【調剤報酬(薬代)】一包化加算、内服薬、外用薬の調剤料の計算

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薬代はどこの薬局でもらっても同じ値段ではありません。

薬局の薬代には、薬剤師が調剤する時に発生する調剤料や、患者さまに薬の説明するときに発生する管理料などが含まれているからです。

一体どのようにして、薬代が決まっているのでしょうか?

薬局で支払う薬代の総額は調剤報酬と言われています。

調剤報酬(薬代)
=調剤基本料
 +基準調剤加算
 +後発医薬品調剤体制加算
 +調剤料
 +加算料
 +薬学管理料
 +薬剤料
 +特定保険医療材料等

健康保険の単位は「点」です。1点=10円です。
3割負担の場合は、1点3円の自己負担です。

調剤基本料、基準調剤加算、後発医薬品調剤体制加算の内容は、編集してこちらの記事に移動しました。

2016年調剤報酬改定後の調剤基本料、基準調剤加算、後発医薬品調剤体制加算
2016年調剤報酬改定によって、調剤基本料、基準調剤加算、後発医薬品調剤体制加算の算定要件と点数が大きくかわり、薬局は大きな方向転換を迫られています。
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内服薬の調剤料

内服薬調剤料の点数

本記事の内服薬とは、毎日定期的に服用する薬のことです。
(内服薬とは、一般的には飲み薬を指します)

内服薬の調剤料は、調剤した日数で決まります。
5点~261点です。

2016年の調剤報酬改定後、内服薬の調剤料は減点されています。

調剤日数 2014年調剤報酬改定 2016年調剤報酬改定
7日分以下 1日分につき5点
8日分~14日分 35点+1日分につき4点
15日分~21日分 一律71点 一律70点
22日分~30日分 一律81点 一律80点
31日分~ 一律89点 一律87点

内服薬調剤料の計算

【5日分】
5点 × 5日分 = 25点

【10日分】
7日分(35点)+(4点×3日分)=47点

楽勝ですね。

実際の処方箋の内服薬の点数を計算してみましょう。

内服薬の調剤料は、3種類の用法(薬の飲み方、使い方のこと)まで算定できます。

  • (処方1)
    ガスモチン錠5mg   3錠 
          毎食後 14日分
  • (処方2)
    ツムラ葛根湯    7.5g
          毎食前 14日分
  • (処方3)
    アムロジン錠5mg   1錠
          朝食後 14日分
  • (処方4)
    ソラナックス錠0.4mg 1錠
          夕食後 14日分
  • (処方5)
    マリスリー錠10mg  1錠
          寝る前 14日分

1枚の処方箋に、5種類の用法の内服薬があります。

(処方1)~(処方3)の内服薬3種類は調剤料を算定できます。

63点×3種類=189点

(処方4)(処方5)は、内服薬4種類以降のため、調剤料は算定できません。

同じ内服薬を調剤する場合でも、調剤料の点数は違うときがあります。

ガスターD錠20mg  1錠
      夕食後  14日分
タリオン錠10mg    1錠
      夕食後  14日分

内服薬の調剤料を計算するときは、日数と用法が同じときは1つにまとめて計算します。

ガスターD錠20mg  1錠
タリオン錠10mg    1錠
      夕食後  14日分

用法が1種類のため63点です。

次は、日数が同じで用法が違うときの内服薬調剤料の計算です。

ガスターD錠20mg  1錠
      朝食後  14日分
タリオン錠10mg   1錠
      夕食後  14日分

用法が2種類のため126点です。

同じ内服薬を同じ日数調剤するのに、なぜ調剤料が違うの?と疑問の思うところです。

内服薬など、薬は用法が違うとき、調剤行為そのものは変わりありませんが、薬の併用、重複などの考え方が薬学的に違ってきます。

そのため、それぞれに調剤料が計算されます。

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外用薬の調剤料

外用薬調剤料の点数

外用薬の調剤料は1種類につき10点です。

外用剤は調剤日数ではなく、調剤した種類によって計算されます。
外用薬も内服薬と同様に、3種類まで調剤料を算定できます。

外用薬調剤料の計算

4種類の外用薬が、1枚の処方箋に記載されていました。
外用薬の調剤料を計算してみましょう。

  • (処方6)デルモベート軟膏0.05%
        5g 手に1日2回塗布
  • (処方7)ゲンタシン軟膏0.1%
        10g 傷部に1日3回塗布
  • (処方8)ケナログ口腔用軟膏
        5g 口の中に1日数回塗布
  • (処方9)マイザー軟膏0.05%
        5g  足に1日2回塗布

