因で死亡した場合、その遺族に遺族年金と埋葬料が給付される
  2. 遺族年金の補償額は、月給(給付基礎日額・算定基礎日額)に比例する
  3. 労災保険の遺族の数え方は特殊で複雑

コメント

タイトルとURLをコピーしました