うつ病、適応障害で働けない 傷病手当金の条件、支給日、支給期間 退職後は?

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健康で仕事ができるのはありがたいことです。

うつ病、自律神経失調症、適応障害などの精神疾患が原因で働けなくなったり、退職する(半強制的に退職させられる)ケースが増えてきていると聞きます。

人ごとのように思えるかもしれませんが、いつ何が原因で働けなくなるかわかりません。

しかし、健康保険(協会けんぽ、健康保険組合)に加入しているサラリーマンには、
うつ病、自律神経失調症、適応障害などの病気・入院で働けなくなり、十分な収入を得られないときに受けられる生活保障の手当があります。

それが傷病手当金です。

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働けないときは傷病手当金を活用

傷病手当金とは、仕事や通勤以外が原因で、病気や怪我(ケガ)のために働けない状態になったときにもらえる期間限定の手当のことです。

働けない状態になった理由は問われないので、うつ病、自律神経失調症、適応障害、プライベートの事故・怪我など、何でもいいのです。
(× 働きたくない)

傷病手当金の支給条件

支給条件1
業務外の理由で病気や怪我のため療養中

仕事中、通勤中の理由で働けない場合は、労災保険を使います。

労災保険の方が手厚い生活保障を受けられます

労災保険の休業補償と療養補償 怪我、病気、入院でもらえる金額を計算
サラリーマンには、仕事中・通勤中の怪我や病気が原因で、医療機関を受診したり、入院や療養で仕事を休むことになってしまった場合の補償があります。労災保険の療養補償給付と休業補償給付です。

パワハラ、セクハラが原因で、うつ病、自律神経失調症になってしまった場合は、傷病手当金ではなく、労災として認められるようになってきました。

職場のパワーハラスメント(パワハラ)とは
同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為のこと

厚生労働省「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告(平成24年1月30日)」より

支給条件2
働けない

医療機関に入院、もしくは定期的に通院し、医師の指示のもとに治療や投薬を受けている必要があります。

仕事内容により、働けない条件は異なります。

支給条件3
継続して3日間を超えて働けない

待機期間が3日間あります。

待機期間とは、病気等で働けない継続(連続)した期間のことです。この期間は傷病手当金の支給期間の対象ではありません。

待機期間は、給与の支払いの有無は関係なく、有給休暇、休日、祝日もカウントされます。

傷病手当金の支給条件(待機期間)

極端な例ですが、病気で働けず3日間有給休暇を取った場合であっても、4日目からは傷病手当金の支給期間の対象です。

支給条件4
休業期間中に給与の支払いがない

傷病手当金は、病気や怪我で働けない期間の生活保障制度です。
給与が支払われている間は、傷病手当金は支給対象日ではありません。

支給条件5
健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)の被保険者

国民健康保険の被保険者、任意継続被保険者(すでに傷病手当金の支給が始まっている方は除く)は、残念ながら傷病手当金の対象者ではありません。

傷病手当金は、働けないサラリーマンに特化した生活保障です

任意継続とは
2カ月以上健康保険に加入していて、退職日(資格喪失日)から20日以内に所定の手続きを行えば、継続して最大2年間、今までと同じ健康保険に加入できる

傷病手当金の支給期間
(通常)

労災保険の年金 障害等級と傷病等級別に補償金額が違う
仕事中・通勤中の怪我や病気で、仕事を休むことになった場合、休業補償給付があります。病気が長期化した場合や、ひどい障害を負ってしまった時は、傷病補償年金や障害補償年金を受給することができます。

傷病手当金は支給対象日初日から最大で1年6カ月の期間で、支給条件を満たしている支給日のみをカウントして支給されます。

つまり、傷病手当金の支給条件を満たさない日も含めて1年6カ月の期間です。

傷病手当金の支給期間

傷病手当金の支給条件を満たさない日とは、出勤した日有給休暇を取得した日(給与の支払いがあった日)です。

出勤した日や有給休暇を所得した日も含めて、最大で1年6カ月の期間であることがポイントです。

傷病手当金の支給期間
(うつ病などの病気再発時)