(処方6)~(処方8)の外用薬3種類は、調剤料を算定できます。

10点×3種類=30点

(処方9)は外用薬4種類以降のため、調剤料は算定できません。

頓服薬の調剤料

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頓服薬調剤料の点数

頓服薬の調剤料は調剤した回数や量に関係なく一律21点です。

頓服薬調剤料の計算

ナウゼリン錠10mg 1錠
      嘔吐時 10回分
レルパックス錠20mg 1錠
      頭痛時 10回分

頓服薬の調剤料は21点です。
(誤)21点×2種類=42点

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注射剤の調剤料

頓服薬と同様に、調剤した回数や量に関係なく、注射剤の調剤料は一律26点です。

内服用液剤の調剤料

ラキソベロン液

ラキソベロン液とそのジェネリックは内服用液剤です。

内服用液剤の調剤料は一律10点です。

一包化加算(一包化薬)の調剤料

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一包化とは

一包化薬

一包化とは、薬を分包して、朝食後、昼食後、夕食後、寝る前ごとなどに飲みやすく分けることです。

一包化の目的は、正しく薬を服用できるようにすることです。
高齢者を中心に一包化が行われています。

一包化の方法(動画約1分)

  1. 手をアルコール消毒してから、PTPシートから錠剤を取り出します
  2. 取り出した錠剤を分包機に用法ごとにセットします
  3. 1種類ごとに落とします
  4. 2と3を薬の種類だけ繰り返します
  5. すべての薬をセットし終えたら、正しくセットされているか錠剤数を数えます
  6. 分包したい数を合わせてスタートします

一包化加算の点数

一包化も内服薬と同じで、調剤した(一包化した)日数で点数が決まります。
2016年の調剤報酬改定後、一包化加算の点数は減点されています。

2014年調剤報酬改定

一包化日数 一包化加算点数
1日分~7日分 32点
8日分~56日分 32点+7日ごとに32点加算
57日分以上 一律290点

2014年調剤報酬改定では、57日以上の一包化加算の点数が一律の290点でしたが、
2016年の調剤報酬改定後は、43日以上の一包化加算の点数が一律の220点です。

2016年調剤報酬改定

一包化日数 一包化加算点数
1日分~7日分 32点
8日分~42日分 32点+7日ごとに32点加算
43日分以上 一律220点

一包化加算の計算

  • 【10日分】
    3日分(32点)+7日分(32点)
    =64点
  • 【20日分】
    6日分(32点)+7日分×2(64点)
    =96点
  • 【28日分】
    7日分(32点)+7日分×3(96点)
    =128点

ただし、一包化加算には算定条件があります。

  1. 用法が違う薬を分包する
  2. 3種類以上の薬を分包する

いずれかの条件を満たしている必要があります。

条件さえ満たしていれば

  • 2種類の薬を一包化
  • 5種類の薬を一包化
  • 10種類の薬を一包化

どの一包化も一包化加算の点数は同じです。

嚥下困難者用製剤の調剤料

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嚥下困難者用製剤の調剤料は一律80点です。

普通の錠剤・カプセルの姿では飲めない場合、飲みやすく薬を加工したときに嚥下困難者用製剤の調剤料が算定できます。

薬を飲みやすく加工するとは、主に粉砕(薬を砕いて粉状にすること)などの調剤行為のことです。

浸煎薬の調剤料

浸煎薬(しんせんやく)とは、生薬を熱湯でぐつぐつと煮出して作る薬(せんじ薬の一種)のことです。

浸煎薬の調剤料は、用法ごとに190点で3種類まで算定できます。

浸煎薬は一般の薬局で対応するのが難しいため、漢方・生薬を扱う薬局が担っています。

まとめ

  1. 内服薬の調剤料は、調剤した日数で決まり、3種類の用法まで算定できる
  2. 2016年の調剤報酬改定後、内服薬の調剤料は減点
  3. 外用薬調剤料は1種類につき10点。3種類まで調剤料を算定できる
  4. 頓服薬の調剤料は調剤した回数や量に関係なく、一律21点
  5. 注射剤も調剤した回数や量に関係なく、調剤料は一律26点
  6. 内服用液剤(ラキソベロン)の調剤料は一律10点
  7. 一包化加算は一包化した日数で点数が決まる(ただし条件あり)
  8. 条件を満たしていれば、何種類の薬を一包化しても一包化加算の点数は同じ
  9. 2016年の調剤報酬改定後、一包化加算の点数は減点