同一の病状が原因で働けないときは、傷病手当金の支給対象日初日から1年6カ月間までの期間であれば、何度でも傷病手当金の支給を受けられます。

つまり、

うつ病(自律神経失調症、適応障害)が原因で働けない理由で休んでいた場合で、うつ病(自律神経失調症、適応障害)が再発したときは、傷病手当金の支給対象日初日から1年6カ月間までの期間であれば、何度でも傷病手当金の支給されます。

傷病手当金の支給期間
(退職後)

長期入院が必要な病気はこれだ!平均在院日数(平均入院日数)も発表
平均在院日数(32.8日)の10倍以上の入院期間を必要とする病気があります。長期入院する病気で入院する確率は低いですが、入院することになった場合、1年以上入院することも考えられます。

傷病手当金の支給期間中に退職した場合であっても、次の条件がそろっているときは、退職後も継続して傷病手当金を受けられます。

  1. 退職日まで、継続して1年以上健康保険の被保険者である
  2. 退職日も休業しており、その後も同一の病状により働けない状態が続いている
    (退職日に出勤している場合は、働けない状態とはみなされないので、傷病手当金の受給資格はなし)
  3. 失業保険(失業手当)を受けていない
    失業保険(失業手当)は働く意思と能力を持ち、積極的に求職活動等を行っているが、仕事に就けない状態の方が対象です。
    傷病手当金の支給期間中は、病気等が原因で働けない状態ですので、失業保険の対象ではありません。

退職後の受給期間も、在職中の傷病手当金の支給対象日初日から最大で1年6カ月です。

退職後の傷病手当金と失業保険(失業手当)の併用はできないため、退職後は傷病手当金の受給期間が残っている間は、傷病手当金を継続して受け取ります。

退職後に働ける状態になれば、失業保険(失業手当)を受け取る権利が発生します。

傷病手当金の支給日(振込日)

傷病手当金には、決まった支給日はありません。

健康保険で、傷病手当金支給申請書を審査終了した数日後が支給日です。

傷病手当金の支給日決定に必要な期間

傷病手当金の支給日決定に必要な期間は、傷病手当金支給申請書を提出して約2~3週間後です。

つまり、傷病手当金の支給日は、傷病手当金支給申請書を提出後、書類に不備がなければ2~3週間後です。

傷病手当金の支給は振込

傷病手当金支給申請書に記入した被保険者本人の口座に、傷病手当金は振込されます。

入院などで本人が受け取れないときは委任が可能です。
その場合は、受取代理人口座に振込されます。

傷病手当金の支給日(振込日)までの手続き例

働けない期間が長くなることを考えると、その間の生活費の保障が必要です。

傷病手当金は、1回の申請で申請できる期間の上限はありませんが、傷病手当金支給申請書は定期的に作成し、傷病手当金を受ける必要があります。

3月1日から3月31日分の傷病手当金を受ける場合の一般的な手続きを紹介します。

  1. 3月31日までに、傷病手当金支給申請書の本人記入欄を記入
  2. 4月1日、病院を受診して医師に医師記入欄に記入依頼。会社へ郵送
  3. 4月3日、会社の担当者が会社記入欄を記入。必要書類を添えて保険者(協会けんぽ、健康保険組合)へ郵送
  4. 保険者が審査
  5. 「支給決定通知書(振込通知書)」が保険者より発行
  6. 4月20日ごろ、指定口座に傷病手当金が振込

まとめ

傷病手当金は、ある程度の知識と準備が必要な生活保障です。

  1. 傷病手当金は国民健康保険にはない、働けないサラリーマンに特化した生活保障
  2. 業務外での病気、怪我が対象
  3. パワハラ、セクハラが原因のうつ病・自律神経失調症は、労災保険がある
  4. 働けない理由は問われない
    (うつ病、自律神経失調症、適応障害、プライベートの事故・怪我OK。サボりはダメ)
  5. 傷病手当金支給期間は、支給対象日初日から最大で1年6カ月
  6. 傷病手当金は、一定条件で再発時、退職後も支給される
  7. 傷病手当金には決まった支給日がなく、傷病手当金支給申請書を提出して約2~3週間後が目安
健康保険(協会けんぽ)の傷病手当金の金額と計算方法
年金の支給金額の計算は複雑怪奇ですが、健康保険(協会けんぽ)の傷病手当金の金額と計算方法は簡単です。いくらくらいもらえるのか?例をあげて計算します。